「後悔は1ミリもない」谷川原健太の覚悟…捕手専念で1軍未出場も悲壮感なし「これが現実」
「捕手専念」で臨んだ9年目の谷川原 “恨み言”を口にしない強い覚悟
「後悔は1ミリもないです」。9年目を迎えたソフトバンク・谷川原健太捕手は、曇りのない表情でそう言い切った。昨季までは持ち前の俊足強肩を生かして外野手も兼任していたが、捕手に専念した今季は開幕から2軍暮らしが続く。それでも、思いつめた様子は全くない。27歳の胸中に迫った。
61試合に出場した昨季、先発マスクをかぶったのは4試合。ほか57試合は全て途中出場で、そのうち外野を守ったのは31試合と「第3捕手兼外野手」として一定の立ち位置を固めた谷川原だが、今季を迎えるにあたって大きな決断を下した。
昨秋キャンプで小久保裕紀監督から「捕手専念指令」を受けた。「外野でやりたいなっていうところはあった」と口にしつつも、「キャッチャーで勝負したいという気持ちが出てきた」と前向きに受け止めた。そして迎えた今季、開幕から甲斐拓也捕手と海野隆司捕手の「捕手2人体制」が続き、谷川原はファームでの調整を続けている。「もし外野手も続けていれば……」。そんな思いはよぎらないのかと問うと、偽りのない本音が返ってきた。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)