打率.419でもバント…繋いだ柳町達は「晃さんなら打ってくれると」 中村晃に託した思い
柳町の犠打から生まれた中村晃の決勝打…
中村晃外野手の決勝打が中前に抜けると、球場は地響きのような歓声に包まれた。ベンチからはナインが一斉に飛び出し、殊勲の一打を放ったヒーローにこぶしを挙げた。優勝を決めたかのような盛り上がりが起きる、ほんの数分前。きっちりと自らの仕事をこなしたのは柳町達外野手だった。
2点を追う7回に4連打で一気に追いつくと、なお無死一、二塁で柳町に打席が回ってきた。5月28日の1軍昇格後は打率4割をキープするなど絶好調で、5回の前打席でも左前打を放っていた。それでもサインは送りバント。しっかりと投前に打球を転がした27歳の胸中にあったのは、自主トレに師事したこともある先輩への“絶対的な信頼”だった。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)