中村晃が背中痛で出場選手登録を抹消…小久保監督は「10日で戻す予定」
今宮健太内野手の言葉がチームメートの思いを代弁していた。「待っています」。12日、中村晃外野手が背中痛のため出場選手登録を抹消された。卓越した打撃技術だけでなく、精神的支柱としてもチームの力となっていたベテラン。誰もが一日も早い帰還を待ち望んでいる。
12日の楽天戦（みずほPayPayドーム）。グラウンドでの試合前練習に背番号7の姿はなかった。小久保裕紀監督は「（治るまでは）10日かからないと思いますよ。10日で一応戻す予定にはしているんで。“ぎっくり背中”みたいなやつです。よくあることなので。筋肉ではないです」と説明した。
現状では軽傷とみられるが、チームとしても4年ぶりのリーグ優勝に向けて大きなポイントと捉えている9連戦で起きた中村晃の離脱。チームメートや首脳陣に与える影響は少なくない。この日4安打2打点と躍動した今宮は、率直な思いを口にした。
「一番悔しいのは晃さんだと思いますし。僕としても色んな所で助けてもらって、支えてもらっていますので。早く治して、復帰してもらいたいという思いだけですね」。前選手会長は言葉を選びながらも、中村晃の心中を思いやった。
かつて自主トレをともにした柳町達外野手も「すぐに戻ってこられると思うので」と希望を口にしつつ、力を込めた。「ギータさんが離脱された時もそうでしたけど、晃さんがいなくなったら負けたじゃだめなので。悔しいですし、本人も責任を感じられると思うので」。
続けて柳町が口にしたのは「驚き」だった。「痛そうな様子を全くされていなかったので。やっぱり気持ちが強いなと。本当にそういう振る舞いは凄いなと思います」。普段と変わらない姿を見せていた“師匠”の姿に、改めて思うことろがあったようだ。
小久保監督も「彼の良さは言い訳しない、人のせいにしない、環境のせいにしない。そういう姿がチームを引っ張っている」とかつて話していた通り、中村晃は苦しみを見せることはなかった。村松有人打撃コーチは「早く帰ってきてほしいのはやまやまだけど、数日はしっかりとケアして。本来の姿で戻ってほしいなと思います」と口にした。
開幕から代打が中心という難しい役割を任され、思うような結果が出なくても淡々と与えられたポジションをこなしてきた34歳のベテラン。4年ぶりの歓喜の瞬間をともに迎えたい。その思いはチームの誰もが持っている。
（長濱幸治 / Kouji Nagahama）
