オスナが渡米前に語った“全て” 最初に伝えたかった感謝の想い、そして復帰への希望

ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:竹村岳】
ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:竹村岳】

「伝えてもらいたいことは、僕はリハビリをしにアメリカに帰ります」

 ソフトバンクは2日、ロベルト・オスナ投手が腰部の検査および治療のため、渡米したことを発表した。渡米前にオスナは「取材をしてほしい」と鷹フルの単独インタビューに応じていた。首脳陣と密に行われていたやり取り、今後の治療についてのプラン、ブルペン陣へのメッセージ――。多岐に渡ったインタビューの全文を公開する。

――「インタビューをしてほしい」とのことでした。伝えたいことはありますでしょうか。
「まず伝えてもらいたいことは、ファンの皆さん、監督、選手、コーチ、組織の皆さんに、僕はリハビリをしにアメリカに帰ります。怪我があって、それを治すために帰ります。まずはそれを伝えたいです。リハビリが終わったらなるべく早く日本に戻ってくることを、皆さんに伝えてもらいたいです」

――患部の状態はいかがですか?
「日本では思ったようにリハビリが進まなかった。それがカルチャーの影響なのかはわからないけど、アメリカに帰って、チーム(ホークス)からもらったプランもあるし、それに基づいて少しでも早く戻って来られるようにアメリカでリハビリをするということです。もちろん、チームともしっかりコミュニケーションは取れていますし、何かあったらすぐに連絡をすることもできます。早く戻るためにアメリカに行くということです」

――チームは首位を走っているが、オスナ投手は30試合に登板して0勝2敗、20セーブ、防御率3.99。もどかしい思いもあったかもしれないが、ここまでを振り返って。
「この順位にいることが嬉しいです。自分だけではなく、チームメートの方が、みんなが頑張ったからこのポジションにいる。柳田悠岐さん、僕も怪我をしてしまいましたけど、リハビリをする時間をしっかりといただくことができた。僕も柳田さんも戻ってきた時に、さらにチームの力になるように頑張るので、1日でも早くリハビリをして、なるべく早くチームに戻って貢献したいです。チームメートにもすごく感謝しています。チームメートのおかげで時間をもらうことになりましたし、チームがいい順位にもいる。そこに感謝をしたいです」

――小久保裕紀監督は「信じて待っているから、と伝えた」と言っていました。首脳陣とはどんなやり取りが?
「コミュニケーションはすごく取れています。小久保さんとも倉野さんとも、アメリカに行くまでにしっかりと話をしました。こういう理由で帰ります、と。遊びに行く、バケーションで帰るのではなくてリハビリをしに行く。1日でも早く戻ってくるという話をさせてもらったので、彼らとのコミュニケーションは取れています。今の感じだと、何事もなければプレーオフにも進めると思います。柳田さんや自分が戻ってきて、プレーオフでさらに活躍できるような状態を作ってくれているチーム、チームメートに本当に感謝しています。このポジション(順位)にいることがとても大きいですし、1日でも早くリハビリをして、バケーションに行くのではなくて、リハビリをしに行く。すぐに戻ってきたい、そんな気持ちです」

――怪我を治すことはオスナ投手のキャリアにとっても大切なこと。そこに専念できる状況を、チームが作ってくれた。
「おっしゃる通りです。それがチームだとも思うんです。誰かが悪い時に違う人、また違う人がカバーをする。それがチームだと思います」

ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:荒川祐史】
ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真:荒川祐史】

――限られたこの時間で全てを伝えることは難しいかもしれませんが、改めてファンの方々に伝えたいことは。
「まずはファンの方には感謝しています。その気持ちを伝えたいです。あとは、僕たち(オスナ投手とチーム)は、監督コーチ、選手もそうですけど、しっかりとコミュニケーションを取れています。ファンの方々に一番わかってもらいたいのは、リハビリのために行って、1日でも早く戻ってきたい。そのためにアメリカに行くので、それはわかってもらいたいです。1日でも早く戻ってきたい、その気持ちでいっぱいです。このままだとプレーオフにも行くと思いますけど、プレーオフで貢献できるように1日でも早く戻ってきて、チームと優勝ができたらと思います。チームにもちゃんと『すぐに戻ってくる』と約束をしました」

――これからはどんなステップを踏み、どれくらい時間がかかる?
「来週の月曜日にアメリカでお医者さんと診察の約束があります。そのお医者さんに聞いて、大体どのくらいかかるのか、わかります」

――松本裕樹投手、ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手ら、親交の深いメンバーがブルペンにいると思います。彼らも含め、自分が不在の期間を支えてくれるブルペン陣に伝えたいことはありますか。
「今まで頑張ってきてくれた、引き続き最後の最後まで頑張ってもらいたいのが一番です。皆さんいい結果が出ていますから。あとは、僕に限らずですけど、誰かが抜けるということは、チャンスでもある。野球選手として成長するチャンスでもあるから、せっかくだから上手く使ってもらいたいし、僕も負けるつもりはないです。戻ってきたら、1日でも早くチームの力になれるようにと思っていることは変わらないです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)