SNSで反響…話題集めた“沖縄県人会” 他球団からも参加、又吉克樹が見据える最終目標

沖縄会の様子【写真提供:又吉克樹】
沖縄会の様子【写真提供:又吉克樹】

豪華選手が集結…沖縄県人会開催の経緯とは

 沖縄の野球界を盛り上げるための大きな目的があった。又吉克樹投手らが18日にSNSでアップした、沖縄県出身の選手が集まった「沖縄会」の写真が話題となった。他球団の選手も集まって行われたというこの会は、ホークスから東浜巨投手、又吉克樹投手、嶺井博希捕手、山川穂高内野手、リチャード内野手、前田純投手の6人が参加した。

 最初は宮崎市内の飲食店で東浜、又吉、嶺井、山川の4人で食事していた。これはキャンプインの前から予定を組んでいたという。では、なぜそこにリチャードと前田純が加わり、さらに他球団の選手まで集結したのだろうか?

 10人を超える沖縄県人が集まったのは、たまたまの偶然だった。「もともとは、巨(東浜)と『沖縄会で飯食おうか』って。それでご飯を食べていたら『沖縄のやつ(近くに)いるんじゃない?』といった話になって連絡したら、すぐそこで『オリックスも県人会してる』って言うんで。『じゃあ合流しよう』となったんです」。又吉が開催の経緯を教えてくれた。

「みんなでいると訛ります。そこ(沖縄出身者)しかいないと」

 チームの垣根を越えた「沖縄会」では、沖縄弁で故郷の思い出話に花が咲いた。「チーム云々はあまり気にしてなかったですね。沖縄で集まったんで、懐かしい話、先輩たちの時の有名な選手は誰でしたとか、高校の時はどうでした、みたいな話ばっかりでした。沖縄県民としてまた頑張ろうみたいな感じぐらいですかね」(又吉)。沖縄出身選手ならではの会話が弾み、その中でお互いを刺激し合うことができた。

 そんな又吉には、地元・沖縄のためを思ったひとつの目標がある。「いろんな話をしながらやりたいな、と。今後も集まって、それで最終的に野球教室をみんなでできれば1番いいかなと思うので、そういう繋がりはしっかり持っておこうかな、と思います」と、自分たちが生まれ育った沖縄で、野球教室を開きたい思いを口にする。

「野球で沖縄を盛り上げるという意味では、そっちの方がいいのかな」。沖縄での野球教室は過去にも行ったことはあるが、今後も野球教室を開催し続けることで沖縄を活気づけたいと願う。そのためには他球団の選手であろうと、分け隔てなく関わりを持っていくことが大切だと又吉は考えている。

「結束力はあると思いますよ、間違いなく」。ただ沖縄出身の選手だからというだけで食事を共にするのではなく、この目標を実現させる、という意味も込めて絆を深め合う。「それはもう1番なので、そういうのをしっかりやっていければと思います」。沖縄を盛り上げていきたいと考える又吉の気持ちに賛同する選手も増えていくはずだ。

 今年は残念ながら、沖縄でホークスの試合は予定されていない。「試合があればいいですけど、試合がないんで。ホークスの主催があった時に行ければいいかなと思います」と、地元・沖縄で、勇姿を見せたいという気持ちが溢れる。地元を盛り上げたいと願う又吉の気持ちは、いつの日か沖縄県民、そして多くの子どもたちにもきっと届くだろう。

(飯田航平 / Kohei Iida)