育成の競争は「嬉しい悩み」 猛アピールする3人の野手…小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:小林靖】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:小林靖】

18日は紅白戦で仲田慶介が2安打「全ポジション守れたら可能性ある」

 ソフトバンクは18日、宮崎の生目の杜運動公園で行っている春季キャンプで第4クール4日目を迎えた。紅白戦では紅組が6-4で勝利。先発した東浜巨投手が2回無失点。仲田慶介外野手が2安打、海野隆司捕手はソロ本塁打、川村友斗外野手も2安打とアピールした。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――仲田選手が2安打。
「2ボールからの(ストライクを)取りにくる真っ直ぐを1球で仕留めるっていうね。あれはもうテーマなので。外野も守らせて、途中でセカンドにも入った。去年の秋から言っている全ポジション守れたら可能性あるよ、っていうのは伝えていますので」

――緒方理貢内野手も、右翼守備でファインプレーがあった。
「育成の子たちが頑張りすぎて……。嬉しい悩み、いい姿やね」

――仲田選手は17日に特打で打撃投手をした。修正しようとしている点は見つかりましたか。
「でもバッティングはそんなに、昨日もバテていただけ。打ち方は独特の間(ま)があるので、ちょっと途中にへばった時に(足を)上げたときに止まらずに前に行くので、それだけは言わせてくれ、と。川村にしろ、緒方のライトのプレーにしろ、3桁の選手のための紅白やったところは(あります)」

――近藤健介外野手も2安打。
「ね! さすがです」

――野手が打っている分、投手はどう見ていますか。
「巨(東浜)が持ち味を出していた感じはありますけど。あとは津森も落ち着いて、変化球を課題にしていたみたいで、しっかりと変化球でカウントを取りにきていたし。ちょっとこう、これはまだ検証していないですけど、iPitchの効果が出ているのかなっていうのはありますね。だってもっと速い球を打っているので。みんなそれを感じているんじゃないかなというくらい、あれを取り入れて秋から練習しているのが実戦に入ってもすんなりと違和感なく対応できている理由の1つだと思います。僕はやったことないのでわからないですけど」

――投手がネガティブというよりは、野手の仕上がりが早い。
「という感じはします」

――リバン・モイネロ投手が初ブルペン。
「向こう(キューバ)で投げてきていたので、そんなに心配はしていなかったんですけど。あとは倉野コーチと、僕も含めてどれくらい、オープン戦のどの試合でどれくらいの球数を投げていくみたいな話、詳細を詰めないといけない。それをやっていきます」

――モイネロ投手は本人も先発として頑張りたいと話していた。
「もちろんもちろん。それは全員の一致した方向性なので。変なことで本人が納得しない限り、ちょっとダメだから戻すようなことはしません」

――廣瀬隆太内野手もB組から参加した。空振り三振だったが、どうでしたか。
「あんまり甘い球がなかったね。プロ1年目のキャンプで、最初は振れていて、途中でへばるのは当たり前なんですけど、バットが出てこないという話が来ていて、そこからもう一回上げてきているので。大体、そのまま落ちていくんですけど、今はこうガッと上がってきている感じで。振りは強いですよ」

――前田悠伍投手もA組としてブルペン投球をした。
「今日はこの前よりも力を入れていましたね。若干、バランスを崩していましたけど、18歳で大体キャッチャーミットのこの辺に集まるっていうのはそんなにないですから。あれだけの力を入れて集まるっていうのはね」

――海野選手が本塁打。
「スローイングも去年よりも全然良くて、谷川原は何しとんやって話でね。今日はちょっと出番がなくてかわいそうでしたけど。でも海野はいい成長していますね、この秋から」

――変わったところは。
「バッティングのバットの出し方をとことんインサイドから出すようにしている。去年までだったらファウルなので、それがあそこに打てるようになってきた。インサイドアウトのバッティングを覚えるのはすごく難しいんですけど、それを冬にやってきた。全然変わりましたよ」

――インサイドアウトを覚えるのは相当難しいこと。
「相当難しいです。あれだけは。インサイドアウトの選手をドラフトで取ってこいと言われるくらい、アウトサイドインからの修正は難しい。相当やってきたんじゃないですか」

――姿勢面の変化はいかがでしょう。
「いつまでも2番手と思っていたら違うよっていう話をした。最近では順位が上がってきましたよ。フロントと調整せなあかんね。今の状態では順位が上がってきていると思います」

――育成は枠があるだけに、これからは戦力として見極めていく段階。
「そうですね。それはもちろんベンチ入りは16人、野手はその予定にしている。そこの絡みになってくる。僕の一存では決められる問題ではない。巨大組織なので、フロントと連携を取りながら必要な戦力だと判断した時はそういう可能性(支配下)が高いです」

――野手の3人は、現状ではいいアピール。
「甲乙つけがたい、です」

――モイネロ投手は、開幕ローテーション入りを争う立場?
「投げられれば入っていますよ。球数次第です。球数が投げられるかどうかをオープン戦で見ないといけない」

――100球は投げてほしい。
「100球でスタートしないかもしれないです。それ(80球)くらいで、我慢してということになるかもしれない。最後の詳細はもう少し詰めますけど、1年目(先発は)0の子なので。いきなり100球で時間がかかるのなら、80球でも投げてもらった方がいいくらいになればそうなるでしょうし、これからです。オープン戦のスケジュールはこれから組みます」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)