山川穂高が語る「良い時」 21歳剛腕の直球を打ち返せた理由…“8タコ”から施した「技術の修正」

オリックス戦に出場したソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】
オリックス戦に出場したソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】

4回2死一、三塁で山下から左中間に4号3ラン「完全に納得です」

 ソフトバンクは19日、オリックス戦(PayPayドーム)に9-7で勝利した。4号3ランを含む3安打5打点と活躍したのは山川穂高内野手だった。16日、17日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)では2試合で8打数無安打に終わったが、そこから技術的に修正した点があったと明かす。「いっぱいあるんです」という山川の“バロメーター”とは? 試合後の一問一答は以下の通り。

――シーズンでは初の本拠地でのホームラン。
「打ったことはあるので、一緒だったと思います」

――ファンの前で「どすこい」も見せられて、喜んでもらえた。
「当然、僕も嬉しいですし、これからもやっていきたいと思います」

――どっちに転ぶかまだわからない展開で、ホームランの打席はどんな集中力で打席に入った。
「またちょっとこれは技術論の話なんですけど、内容は言わないとして、技術の部分で修正をかけられた。今日はよかったので、明日も結果うんぬんは抜きにして、今日と同じことが明日もやっていけたら。悪い時は『これじゃない』『あれじゃない』となってしまう。そういう意味で今日は4打席、同じことができたのは一番よかったです」

――2打席目、3打席目の間の修正なのか、札幌の試合が終わってから今日までの修正なのか。
「札幌の時とのです」

――内容としても納得。
「完全に納得です。かなりよかったです」

――昨日の間に修正をした。
「そうですね。昨日です」

――またどこかに打ちに?
「昨日は家でちょっと素振りをしました」

本塁打を放ちベースを回る山川穂高【写真:竹村岳】
本塁打を放ちベースを回る山川穂高【写真:竹村岳】

――真っすぐは狙っていた?
「良い時っていうのはストレートを待っている状態でスライダーやフォークに対応できるというのが僕のタイプとしては理想。そういう意味では、ストレートをはじくというのは良いのかなと思います。特に山下投手のストレートなので、誰がどう見てもすごい球。そこを一発で打てたのはよかったと思います」

――実際、待っていた?
「山下投手の場合はカーブを待つとかはないですから。あれだけのスピードがあるので」

――21打点はリーグトップ。チームに貢献もできている。
「いやいや、全くです。今日は先制タイムリーが出ましたけど、早い段階でそういう先制点を取るのが一番いいと思うので、それがなかなかできてこなかった。これからいっぱい試合も残っているので、早めに点を取って、今日みたいなチャンスで回ってきた時に打てればいいのかなと思います」

――2本目のタイムリーの打席ではかなり内角を攻められていたが、それをさばいた。
「あれがヒットゾーンに落ちる時の打ち方が、正しい打ち方。コンちゃん(近藤健介外野手)とかギータさん(柳田悠岐外野手)を見ていても、正しい打ち方をしているからあれだけの数字が残っている。僕は何かがおかしいから、1割とか、そういうことになっている。心の問題というよりも完全に技術の問題なので」

「あれがサードゴロになったり、ファウルになったりするバットの軌道とか構えも含めて、ああいうふう(今日のように)なってきたらいいなと思いますし。明日以降も続けられたら一番いいんですけど、上手く行かない時も出てくると思うので、そういう時にこういう時はこう修正したなっていうのが出てきたら」

――6回無死二塁では、バント処理でも好捕して投手を救った。
「常々、言っている通りです。守備には全く自信はないので、自分のところに飛んできたものを普通に対応できたら」

――監督は足をつって交代した、と。
「ちょっとつりました。つってしまったので帰ってちゃんと治療して、また明日頑張れるようにします」

どすこいポーズを決める山川穂高(左)【写真:竹村岳】
どすこいポーズを決める山川穂高(左)【写真:竹村岳】

――9回1死一塁、セデーニョ選手の大きな飛球ではベンチでも大きなリアクションを見せていた。
「いやぁ、セデーニョ選手は今誰が見ても絶好調じゃないですか。『うわ、行かれた』って思ったんですけど、フェンス手前だったので大喜びしました(笑)」

――山川選手が打点を挙げれば、チームとしても勢いに乗る試合が多い。4番が仕事を果たすことの重要さというのは。
「4番の概念が各チームによって変わってきていると思いますけど……。僕は小さい時から4番を打ってきて、4番に対するこだわりはやっぱりありますし。逆に、4番で打てなかったら、他の打順で打てない時よりも僕の場合は悔しいです。でもその分やりがいのある場所ではあるので、もっと良い数字を出して、もっと安心して見られるようにしたいです」

――登場曲が変わっていた。
「チャンスの時だけ『パワプロ』のホームラン競争の音源をお願いしたんですけど、初回からチャンスだったので。明日から、一発目は『オリオンビール』を流してもらうように言いました(笑)。やっぱり僕はオリオンビールだなと」

――なぜホームラン競争の音源を。
「昔からゲームとか、僕たちは『パワフルプロ野球』で育っている。ちょっと乗れる歌だったので、チャンスでちょっと乗れる歌がいいなっていうのはありますね」

――山川選手は、打撃面で修正をかけようと思った時に、どこをバロメーターにしている?
「いっぱいあるんです。練習のやり方で見直せるところと、試合中に対応できるところが何個かある。今日の場合は完全に、試合中に対応できる直し方をしました。(内容は)内緒です」

(竹村岳 / Gaku Takemura)