2軍から見た1軍は「隙がない」 ハイレベルな競争…松山秀明監督のコメント全文

ソフトバンク・松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】

リチャードの逆転2ランで勝利…開幕ローテ入りの和田毅は4回8安打4失点

 ソフトバンクの2軍は12日、春季教育リーグの阪神戦(タマスタ筑後)で5-4で勝利した。先発した和田毅投手は4回8安打を浴びて4失点。2月下旬からリハビリ組での調整が続いていた津森宥紀投手が復帰登板を果たして、1回無失点。育成の佐藤宏樹投手も3回無失点とアピールした。打線では4回1死から吉田賢吾捕手がソロ本塁打、8回無死一塁でリチャード内野手が逆転2ランを放った。試合後、松山秀明2軍監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――評価が難しいかもしれないが、和田投手の内容は。
「本人は、納得はしていないと思いますけど、よくあるのが2軍で投げた場合、気持ちであったりモチベーションであったり、1軍で投げるのと違うことがある。そこのところは難しい。今日のピッチングの内容に関しては難しいところがあるんですけどね。ちょっと、ヒットを打たれてナーバスになっている部分もあると思いますけど、2軍のマウンド。1軍に行けば別物になるのがベテランの選手ですから。そういうふうに僕は思っていますけど」

――本人も相当、試行錯誤していると思うが、きっかけを探している印象ですか。
「自分が思ったボールを投げられていないという感じは受けますね。去年僕はちょうど1軍で(コーチとして)見ていたので、なんかちょっとこう……。もどかしいというか、そんなふうには見えますけど」

――津森投手が復帰登板。
「真っ直ぐが結構キレのいい球がいっていたので、そんなに心配することはないのかなと思いました」

――構えたところにしっかり投げられている印象を受けました。
「そうですか? 横からだとわからないですけど、でもボールの強さは横から見ていてもあったので、安心したというか」

――今後も順調にステップを踏んでいけそう。
「今日のボールを投げていければ、全然そのままいけそうな気がします」

――佐藤宏樹投手も、走者を出しながらも無失点だった。
「今日はよかったですよね。3イニングをああやって抑えられたら、あとは制球というところ。今日くらいストライクを先行していければ、なんとかなるというか。ボールが先行するとどうしても苦しいので、ストライクを先行していくことが彼にとっては大事だと思います」

――昨シーズンまで2軍監督だった小久保裕紀監督も、ウエスタン・リーグの公式戦で育成5人を選ぶことに頭を悩ませていた。
「これからどうなっていくのかわからないですけど、本当に戦力になる育成選手が多い。そこはこれからもっともっと競争して、2桁になっていけるように頑張ってくれたら」

――大泉周也外野手も2本の長打。
「ここ(最近)、やっと彼らしさというか、バットの方でそういうものを見せてくれている。それを続けていってくれたら、バットでアピールしてくれたらと思いますので、続けてほしいですね」

――石塚綜一郎捕手がオープン戦に出場したり、今日は盛島稜大捕手が1軍に合流していた。この時期に調子がいい選手を上げようという話があったのか。
「それはいろんな、1軍と2軍の。海野を今日は2軍で使いたいだとか、そういうことになるとお互いにうまく選手をやり取りしないといけない。この前は谷川原が、1軍で出すチャンスがないからこっちで出たりとか、そうなった時の選手の起用ですね。なかなか、今は正直、僕らも苦しいというか。1軍の選手たちが頑張りすぎているので、隙がない。2軍の選手が頑張っても、なかなか隙がない。割り込んでいくことが難しい。2軍でも頑張っている選手はたくさんいるので、それを継続して、我慢強く粘っていくしかない。そういうふうに、僕らが言い聞かせていくしかないですね」

――打線でも2本のホームランが生まれたが、監督の目から、今調子がいい選手は?
「どうですかね。その日1本打ったからいいって話でもないんです。正直、トータルとして彼らがどうなのかを見ているので、その1打席で判断しているわけではない。そこのところはもっと、凡打であってもいい凡打であったり内容のある打席を見せてほしいです。1軍の場合は結果ですけど、2軍は内容が大事なところもありますので、そういうところを見ていきたいです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)