川村友斗は「だいぶ慣れた」、岩井俊介の昇格は「本人の努力」 首脳陣2人のコメント全文

楽天戦の指揮を執ったソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
楽天戦の指揮を執ったソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

ベンチの雰囲気は「悪いはずがない」…スチュワート&ウォーカー抹消について説明

 ソフトバンクは30日の楽天戦(みずほPayPayドーム福岡)に8-0で勝利した。先発した有原航平投手は8回無失点の好投で3勝目を挙げた。打線は8得点し、山川穂高内野手が6号ソロを含む3安打。柳田悠岐外野手は2試合連発の3号ソロ、近藤健介外野手も4安打とクリーンアップが活躍した。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

○小久保裕紀監督

――先発の有原投手は8回無失点。
「3点を先制した後も丁寧にゴロを打たせながら彼らしい投球だったと思います」

――8回を投げて100球での交代となった。
「もう本人が『いいです』ということで『お腹いっぱい』と言っていました」

――打線は今季最多の14安打。
「3点を取った後に次の1点が向こうだともつれそうな展開ですよね。そこで柳田が打ってビッグイニングになったので、そこで勝負あったかなという感じですね」

――三森大貴選手も今季初安打となるタイムリーを放った。
「牧原(大成内野手)の怪我で巡ってきたチャンスをしっかりと掴もうという姿勢は見えました」

――7連勝となったが、ベンチの雰囲気は。
「悪いはずがないです。今日のことは今日で終わりなので、明日また引き締めてやっていきたいと思います」

――これだけチームの状態がいい要因は。
「要因……投手陣の踏ん張りと、主力選手の活躍というか、クリーンアップを含めてレギュラーとして試合に出ている選手がしっかり仕事をしている。あとは若い選手の台頭というところもありますけど、主軸がいない中で若手がそのカバーをできるかと言ったらできないですから、やっぱり主軸がどっしりしているおかげで周りの選手が生きている感じです」

――明日は大関友久投手が先発。どんな投球を期待したい。
「前回は雨の中でもしっかりと投げてくれたので、明日はぬかるみの心配はないので、思い切ってやってほしいです」

――2回はホームランが出た後に、川村友斗選手にエンドランも絡めて追加点を奪った。
「川村が今日は4出塁かな? 6番で近藤の後なので、あんまり状態が悪い選手だと近藤が勝負してもらえない。そういう点では彼がしっかりと存在感を発揮しましたね」

――川村選手についてはオープン戦の時に三振の多さを気にしていましたが、選べるようになってきている。
「でも多いのは多いですけどね。それよりもコンタクトする能力が高まってきている感じです。だいぶプロの水にも慣れて、楽しいんじゃないですか」

――近藤選手も4安打。
「ちょっと疲れているんかなって話をしたら、とんでもなかったですね。修正能力の高さも含めて。山川も甘い球を1球で仕留めて、あれで最初に流れを掴めたホームランでした。リチャードと仲良くやっていましたね」

――山川選手、柳田選手がアベックアーチ。主軸が打つと流れが生まれる。
「それはそうでしょう。近藤が打ったら面白いなと思っていましたけど」

――監督も現役時代に経験があると思うが、先制点が4番から生まれると、チームには勢いが出るもの。
「そうですね。4番が打った試合は負けられないと言っていましたね、僕らの時は」

――三森選手も3安打。
「そういうタイプでしょう。合う投手にはとことん合うし」

――3月、4月で貯金を「12」、作った。就任1年目の1か月を振り返って。
「先は長いです」

――リチャード選手はどこを期待して昇格させた?
「去年の秋から全くノータッチだったので、自己管理できて体重がキープできていたのと、今日みたいな日を受けてオフに準備していたかどうかを見たいということです」

――アダム・ウォーカー選手が抹消になった。
「期限は別にない。でも必要である選手なことは変わりないからしっかり状態を上げてくれとは昨日言いました」

○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)

――有原投手は「お腹いっぱい」で交代となった。
「点差もあったし、球数も100球に行ったので本人と話をして本人も『大丈夫です』ということで」

――内容は文句がないほど。
「早い回で援護もありましたので、そういう意味でも自分のペースで投げられたと思います」

――長いイニングを投げる能力がある投手だと評価されていましたが、今日はゴロが目立った。
「ゴロを打たせたい時に打たせる投球術がありますし、何よりもゾーンで勝負するから無駄球が少ないですよね。そこが球数少なく、球数が少ないということは長いイニングを投げることにも繋がると思うので、そういう意味でも良かったと思います」

――野手にリズムを生む投手。
「と思いますけどね。セットに入ってからのテンポもけっこう早い。先発の中では早い方なので、そういう面でも先発投手としてお手本になる部分もあるんじゃないかなと思います」

――岩井俊介投手は1回無失点。
「良かったと思います。前回、1軍から2軍に行ってもらう時に課題を与えました。それが少しずつクリアになっていると報告を受けましたし、僕もそういう評価をしていたので。ファームで本人やコーチと一緒に取り組んできたことが、改善傾向にあるのでスタッフも含めて感謝しています」

――本人は体の開きをテーマにしてきたと話していた。
「そこを一番の課題にしていました。その辺が、完全ではないんですけどかなりいい方向に来ているのが確認できたので、1軍に来てもらいました。それも本人の努力と、ファームのスタッフのおかげだと思っています」

――開きを抑えることで球持ちが良くなる?
「大学時代よりもかなり、もともとオープンステップの投手なんですけど、それがちょっとひどくなっていた。前回1軍にいる時はあまりフォームのことは言いたくなかったんですけどファームに行く時に、この機会にと思って(伝えた)。いいメカニクスに戻せるようにというところです」

試合観戦に来たソフトバンク新人選手【写真:竹村岳】
試合観戦に来たソフトバンク新人選手【写真:竹村岳】

――今日は前田悠伍投手らが観戦していた。何を感じてほしかった。
「雰囲気じゃないですか。ここでやりたいって思うことが今後のモチベーションを高めることに繋がる。ああやって試合前からメディアの人がいっぱいいたり、すごくこの後のモチベーションに繋がると思うので、いい取り組みだと思います」

――米国でもマイナーの選手がメジャーの試合を見に来ることはあった?
「去年僕はアリゾナにいたんですけど、アリゾナでダイヤモンドバックスとレンジャーズが試合をする時はバス2台で全員で行っていました。そういうのもアメリカでもありましたね。やっぱり刺激になりますよ。接したことのある先輩たちが球場で、たくさんのお客さんの前でやっているのを見ると、向こうでも刺激を受けていましたね。どんどんこういう機会はやったらいいんじゃないかと思います」

――カーター・スチュワート・ジュニア投手は登録抹消になった。間を空けるというニュアンス。
「そうですね」

――和田毅投手の登板も近いですか?
「はい。ちゃんと発表します。ネタがない時に(笑)」

――スチュワート投手に伝えたことは?
「昨日の投球をしてくれたらどのチームが相手でも勝つチャンスはある。反省するところはしないといけないですけど、彼についてはすごく誉めたというか、前回の反省を生かしてくれたので、そういう意味でも良かったと思います」

(竹村岳 / Gaku Takemura)