スチュワートは「ローテで回れる」 絶賛したピンチでの好守備…首脳陣2人のコメント全文

ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(左)と小久保裕紀監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(左)と小久保裕紀監督【写真:竹村岳】

8回1死一塁で周東佑京が“神走塁”「かえって来られるのは周東だけ」

 ソフトバンクは31日、オリックス戦(京セラ)に5-2で勝利した。先発したカーター・スチュワート・ジュニア投手が5回1失点。2番手の津森宥紀投手が1回無失点で、今季初勝利を挙げた。打線は5回1死にアダム・ウォーカー外野手が1号ソロ。同点の7回1死一塁で、栗原陵矢内野手が放った適時二塁打が決勝点となった。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

○小久保裕紀監督

――中継ぎ勝負という展開になった。
「そうね。でもカーターも初登板でよく投げたと思いますよ」

――75球での降板。
「今日は良くても5回で切ろうみたいな話をしていたので。投げさせたい投手、早めに“開幕”させたい投手もいるので」

――津森投手が3者凡退で、その次の7回の攻撃で勝ち越した。
「栗原が初球の甘い球を打ってくれて、その後のイニングもね、今宮の当たり(8回1死一塁から右翼線二塁打)でかえって来られるのは周東だけなので。あと、野球やめるまで見ることのできない山川の三塁打もあったので(笑)。あれ三塁打やろ? もうないでしょう(笑)」

――効果的に追加点を取れた。
「去年の王者ですから、すんなりは勝たせてくれないですけど、ただ同点にされなかったところも大きかった。最後ね、サードへの微妙な当たりを栗原がナイスプレー(8回2死二、三塁の守備)してくれましたね」

――ウォーカー選手にも一発が出た。
「彼らはそこが期待されている。でも開幕シリーズで出たので、いいスタートが切れたんじゃないですか」

――栗原選手やウォーカー選手に当たりが出だすと、打線にも厚みが増す。
「もちろんです。そこにいかに繋ぐかっていうのがね。クリーンアップと、そうじゃない選手の役割ははっきりしているので」

――7回、8回の攻撃は初球打ちが目立った。
「今年のテーマをやってくれている。対戦ができてきた中で、データはいろいろあるでしょうけど、基本的には甘い球を初球から振れる準備というのは年間を通してやっていきます」

――ベンチから見ていて、周東選手の走塁はかえってくる予感がした。
「途中を見たら、井出(竜也外野守備走塁兼作戦コーチ)は回すやろなって思いましたね」

――先発マスクが海野隆司選手だった理由は。
「前回もいいのを引き出しましたしね、そういうところじゃないですか」

――スチュワート投手の5回の交代は疲れが見えた?
「じゃないです。勝ちは意識していなかったでしょうけど、2ストライクになったら三振を取ろうと“マン振り”で腕を振るので。それをしたら全部四球を出している。そこは注意点。2ストライクに追い込んだ後でも、バランス良く投げれば、そっちの方が球はいいので。三振を取ってやろうの力みがバランスを崩しているように僕は見えた。そこは倉野コーチとも話をしましたけど。三振、気持ちはわかりますけど。モイネロと逆バージョンです」

――開幕カードを勝ち越した。
「始まったばかりなので。まだまだこれからです」

ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】
ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】

○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)

――スチュワート投手の内容は。
「初登板だったので、いいところと悪いところがはっきりする投手なので、もっとはっきりするかなと思っていたんですけど意外にスムーズに入っていけたので、そういう意味では良かったと思います」

――制球面やクイックなど、ある程度明確な課題はあると思うが、今日目立った良いところとは。
「今、どの球種でもゾーンに投げられるようになっている。そこが出てくればと思っていますので、十分、ローテーションで回っていけるレベルだと思います」

――初球から変化球でカウントを稼いでいた。
「僕らは別に何も驚かないですけど(笑)。今年は真っ直ぐだけじゃないというところがね、それが一番成長した部分だと思う」

――5回までと、最初からある程度イメージしてプランを組んでいたのか。
「何回とは決めないです、僕は。試合展開とか、チームの状況を見て、監督と話し合うので。何回とは決めていないです」

――7回の松本裕樹投手、8回の藤井皓哉投手はいかがでしたか。
「良い時も悪い時もあるので、悪かったら悪かったで何が悪かったのかを分析しながら、しっかりと次に引きずらないようにしていくことが大事。その辺は終わってからも話をしましたし、次マウンドに上がる時に迷いのない状態で上がれるように、っていうのが大事です」

――まだ登板していない投手もいるが、早く初登板させてあげたい気持ちもある。
「そうですね。それは本当に思います。僕も経験あるんですけど、落ち着かないんですよね。なるべく早くマウンドに上げられる状況があればいいですね」

――岩井俊介投手、村田賢一投手、澤柳亮太郎投手と新人3投手も登板がなかった。体調不良で開幕1軍を逃した長谷川威展投手も含めて、また競争になっていくのか。
「次のカードは、長谷川は週明けに2軍で投げるので、そこからですね」

(竹村岳 / Gaku Takemura)