本拠地開幕戦勝利の要因は“大関の7回”と甲斐のリード 小久保監督&倉野コーチのコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

ポイントになった7回の守り「継投に入らなかったのが一つ、勝因」

 ソフトバンクは2日、本拠地PayPayドームで行われたロッテとのホーム開幕戦に2-0で勝利した。2回にアダム・ウォーカー外野手の適時打で先制に成功すると、5回2死二塁で柳田悠岐外野手が適時打を放って追加点。和田毅投手のアクシデントにより、この日の先発を託された大関友久投手が7回を投げて3安打無失点と好投し、リードを守り切った。本拠地で初勝利となった小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーターの試合後のコメント全文は以下の通り。

○小久保監督
――ホーム開幕戦勝利おめでとうございます。
「ありがとうございます」

――大関投手は和田投手よりも老獪なピッチング。
「7回が全てですね。あそこで変なリクエストからのエラーの、ワンアウト満塁になった後、やっぱり茶谷は三振で打ち取って、もう1人行かせようというところで、あのバッターまでだったんですけど、あそこのイニングで継投に入らなかったのが一つ、勝因でしょうね」

――攻撃では相手にとっては嫌な点の取り方はできた。
「贅沢言っちゃいかんですけど、得点圏に送りながら、本当、今日もピッチャーの勝利だと。あと甲斐拓也のリード。バッテリーの勝利だなというふうに思いますね」

――ホームの声援をどう受け止められました。
「そうですね、リムジンに乗ってて選手の入場を全く見ていなかったんで、何が起こってるかわからなかったんですけど、僕のためにというか、開幕戦セレモニーであまり時間を取らせるのも失礼なんで、シャッシャッと終わらせましたけど。あとはあれですね、本当に今言ったように守備が今日、本当に良かったんで、やっぱりピッチャー含めた守りだっていう点での、そういう試合運びができたと思いますね。ファンの期待はヒシヒシと伝わっています」

――明日に繋げたいところ。
「もちろんです」

――7回は大関投手に任せる、と。
「中村の次に行ったら代えようと津森を用意していたんですけど、あそこまでは行こうということで。打ち取った当たりがエラーだったので、打たれたりしていたわけじゃないでね」

――和田投手の代役で素晴らしい投球。
「和田も逆に救われていると思いますし、大関に関して言うと、こっちの方もあるよ、というなかで土日での登板をさせていたわけなんで、一番負担をかけた選手なんですが、見事、期待に応えてくれましたね」

――近藤選手と柳田選手の主力2人が好守。
「あの時間帯に守っていることは去年までなかったでしょうからね。疲れていると思いますけどね」

――甲斐選手のリードがよかった、と。変化球が多めな印象でした。
「それはそれで多くてもいいんですけど、ただやっぱり城島シニアコーディネーターとも今日は話しましたけど、彼の上手いピッチャーの引き出しはできているねって話もしていたんで、見事ですね」

――周東選手の足は非常に大きい。
「(打)率はいいんですけど、出塁率はもうちょい上げてくれれば言うことないです」

――去年は近藤選手や柳田選手はDHが多かったが、6連戦全て守らせる考え?
「今週はちょっと考えるかもしれないです。それはもう試合展開と、例えば大勝、大敗なら代えますけど、開幕してから今日まで全部僅差なんで、今日も8回に柳田、山川、近藤(の打席)が8回なら全員代えていたと思うんですね。オスナなんで。7回だったんで代えないという、そういう理由なんで。だから山川に関してはもう9回はオスナで行くんで代えたっていうところも含めて、並び的に8回なら代えるかもしれないですけどね」

――あまりDHでスタメンは考えていない。
「いや、今週は考えるかもしれないです。移動ゲームもあるし、ナイターデーもあるんで。ただ、それまでの試合と運動量です。運動量はしっかり見ます」

――ウォーカー選手の中堅への意識はどう見ている?
「練習からずっとしてるんで。練習から、オープン戦の途中ぐらいかな、山川と一緒に反対のケージは必ず右中間に打つという練習をしているんで、だから練習通りじゃないですか」

ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:荒川祐史】

○倉野信次コーチ
――大関投手は高評価の内容。
「はい、もちろん、期待通りのピッチング。オープン戦でやってくれていたピッチングをそのまま維持してくれて、結構、前回の登板からちょっと空いたんですけど、それもうまく対応してくれて、いい状態をキープしてくれたっていうところにこっちも感謝しています」

――キャンプの時は出力が出ていなかった。
「特に何かしたっていうわけではないですけど、微調整を繰り返しながら、あと大関自身がコンディション含めて、しっかりコントロールしたというか、修正したというか、その辺、大関はすごく修正能力っていうのはすごく高い選手なので。もちろん困ったら、僕らは助けるというか、アドバイスする準備はいつもしているんですけど、大体、自分で解決することが多いですよね。そうなってくれると、すごく選手としては一段も二段もステップアップするんじゃないかなっていうのは思います。でも本当、今日はよくやってくれましたね。特にあのフィルダースチョイスみたいな形で満塁になった後の2人への投球というのが、やっぱりもう今日の一番の大きな仕事というか、それは本当にコーチとしても『ありがとうございます』っていう感じでしたね」

――監督は中村奨吾選手のところまで、と。1死満塁の段階で交代は考えなかった?
「いろいろ監督とは話をしているので、ベンチの中で、展開を見ながら準備はしてもらってはいるんですね。展開を見ながら、話し合いながら、どこまで引っ張るか、どこで代えるのかっていうところは、ずっと話し合いながらやっていますので」

――内外の投げ分け、早いカウントからのフォークが良かった。
「それもオープン戦からずっとやってきたことなんで、それをそのまま本番でも出せたっていうところは良かったし、精度も結構高く、低めに集まっていたし、そういう点でも、すごく良かったなとは思います」

――指導者歴が長い倉野コーチから見ても修正能力が高い。
「高いですね。かなり高いですね。それはそう思います。他の人が低いという意味では全くないんですけど、大関の場合はすごくいろんなことを考えて、自分の時間を有意義に使うというか、そういう選手ではあるなと思います」

――筑後で長谷川投手が1回を無失点。
「明日の状態を見て、それで考えます」

――6連戦の初戦で7回まで投げてくれた。
「それは大きかったし、もしかしたら8回までいけるかもって、途中は思っていたんで、本当に6連戦の最初に長いイニングを投げてくれるピッチャーっていうのは本当にありがたいですよね」

――登板予定日より早まるのは大変?
「早まるのは大変ですね」

――修正能力、対応力を買っての大関投手だった。
「そうですね。それは他のピッチャーもあるんですけど、よりそういう能力に長けてるのは大関じゃないかなっていうのは僕の評価です」

(竹村岳 / Gaku Takemura)