廣瀨隆太の“怒りの叫び”に「分かります」 正木智也が後輩に共感「危機感しかないので」

ソフトバンク・廣瀨隆太(左)と正木智也【写真:竹村岳】
ソフトバンク・廣瀨隆太(左)と正木智也【写真:竹村岳】

正木は21日に昇格後、5試合連続で先発出場「この1週間が勝負と思っている」

“慶大三銃士”の一角が1軍生き残りに必死のアピールを続けている。「この1週間がやっぱり勝負かなと思っているので。打ってアピールするしかない」。3年目の正木智也外野手は表情を引き締めた。

 26日のオリックス戦(京セラドーム)。1点リードの無死一、三塁で、代わったばかりの吉田を捉えた。初球の真っすぐが甘く入ったところを見逃さずに左前へ運び、貴重な追加点を挙げた。「甘い球がきたら初球から絶対にいってやろうと思っていたので。その意識がよかったのかな」としてやったりの表情だ。

 この日は6番・柳町達外野手、7番・正木、8番・廣瀨隆太内野手と慶大コンビが並んだ。自身に適時打が出た直後、廣瀨が送りバントを打ち上げて捕邪飛にすると、ルーキーは怒りあまり叫び声をあげた。「バント失敗が一番イライラします。それぐらいの失敗だと思います」。試合後も廣瀨は悔しさを隠そうともしなかった。このシーンに2学年先輩の正木は“共感”したという。

「いやー、本当に分かりますね。チームにとっても大事な場面で(犠打のサインが)出るものだと思うので。そこは死ぬ気でいくんですけど、できなかった時は……。悔しいっすね」。正木がそう口にしたのは、直近で自身も同じ経験をしたからだ。

 23日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)。同点の7回無死一塁で送りバントを試みたが、捕邪飛に倒れた。この日の廣瀨とは違って表情を変えることはなかったが、胸の内は同じだった。

「僕は喜ぶ時は感情を出しますけど、そっち(悔しさ)は出さないですね」。後輩が見せた姿には「あいつは意外とやりますね。闘志むき出しというか、感情を出すタイプ。2軍でも結構やってました」と明かした上で、「1年目で普通なら周りの目とか気にしそうですけど、それはすごいなと。そこがあいつのいいところかなと思いますね」と口にした。

ソフトバンク・廣瀨隆太、正木智也、山川穂高(左から)【写真:竹村岳】
ソフトバンク・廣瀨隆太、正木智也、山川穂高(左から)【写真:竹村岳】

 正木自身は昨季、開幕スタメンに名を連ねたものの、極度の不振に陥り、シーズンを26打数1安打、打率.038で終えた。「去年はチャンスをいただいた中で結果を出せなかったので。今年こそはという思いしかない」と巻き返しにかける覚悟は強い。

 21日に1軍昇格を果たしてからは、5試合連続でスタメン起用されている。「本当に1打席、1球に集中して、くらいついてやってます」。その言葉通り、25日の試合に続いて2試合連続のタイムリーと、小久保裕紀監督の期待に応えている。

 1年目ながら後輩が見せた闘争心に何も感じないわけがない。「もう3年目で結果を出さなきゃいけない立場だとも思うので、常に危機感を持ってやっています」。自らのバットで存在を示し続ける。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)