今宮健太が語る周東佑京の“成長” 選手会長になって明確に変わった行動…向き合う重圧と責務

ソフトバンク・今宮健太(左)と周東佑京【写真:竹村岳】
ソフトバンク・今宮健太(左)と周東佑京【写真:竹村岳】

選手会長としての業務は「非常にやることが多くて、頭がパンクしそうです」

 アイビースタジアムのメインエントランス。少し進むと、大きなホワイトボードがある。そこにはズラリとメディアの媒体名と、選手の背番号が手書きで書かれている。どの媒体の取材で、どれくらい時間を確保していて、どの選手が対応するのかが一目でわかるようになっている。連日のように名前が載っているのが、今季から選手会長となる周東佑京内野手だ。丁寧に言葉を発し、一生懸命に新しい役職に慣れようとしている姿を、前会長である今宮健太内野手はどう見ているのか。

 春季キャンプは「球春」とも表現され、野球熱が一気に高まるタイミングでもある。メディアの取材だけではなく、プロモーション映像の撮影など、多くの工程がこの時期に詰められている。4日には能登半島地震の募金活動が行われ、周東は小久保裕紀監督らと壇上に立って募金を呼びかけていた。シーズンのために練習をみっちりすることももちろんだが、グラウンド以外の業務をこなすことも、キャンプ時の仕事の1つでもある。

 選手会長の業務について、周東は「大変です。非常にやることが多くて、頭がパンクしそうです。今までやっていなかったので。でもできるだけ、役職についてそういうことができるだけでも幸せなことかなと思います」と、自分なりに少しでも慣れようと努力している。人前に立ち、言葉でもチームを引っ張り、ファンに呼びかける機会も圧倒的に増えただけに「ヘラヘラしないこと」と心がけていることも明かしていた。

ソフトバンク・今宮健太【写真:竹村岳】
ソフトバンク・今宮健太【写真:竹村岳】

 キャンプインは、チームとしての活動が本格化する時期。10日を終えて、今宮は周東の姿をどう見ているのか。確かな成長を感じ取っていた。

「そういうものは(ヘラヘラしないようにしているのは)すごく感じますよ。僕らの前の姿と、それ以外の姿は違って当然だと思う。どちらかというと、ああいう(ヘラヘラする)姿を見せちゃうタイプでしたけど、選手会長というところでそういう姿を見せてはいけないとあいつ自身も理解している。今その姿は僕もわかりますし、もっともっと人として成長することで、ひと回りもふた回りも変わってくると思う。そこに期待して任せたので」

 今宮は2022年から2年間、選手会長を務めた。コロナ禍でさまざまなことが制限されていた時期でもあり「話し合いだとか、そういうことは多々ありました。勉強になったことはたくさんあった」と、選手会長という肩書きもまた自分を成長させてくれたという。今の周東を見ていても「今年は元旦から石川の方で地震があったりとか、チームとしてもどういう形で支援していくのかも、色々と話があったと思う。大変だったと思います」と、その重責と多忙さをしっかりと見守っていた。

「佑京も佑京で、正直野球のことでいっぱいいっぱいだと思うし、それにプラス、チームのいろんなことをしないといけない大変さはあると思います。これを両立というか、うまく噛み合った時に佑京の人間としての成長に必ずつながってくることだと思います」

 選手にとって注目度が高まることは一流に近づいている証だが、時にはストレスに感じることもある。今宮も「それはあります」と認める双方は、紙一重だ。一番大切なのはチームの勝利と個人の結果。周囲も、選手への負担を配慮して業務量をコントロールしているが、連日のように真っ直ぐと選手会長としての仕事に向き合う周東には頭が下がる。今宮も「昨年の侍で注目もされていると思いますし、選手会長だからというだけでもないと思う」と周東の人気、注目度の高さを感じつつ、大切にしてほしい気持ちを訴えた。

「そういう(注目度が高い)選手だからこそ大変だと思いますし、結果を残して戦っていく、必ずそういう難しさはあると思います。でも一流のプレーヤーになるにあたっては、ギーさんとかはそういう中で常に戦ってきている人。ああいうふうな形になるとみんな慕っていくし。佑京もその道をいってほしいですね」

 柳田悠岐外野手も2018年から2年、選手会長を務めた。球界屈指のスラッガー、そしてホークスの顔として誰よりも注目を集め、プレッシャーに打ち勝っていく姿を今宮も見てきた。周東に置き換えても「彼も彼なりに一生懸命やっていると思うし、いつかそういった面でいい結びつきが出てくるんじゃないかなと思いますよ」という。今は慣れないことが多く、仮に複雑な思いを経験したとしても、必ず自分だけの糧になる。それができると信じて、選手会長を託した。

 周東は人前に立つ中で「言葉選び。余計なことは言わない。大事なことを端的に言うこと。小久保さんが前でしゃべることが多いじゃないですか。こういう時にこういう言葉を使うんだというのは聞きながら勉強させていただいています」と、全てが勉強の日々。自信のほどについても「僕が上手くできていると思っても、記者のみなさんがどう思っているか、だと思います」と、まだ苦笑いだった。柳田も今宮も中村晃外野手も、通った道。今は大変だとしても、経験する全てがきっと周東佑京を“リーダー”へと近づけてくれる。

ソフトバンク・今宮健太(左)と周東佑京【写真:竹村岳】
ソフトバンク・今宮健太(左)と周東佑京【写真:竹村岳】

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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