開幕ローテ近づく7回無失点好投 多彩な変化球がアダに…大津亮介が変えた“思考回路”

ソフトバンク・大津亮介【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・大津亮介【写真:荒川祐史】

タマスタ筑後での4軍戦に先発して7回を4安打無失点に抑える好投

 新たなスタイルに自信を深めた。ソフトバンクの大津亮介投手が21日、タマスタ筑後で行われた九州アジアリーグ・大分B-リングスとの4軍戦に先発。7回を投げて4安打無失点8奪三振と好投し、自身も「普段通り、前回通りに投げられたかなと思います。7回をゼロに抑えて、球数を少なく、テンポよく、相手がどこであろうと抜かないことを意識して投げた」と納得の投球で、開幕ローテ入りへ大きく前進した。

 静岡でのくふうハヤテとのウエスタン・リーグではなく、あえてファーム本拠地のタマスタ筑後での4軍戦が調整の場に選ばれた。タマスタにはPayPayドームと同じ映像分析システム「ホークアイ」が設置されており、映像や投球データをもとに投手の状態を確認できるためで、視察に訪れていた倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)は「良かったですね。前回の巨人戦に続いて、相手どうこうではなく、投げている球が良かったと思います」と高く評価した。

 オープン戦初登板となった3月2日のDeNA戦では1回を投げて3安打1失点。同6日の阪神戦では4回途中3安打3四球2失点と振るわなかった。だが、同14日の巨人戦では6回3安打無失点8奪三振に抑え、この日も好投。この直近、2度の登板では、明らかな“変化”が見てとれた。

 復調のキッカケになったのは、真っ直ぐと変化球に対しての意識を変えたことだった。倉野コーチはこう明かす。「投球スタイルが固まってきたっていうふうに思いますね。どの球を軸にして投げるのか、みたいなところの考え方がハッキリしてきた。球種の多さが自分の首を絞める、じゃないけど、いろんな球を使い過ぎてバッターが怖くない状態になってしまっていた」。

 多彩な変化球が武器だが、それがキャンプ、オープン戦にかけては“アダ”になっていた。大津は「キャンプ中は本当に変化球ばっかりになって、真っ直ぐが自分の中で二の次になっていた」と振り返る。変化球の確認、向上にばかり意識が向くあまり、本来、投球の軸にしなければいけない真っ直ぐの質が疎かになっていた。

 変化球を生かすも殺すも真っ直ぐ次第というのは、投手の常だ。真っ直ぐが走らず、変化球も生きずに、苦しい投球になっていた。「真っ直ぐを第一にして、そこから変化球という考え方に変えました。投球スタイルも真っ直ぐを軸に、その次に変化球というイメージで、前回の巨人戦からイメージして投げた。巨人戦の前まではどちらかと言ったら“かわしのピッチング”すぎた。真っ直ぐにバッターが(ヤマを)張らないっていうのを聞いて、真っ直ぐを軸に、そこからズラしていこうという考え方に変えました」。相手打者をかわすのではなく、真っ直ぐを軸に向かっていくスタイルへと変貌させたことが功を奏した。

 目指してきた開幕ローテ入りにも大きく前進した。倉野コーチは「まだ明言はできないです。色々なことを考えながら、監督とも相談しながらになりますけど、候補の1人であるのは現状間違いないです」と断定はしなかったが、投球内容を見れば一歩リードしたことは間違いない。「やれることは最後の2試合やって、あとは(首脳陣に)言われると思うので、ローテを目指してやってきたので、それを待つだけです」という大津に吉報は届くだろうか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)