「お金の勉強」を勧めたのは一体誰? ドラ1前田悠伍が“初暴露”…先輩同期の素顔

ソフトバンク・前田悠伍【写真:竹村岳】
ソフトバンク・前田悠伍【写真:竹村岳】

8つ離れた部屋からでも聞こえてくる岩井俊介の叫び声

 鷹フルでは月イチ連載として、ドラフト1位で入団した前田悠伍投手を深掘りしていきます。今回のテーマは「同期入団の選手」について。19歳の前田悠にとって、大卒&社会人の選手は年上。可愛がってもらっている“アニキたち”について存分に語っていただきました。特に最近、距離が縮まっているという先輩とは?

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 同期の“アニキたち”を心から慕っている。プロの世界で切磋琢磨する大切な存在でもある。19歳らしからぬ落ち着きとプロ意識を見せるドラフト1位ルーキーの前田悠だが、同期の先輩たちからは「クソガキ」と言われるヤンチャな一面もある。

 先輩の誘いを簡単に断る、先輩にタメ口で話しかける、ノックもせずに先輩の部屋に入る、などなど……。前田悠の素顔については“アニキたち”から明かされてきていたが、本人はどう感じているのか。年下から見る“アニキたち”について語ってもらった。

 まず、ドラフト2位で入団した岩井俊介投手だ。岩井の明るいキャラクターもあって、入団して最初に仲良くなった同期だという。信頼して慕っているが、「岩井さんは夜うるさいですね。いつも宮里(優吾)さんの部屋にいるんです。(前田悠の部屋とは)結構、離れてるんですけど、叫び声が聞こえてくるんです。夜、ちょっと眠たくなってくる時に声が結構聞こえてくるんです。うるさいな、と思いながら」。間に8つも部屋があるにも関わらず、岩井の声が聞こえるという。

「ずっとああいう感じというか、面白い感じです。でも、マウンドに立った時の引き締まった表情とか、ギャップがすごいなって、そういう印象はあります」。普段の陽気な岩井と、マウンド上の精悍な姿に驚きつつも「めちゃくちゃ優しいですよ」と、頼りにしている存在だ。

「最近は廣瀬さんの部屋にもよく行くようになりました」と、ドラフト3位の廣瀬隆太選手とも“接近中”だと明かす。特に用事があるわけではないが、廣瀬の部屋で寛いでいる。廣瀬は「ノックもせずに入ってくる」というが、前田悠は「一応、小さくトントンしているんですよ。だって、寝ていたらちょっと静かにしないといけないかなと思って」と、気遣っているという。

 オフの日でも寮で過ごす時間がほとんどだという前田悠の最近の趣味が読書。「やっぱりお金を持ち始めたんで、ちょっとお金の勉強とかもしないといけないなと思って、お金の本とか読んだりしています」と、19歳らしからぬ発言も……。「知っといて損はないと思うんで」と言うのは、ドラフト4位の村田賢一投手の影響だった。

 村田はこう明かす。「悠伍はドラ1で、若くしてお金を持ったから、ちゃんと金融リテラシーを教えていかないと」。明大の商学部だった村田は学生時代に学んでいただけあって経済や金融といった分野に詳しい。「大卒に勉強では敵わないんだから、お金のことくらいは学んでおけ」と、今後生きていく上で必要な“お金の知識”を教えてくれる存在だ。

 村田も岩井同様に明るいキャラクターで、前田悠は「話し出したら、もう一生話すんで、あの人は。ちょうどいい時にしれっと帰っています」と笑う。プロ1年目から同期で“お金の知識”を教えてくれる存在もなかなかない。「あの人のお陰でお金の知識も増えているんで」と感謝もしている。

 前田悠がマイペースにプロ生活を送れている1つの要因が、この懐の広い同期の存在にあるのかもしれない。25日に行われたウエスタン・リーグの阪神戦(ほっと神戸)で7回途中3失点と好投し、勝利投手となったドラ1左腕。優しき先輩たちと1軍の舞台で共闘する日が待ち遠しい。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)