「またアップにしてるやん」 西田哲朗広報のマイブーム…なぜ津森宥紀を“寄り”で撮る?

ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】
ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】

「ニシテツカメラ」写真編…3枚の写真から透けて見える西田広報と津森の関係性

 ソフトバンクの西田哲朗広報による「ニシテツカメラ」。シーズン中は写真編として、選手の表情をお届けいたします。今回提供してもらったのは、津森宥紀投手の“どアップ”写真、3枚。なぜ西田広報は、津森投手を「寄り」で撮ることにハマっているのか? 「普通の写真もあるんですけどね」。西田広報が写真撮影において気をつけている“ポリシー”、被写体となっている津森投手の感想も含めて、2人の関係性をご覧ください。

○西田哲朗広報
――なぜアップの写真にハマっているんですか?
「僕がビジターの試合に帯同する時は撮影をしているんですけど、けっこう津森はアップにしても可愛い顔をしているなって思って(笑)。ファンの人の反応も見るんですけど、いい反応が多いなと。そこから始まったんです。でも試合前なので、はじめは一眼レフで、しれっとアップにして撮影していたんです。それから津森も奥さんもインスタグラムを見ているそうで、『アップが多いね』っていう話になったみたいで。チームもいい状態ですし、津森には『チームの状態いいから!』って言って、アップを撮るようになりました」

「僕基本的に、自分が被写体になったとして、いいところにあげてほしいなって思うんです。カッコいい写真を撮るというスタンスは変わらないんですけど、枚数を撮って僕の感性的にカッコよくないってやつは投稿しない。選手が“増し”でカッコいいなって思うような写真ですね。その中でもいい表情を撮ってほしいっていうのが選手の気持ちだと思うんです。そこは考えているんですけど、津森はアップにしても可愛いところがあって、継続しています。津森もそのために『ホワイトニング頑張ってるんです』くらいの感じだったので(笑)。逆に求められてもいるのかなと」

ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】
ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】

「これはヒーローインタビューの時なんですけど、ヒーローインタビューの時はいつも撮って選手にプレゼントしたり、あげやすいように僕からメンション(通知)して、選手にも自分のインスタグラムでアップしてもらえるように意識しています。iPhoneではアップにしても絶対に(撮られている側は)分からないんですけど、津森の場合はヒーローインタビューの時にアップにしたっていう“オチ”を作りたかっただけです(笑)。普通の写真もあるんですけど、アップシリーズに僕がハマっているっていう感じです」

――4月19日のオリックス戦、山川選手とお立ち台にあがった時の写真ですね。
「そうです。この写真を自分のインスタグラムにあげて、音楽を『オリオンビール』(山川選手の登場曲)にするっていう(笑)。ちょっと実は繋がりあるんですよって意識してみたり」

「もともとヒーローインタビューの写真を撮るっていうのは2年ほど前からやり始めました。選手自身のインスタグラムにアップするっていうのは、こっちがサポートしてあげないとなかなかあげにくいんです。『今日ヒーローなりました』って自分で言うよりも、人からメンションされる方が、選手もカッコつけずにあげられることにもなって、貢献できるので。そこは僕も数年前から意識するようになりました。テレビ番組出演や公式ではアップすることができないような写真を僕が補助として撮っていますね」

――ヒーローインタビュー以外の2枚も可愛らしい写真だと思います。
「もちろんアップでも、ちゃんと“よし悪し”はつけています! これだけ昔から人との出会いが多くて、選手にも恵まれて、いろんな人との出会いがありました。その中で人のことをよく知ろうとして『聞く』『見る』っていうのは人よりも多いと思っているんですけど。それは仕事にも繋がっていますし、その感性は生かしていきたいですね」

「“どう見せるか”っていうのと、先読みが大事。これを出したことで、この人とこの人はどう思ってどうなっていくのか。2段階、3段階まで先を読まないと広報という仕事上、大きな問題に発展することもある。選手を守ってフィルターをかけてあげる。全部をサポートじゃないですけど、選手の素の部分を見せつつ、ちゃんとした部分も見せてあげることの補助も必要になってくるので、僕は先読みっていうのは大事にしていますね。このアップの写真にしても、ただ何気なくあげているわけではなく、ちゃんと自分の中では考えていますよ」

――津森投手はどんな人ですか?
「素直な選手です(笑)」

――誰にでも人懐っこっくて、取材対応も「相手によって変わることのない」ような、珍しい選手だと思います。
「純粋ですよね。純粋な気持ちで野球を頑張ってきたんやなっていう。でも彼も高校時代は厳しい監督のもとで育っていますし、東北福祉大でも元プロの大塚(光二)さんが監督だった。時代が変わってきた中でも、いろんなことを経験してきた選手ですよね、津森は」

――カメラをアップにした時の津森投手のリアクションはどんなものですか?
「『絶対またアップにしてるやん!』って反応です(笑)。でも、もちろんタイミングは読みますよ。彼も集中している時はもちろんあるし、本当に合間のリラックスしている時に隙を見つけてアップにしている感じです。僕はカメラを撮る時、あんまりこっちを見てほしくないんです。練習している姿を届けたいので。その中でカッコいい表情を撮っていきたいですね。基本、ほとんどはビジターなんですけど“僕が撮っている”ってわかってくると思いますよ。撮り方も一律していますし、角度もこだわっているので」

――津森投手は撮られて喜んでいますか?
「喜んでいると思います。チームの状態がいいので、続けていこうと思います」

撮影をするソフトバンク・西田哲朗広報【写真:竹村岳】
撮影をするソフトバンク・西田哲朗広報【写真:竹村岳】

○津森宥紀投手

――西田広報が、津森投手のアップ写真を撮ることにハマっているそうです。
「コメントとかを見ていたらまあまあ反響良かったので、それはそれでアリなのかなと思っています(笑)」

――ご家族の反応もいいそうですね。
「みんなというか、妻もいいねを押しているので、喜んでいるんじゃないですか」

――アップで撮られるのは恥ずかしくありませんか?
「慣れたっす(笑)。最初はめっちゃアップやんって思ったけど、これも逆にいいのかなって」

――キャラの定着を目指していきたいところ。
「それも1つですよね。アップが定着していい感じになってきたら」

――撮られているのは気がつくんですか?
「この辺まで来ますもん! しかもレンズもマックス(のズーム)にしてくるので、気づきますね……」

――どんなリアクションをされるんですか?
「またアップやん、みたいな。でもそれも言わなくなってきましたね、アップされて、撮られて終わりみたいな」

――西田広報はアップにしても顔が可愛いと言っていました。
「なんすかそれ! 本当はもっとスリムになりたいですよ」

ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】
ソフトバンク・津森宥紀【写真提供:西田哲朗広報】

――歯のホワイトニングもされている?
「そうですね。2回くらいやって、あと1回(予定が)残っています。でも休みの日はけっこう歯医者に行っていますね」

――撮られることで美意識に磨きもかかってきた?
「そうですね。今年からけっこう歯医者にハマり出しましたね。前までは定期的、くらいだったんですけど、今はえぐいくらい行ってます」

――ホワイトニングの効果は感じます?
「周りからは『白くなったね』って言われますし、クリーニングもしています。最近は行けていないですけどね」

――津森投手が結果を残しているからこそ継続できること。そういう意味でも、好投を続けていきたい。
「なんでもいいので、とりあえずゼロだったら全部良くなっていくので。無失点は続けていきたいです」

――なかなか聞く機会がないですが、西田広報との関係性はどんなものですか?
「なんでも話せますよ! 接しやすいです。テツさんも、自分のことはイジりがいがあるんじゃないですか(笑)」

(竹村岳 / Gaku Takemura)