3試合連続の劇勝に“絶叫”…小久保監督は反省「リーダーらしからぬ」 首脳陣2人のコメント全文

勝利に笑顔でハイタッチをするソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
勝利に笑顔でハイタッチをするソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

西武に3連勝も「どっちに転んでもおかしくないゲームだった」

 ソフトバンクは29日、西武戦(みずほPayPayドーム福岡)に5-4のサヨナラ勝利を収めた。2点ビハインドの9回2死一、二塁で柳田悠岐外野手が右中間へ、サヨナラ3ランを放ち劇的な勝利を収めた。西武との3連戦はすべてサヨナラ勝ちとなり、チームは6連勝を飾った。小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

○小久保監督
――柳田選手の見事なサヨナラ3ラン。
「映画でもちょっとクサすぎるぐらいの展開でしたね」

――柳田選手は最終打席までヒットがなかった中での一発だった。
「ホームランはもちろん期待できるバッターだったんで、もちろん打てばサヨナラってのは思ってましたけど。その前にね、今日の展開的にはミスもあり、ホームランで突き放された中で、高橋光成が相手ということで非常に苦しい展開で、その前に1回、打って追い詰めて、山川のところでしのぐ高橋光成もさすがだなと思いながら試合を見ていましたけどね。最終回にこういう幕切れになるとは予想していなかったです」

――強力な投手陣がいる西武に3連勝。
「毎日言っているんですけど、紙一重なんで。前の西武戦の山川が満塁ホームラン打った試合以外はね、どっちに転んでもおかしくないゲームだったんで、1勝5敗だった可能性もある。あとまだ6試合、交流戦前まで西武戦があるんで、全く緩めることはできないです」

――仲田選手にプロ初ヒット。
「『初ヒット(打った相手)誰や』って言われたら、『高橋光成』って胸を張って言えるピッチャーから打ったんで、自慢したらいいんじゃないですかね」

――ホークスが福岡移転後、2500勝。節目の勝利となった。
「年間でもそんなにない劇的な試合で、節目の試合を飾ることができたっていうのは嬉しいですね」

――先発のスチュワート投手をどう評価する?
「海野のミスがあった時にね、ツーアウトまでなんとか持ってきて、あそこを切り抜けておくと、やっぱり野手の信頼も得られるし。彼だからって厳しいこと言うわけじゃないんですけど、勝ち星に恵まれるにはあのイニング。“たられば”になりますけど、ツーアウトまで行って金子を抑えておけば、おそらくこっちに流れが来た試合だったと思う。球自体は全然いいんでね。昨年までとは全然違う内容なんで、ここから勝てる投手になるにはどうしたらいいかっていうところをね、一緒に詰めていきたいですね」

――これでチームは6連勝。
「ピッチャー陣も含め、野手も毎日延長でね、体は結構疲れていますね。その辺をうまくマネージメントしながら、しっかり選手の体調を気にしながらやっていきたいと思っています」

――山川選手と交代した甲斐選手の前で柳田選手が決めた。
「(塁が)詰まっていなければ、歩かせも考えたかもしれないですけどね。最後の最後、キャッチャー2人で、あそこは代打出せないんで、拓也(甲斐)には悪いですけど、1番回らない打順まで落として、9回はああいう風になるとわかっていましたけどね」

――川村選手を6番で起用した。新しい武器になるか?
「DHが、近藤、柳田を使わなければ。全く別です」

――柳田選手は頼りになる活躍をしてくれた。
「今日は一番海野が救われたんじゃないですか」

――3試合連続サヨナラ勝利は珍しい。
「あ、そうですね。ちょっと興奮しすぎて声が出なくて」

――嬉しくて叫んだ?
「一昨日の晃(中村)の時に叫びすぎて。リーダーらしからぬ。これ反省」

――仲田選手は7球粘ってヒットを放った。
「あんな姿見せられたらスタメンで使ってやりたいなみたいなの当然出ますよね。でも初めてのピッチャーでね、あれだけみんな手こずって、主力も手こずるピッチャーをね、もう本能のままでファールで粘って、最後の釣り球真っすぐをセンター前。しかもまだ2打席目ですよ」

――仲田選手を選んだ理由は?
「あそこは繋がった方が今日の試合は盛り上がるだろうと。晃(川瀬)でいくよりは、ということです」

――起爆剤になった?
「起爆剤とまで思ってない。もし繋がったら、今日のゲームははっきり言って負けゲームなんで、チームとしての盛り上がりは晃(川瀬)がヒットよりはあいつ(仲田)が行った方が。そういうぐらいです」

○倉野コーチ

――スチュワート投手をどう評価する?
「前回の反省を活かして、僕がやってほしい、求めていたピッチングはできてたと思います。ただ5回のホームランのところだけは少し反省点が残りますけども、それ以外のところではあのピッチングをしてくれていたら十分これから勝つチャンスがあるんじゃないかなと思います」

――スチュワート投手の投球は次回に繋がる?
「最後の回もしっかり抑えてくれたので、点を取られたまま降板するよりは、抑えてから代われることができたのでよかったと思います」

――前回の登板後には厳しい言葉もあったが。
「今日のピッチングだったら次にチャンスがあると思います」

――中継ぎ投手3人が結果を出した。
「良くやってくれたなと。最後の最後、ああいう形に繋がったのは、あの3人がヒットも打たせずに抑えれたことが繋がっていると思います」

――今季初登板のダーウィンゾン・ヘルナンデス投手は四球があったが好投した。
「あのフォアボールも狙ったところに投げてのフォアボールだったので、全く問題ないですし、球の質も安定いてたので、またこれから出番も増えるだろうと思いますけど」

――長谷川投手が9回を3人で抑えたことが大きかった?
「さっきも言いましたけど、ヒットを打たせずに、しっかり0点で帰ってきて、ビハインドの場面だったかもしれないですけどやることは一緒なんで、みんなその辺は点差がどうであろうと、自分たちの役割をしっかりやらないとというね。チーム内の競争も激しいのでそういった意味では、緊張感を持ってやってくれていることがこういう結果に繋がっているのかなと思いますね」

――長谷川投手は登板間隔があった中での好投だった。
「それは本当にね。こっちももう少し上手くというか、定期的に。中継ぎって間が開くと難しいんで。それをあれだけ上手く対応してくれる。この前も中19日ぐらい開いても2イニングピシャリ、それはなかなかできることではないんで、普段の練習とか、ブルペンでの過ごし方もしっかりしてるからこういう結果に繋がってるんじゃないかなと思う。本当に良くやってくれているなと思います」

――ワンポイントで起用することは考えていない?
「今はですね。もちろんシーズン進んできて、先発投手が疲れてきたりってなると、そういう継投も増えるかもしれないですけど、今のところはあまり考えてないですね。もちろんそういう場面もたまにはくると思いますけど、基本的には考えてないです」

(飯田航平 / Kohei Iida)