ドラ3廣瀨隆太は「ナメてますね」 先輩・正木智也にマッサージさせたアベック弾前夜

ソフトバンク・正木智也(左)、廣瀨隆太【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・正木智也(左)、廣瀨隆太【写真:福谷佑介】

B組の練習試合に3番・廣瀨、4番・正木で出場「懐かしかった」

 B組の“慶応コンビ”が揃って結果を残した。3年目の正木智也外野手とドラフト3位ルーキーの廣瀨隆太内野手。17日に今季初の対外試合として行われたセガサミーとの練習試合に「3番・廣瀨」「4番・正木」で出場すると、アベック弾を放ち、ファンの度肝を抜いた。

 まずは先輩が魅せた。初回2死二塁で打席に入った正木が左中間フェンス後方にある防球ネットに突き刺す先制2ラン。4点差で迎えた8回には走者2人を置き、後輩の廣瀨が高めのボールを弾丸ライナーで左翼のネットに突き刺した。試合には敗れたものの、共に2安打をマークし、存在感が際立つ一戦となった。

 2歳差で慶応高、慶応大でチームメートだった正木と廣瀨。正木が大学4年時にはこの日と同じ「3番・廣瀨」「4番・正木」で打線を組むことも。正木が「懐かしかったですよね。僕がネクストで、廣瀨が前で打っているのが懐かしかった。安心したというか、昔を思い出して気楽に打席に入れた」と言えば、廣瀨も「昔から一緒に野球をやってきた先輩なので、いつかはA組でクリーンアップを打つことが目標です」と応じる。

 外野と内野でポジションは違えど、ホークスの中では限りある1軍の枠を争うライバルでもある。「負けたくないっていう気持ちもありますけど、素直に嬉しい」と正木がその胸中を明かし、廣瀨も「正木さんが打っていたら自分も打たなきゃといけないと思っていたので打てて良かった」と語った。

 廣瀨が慶応高に入学した時からの仲。チームの主軸を担う打者で、高校時代から自主練習を一緒に行うなど、切磋琢磨してきた。廣瀨は正木のことを「優しい先輩です」と言う。同じホークスへの入団が決まった際にもすぐに連絡を入れて助言をもらうなど、正木を慕っている。

 固い結束が見える関係だが、正木は「アイツ(廣瀨)は僕のことナメてます。同じ部屋なんですけど、ナメてますね」と、笑いながら言う。ともにB組でキャンプを送っており、宿舎でも同じ部屋。この“アベック弾”前夜に、あるエピソードがあった。

「腰のあたりをマッサージする機械があるんですけど、昨日なんか『正木さん、ちょっと背中やって』って。僕、5分ぐらい廣瀨の背中をマッサージさせられました(笑い)」

 冗談めかしながら、正木は2人の間柄が伝わるやり取りを明かす。かくいう正木も、同じ慶応大出身の柳町達外野手から「ナメてる」といわれる存在で、正木と廣瀨の仲の良さもよく分かる。A組で、そして1軍で2人の活躍が見られる日を楽しみにしたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)