2位日本ハムに3連勝、独走気配も冷静解答「まだ5月です」…首脳陣コメント

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

ソフトバンクが2位日本ハムに3連勝で5.5ゲーム差の独走態勢に

 ソフトバンクは8日、日本ハム戦(みずほPayPayドーム福岡)に3-1で勝利し、同一カード3連勝を飾った。チームは4連勝で、2位に5.5ゲーム差をつける「独走態勢」に入りつつある。約1か月ぶりの先発となった石川柊太投手が6回1失点の好投で今季2勝目をマーク。同点の4回2死一、三塁で三森大貴内野手が放った左前適時打が決勝点となった。試合後、取材に応じた小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)の主なやり取りは以下の通り。

〇小久保監督
――約1か月ぶりの先発となった石川が好投した。
「立ち上がり、初回は1点取られましたけど、そのあとは彼らしいテンポのいいピッチングでね。1か月ぶりとは思えない、本当に落ち着いた投球だったと思います」

――6回71球で降板し、継投策に入った。
「1か月ぶりっていうのもあるし、ずっと中継ぎで入って1週間前に3イニング投げて、というところだったんでね。相手ピッチャーも全く同じ調整方法できた金村だったんですけども。(6回で)代えると決めてました」

――ロベルト・オスナ投手は日米通算200セーブを達成。
「セーブシチュエーションで出せることが全然なくて。大勝ちか同点かみたいな。ずっと(記念の)ボードを全国に持ち歩いたりしていたんですけど。そればかりはどうしようもなくて。彼も節目の数字なんで、早くクリアして普通に戻りたいといいのもあったと思うんで。やっと落ち着いてやれると思います」

――三森が決勝打。このカードは勝負強さを見せている。
「牧原(大成内野手)が開幕スタメンをつかんだ中で、牧原の怪我の離脱によって、彼がそこのポジションを取ろうとして。非常にいい活躍をしてくれていますね」

――チームは4連勝。週末の試合に向けて。
「明日、明後日と2日空くんで。選手はリフレッシュして。宮崎、鹿児島は年に1度のところなんでね。しっかり年に1度のお客さんの前でいいパフォーマンスをしてもらいたいと思います」

――石川の後を受けた投手も完璧な投球だった。
「今日はもう、明日、明後日は(試合が)ないんで、あの3人に行ってもらって。津森も(控えて)いたので。だから今日は6回でスパンと、どんな球数でも終わろうと決めていました」

――石川は中継ぎでも先発でもいい仕事をしている。
「もちろんね、開幕ローテーションに入って。入ったというか1回ね、仙台で投げましたけど。その後、どうしても日程的な問題でね。何回も言いましたけど、(先発が)6枚いらないんで。彼自身はどのポジションでも優勝するために貢献したいということだったんで。正直、今の布陣の中では中ロングでいてくれるとすごくチームとしては厚みが出るんですけど。でも今回のようなピッチングをしてくれるとね。また先発で、ということも考えないといけないですね」

――ポイントに置いていた日本ハムとの3連戦で3連勝。
「これはちょっと想定以上ですね。僕の中ではこの6連戦は結構厳しい戦いになるという覚悟でいたんですけど。貯金が増えるとは思っていなかったですね」

――中村晃外野手にも久しぶりの安打が出た。
「はい。彼はスタメンで出る日もあれば、控えの時は代打の一番手なので。あまり数字は関係ないんですけど。ただ、彼としてみれば久しぶりのヒットでほっとしたんじゃないですかね」

――7日の試合で犠打を失敗していた川村友斗外野手がバントを決めた。
「まあ、ちゃんと。犠打失策でしょ。成功するまで(サインを)出し続けてやろうと思っていたんで。それはもう。彼は2軍の時から一緒にやっているから。僕のその性格も分かっているんで。絶対に出されるとわかっていたと思いますよ」

――これで2位と5.5ゲーム差。戦い方は変わってくる?
「いや、そんな差が空いているとは思っていないんで。まだ5月ですよ。まだ5月。ゲーム差とか順位とか消化試合数とかほとんど見てないんで分からないですけど。まあ、投手陣がここまで順調にきているんでね。投手陣が頑張ってくれているから、しっかり落ち着いた攻撃ができているというのは言えると思うので。ここからもコンディショニングの確認、把握。それに努めます」

〇倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)

――石川の降板は予定通り。
「そうですね」

――今後の起用法は日程を見ながら決める。
「そうですね。次は先発で」

――想定を上回る結果だった。
「うーん、想定以上ということはないですね。うまくいけばこういうピッチングはできると思ってましたので。期待通りっていうのが正しいかなとは思います」

――先制点取られてから立ち直った。
「初回はちょっとしたコントロールミスだったので。そんなに心配はしてなかったですね。本当にブルペンから球もよかったので。これはいけるんじゃないかなという感じで見てましたね」

――去年までの2年間は制球難に苦しんでいた印象もあったが。
「その2年間は知らないんで。よかったと思います、2年間を知らなくて。僕は石川のいいイメージしかないので。2年間はまあ、実際に見ていなかったので。僕は石川どこが悪くなったのかなと思って、今年会った時に話したんですけど。僕は悪いイメージはなかったんで。で、キャンプから見てきて、別に全然大丈夫だなと思っていたので。その2年間、悪かった理由はわからないです」

――ゾーンでしっかり勝負できていた。
「まあ、今日だけじゃないですけどね。シーズンに入ってゾーンで勝負するというのはずっとやってきていましたんで。オープン戦から。今日だけじゃなくて、ここまでずっとやってきたことが実を結んだというふうには思いますけどね」

――新しくスライダーも試したと話していた。
「本当にみんな、周りのピッチャーもそうですけど、向上心があるので。1軍にいても現状に満足しているピッチャーは少ない、というかいないので。常によくなろうとしている部分がいいところだと思いますけどね」

――スライダーはどう見えた?
「今日久しぶりにブルペンで見ましたけど、いい曲がりをしていたんで。もともと投げていた気はしたんですけど……」

――改良した感じだと。
「はい。まあ、どんどんチャレンジしていけばいいと思うので」

――中継ぎもパーフェクト投球だった。
「みんなパーフェクトで。連投だったんですけど。頼もしいですよね。まあ明日、明後日と2日空くということだったんで。展開によっていってもらうと決めていたので。本当に期待に応えてくれましたね。」

――オスナが日米通算200セーブを挙げた。
「一応節目の記録なんでね。そういうのはいいことだと思いますし。とにかく僕は本当に早く100%の状態に戻るように常々、話はしてますので。きょうも本人と話しましたけど、100ではない。ただ、着実に上がってきているので。彼に入っていますけど、100じゃなくても、80でも70でも抑えて帰ってくるというのが仕事なんで。彼もあれだけのキャリアがありますから、自分の調子云々ではなくて、必ず抑えて帰ってくると。いつも話してますけど。でも今日は本当に結果も内容も伴ったいいピッチングだったと思います」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)