3軍から参加の山本恵大が“4番弾” 「無言の圧を感じたのかな」松山2軍監督のコメント

ソフトバンク・松山秀明2軍監督【写真:長濱幸治】
ソフトバンク・松山秀明2軍監督【写真:長濱幸治】

3軍から2軍戦に参加した育成の山本が4番弾…8回3得点で逆転勝ち

 ソフトバンクの2軍は4日、みずほPayPayドームでの中日戦に5-3で勝利した。1点ビハインドの8回、育成の山本恵大外野手が左翼テラス席へのソロを放って同点に追いつくと、その後も2点を加えて逆転勝利した。山本はこの日、3軍から2軍戦に参加。4番起用に応えた。試合後の松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――終盤に逆転し、勝利。
「山本のホームランがね。あの場面で出てくれたっていうのは本当に大きかったですね。いきなり4番で大役というか、ちょっと前半は空回りしているところもあったんですけど、今日のホームランは、練習の時もああいう打球が飛んでいたので。最後は練習通りに打てたというか。本当にホームランがね、よかったなというか、助かったっていう感じですよね」

――3軍から参加した山本選手をいきなり4番で使った。
「前回も2軍で試合に出た時に、バッティング内容はすごく良かったですよね。そういう中で長打力もあるし、今日の練習を見た感じでもいい打球を飛ばすなっていうところもあって。まあ期待値もあるというか、期待に応えてくれて本当に嬉しかったですけどね」

――4番起用をいつ決めた。
「今日の練習前です。せっかくね、3軍のほうでも打っているし。そういう意味では、4番で打たせるのもチャンスだし、コーチの人たちも僕に提案していただいたので。いってみようという感じでしたけどね」

――3打席目から本来のバッティングができたと話していたが、ベンチの中で声掛けなどあったか。
「いや、何もかけてないですよ。無言の圧を感じたんじゃないですか(笑)。まあ2軍なので。逆にプレッシャーであったり、それは感じてほしいですよね。感じた中でどういうプレーをしていくかっていうことも僕は見てみたいので。1軍なら当然フォローもして、もっとプレーをしやすくして。結果が出やすいような状態を作ってあげたいと思うんですけど、2軍なので。 逆に重いプレッシャーの中で、どう彼らが対応するかっていうところの方が興味があるので。まあ最後に力を出したのはすごいなと思いましたね」

――谷川原選手も、嶺井選手が1軍に上がっていろんな思いの中でプレーした。
「うん、そうですね。本当に今年に関しては、バッティングの方でちょっと苦しんでるところもあるので。ああいう大事なところでね、ヒットを打ってくれるっていうのは、やっぱり、経験値もあると思うんで。頼りにはなりますね」

――試合展開的にも勝連選手、イヒネ選手で取った併殺が大きかった。
「まあゲッツーを取れたのは良かったですけどね。ゲッツーの内容はいまいちでしたけど。(守備)コーチの立場からするとね。もうちょっとグラブの芯で取れやと思いますけど。まあでも1軍じゃないので。ダブルプレーを取ったからいいとかじゃなくて。結果的にはピッチャーにとっては最高のダブルプレーでしたけど、内野手のプレーからしたら、あれは100点ではないってことですね。100点ではないです」

――勝連選手の二塁守備はどう見ている。
「プロ野球の野手としての最低限のレベルはもう持っているとは思いますよね。守備が不安でもないし。スローイングもボールを捕る能力も全然劣ることなく、(二塁も)合うと僕は思ってるので。もうちょっとうまくやれんじゃないのって」

――期待がゆえに。
「そうですね。だから本当にね、僕は常に1軍でプレーするにはどのレベルかって話ですよね。1軍で(併殺を)取れないやつを取れるのは素晴らしいですけど、あれは取って当たり前のプレーなので。あれを取れなかった場合、叩かれるわけですよ。ということは、取らないとダメなプレーですよね。だから、ナイスプレーではないですね」

――野村勇選手の体調不良により急遽招集した伊藤選手のプレーは。
「彼は入った時から、僕も一緒にやってきたので。だから大体これぐらいのことをやってくれるというのは分かっているし、使いやすい。彼らにとっては、自分が持ってるものをそのまま出してくれてるだけなので。全然心配はないです」

――中日は申告敬遠に小刻みな継投と、1軍のような戦い方だった。
「本当に1軍の試合をしてる感じでしたね。こっちはちょっと戦力的に勝つだけのために、選手を使っていくというのは今の環境的に難しいところもあるんですけど。相手が1軍の継投みたいな感じで来ると、勝った時は本当に嬉しいです」

――選手もいい経験ができた。
「左(打者)がきたら左(投手)が出てくるし、右がきたら右が出てくるし。1軍ならあれが当然なんですけどね。でも、その中で結果を出せたというか。谷川原にしても勝連にしても、あの状況の中で結果を出したことは自信を持ってくれていいですね」

――先発の大山投手の投球は。
「立ち上がりはちょっとつかまりそうな感じはあったんですけど。いけるところまで全力で投げていけと言ったんですけどね。ちょっとイニングを計算しながら投げているような感じもあったので。そうじゃなくて、自分がいけるところまで全力に近い形で投げていったらどうなるかっていうテストをしていくのも、彼にとっては必要なことだと思うんですよね。まだ1年目なんで。途中からは良くなったので。そういうものを初回からぱっと出せればね。安定感が出てくると思うんですけどね。

――みずほPayPayドームでの3連戦。2軍選手にとってどういう意義がある。
「1軍がやるグラウンドの中で、マウンドであったり、ポジションの人工芝であったり、照明であったり、スタンドであったりね。そういうものを感じられるっていうのは本当にファームの選手にとってはありがたいし、次ここで(1軍選手として)やる時が来たら緊張は少し減るんじゃないですかね。なかなか単独で(1軍の)メーン球場でやれるってのは少ないので。大体どの球団も親子ゲームだったりはあるんですけど。なかなか単独ではないので、そういう意味では球団に感謝する部分ではあるとは思います」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)