若手へ静かなるゲキ「差を縮めるのは今しかない」 小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:小林靖】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:小林靖】

訪問した栗山英樹氏とは球界の発展について意見を交換「素直に全部答えました」

 ソフトバンクは8日、春季キャンプ第2クールの最終日を終えた。小久保裕紀監督は4人の投手が登板したフリー打撃を見守るなど、選手の仕上がり具合を入念にチェック。この日は野球日本代表「侍ジャパン」前監督の栗山英樹氏やホークス元監督の工藤公康氏らもキャンプ地に訪れ、指揮官も言葉を交わしていた。練習終了後の小久保監督のコメントは以下の通り。

――栗山さんと長い時間話していた。
「30分しゃべったよ」

――どんな話をした。
「とりあえず電話していなかったんですよ、あえて。お会いしてから(WBC優勝の)お祝いを言おうと。やっとお祝いを伝えられました、世界一の。会ってからにしようと決めていたので」

――栗山さんから質問攻めにされた。
「そうですね。まあ球団の垣根を越えて、プロ野球界全体のために何がいいかというところの話もされていたので。王(貞治)会長も話されて、聞かれたことは素直に全部答えました」

――野球界の発展にはファームの充実が必要だと。
「2軍監督として、どういうことをされてきましたか、と。自分のやってきたことを普通に話しましたけどね。もうあなた方(報道陣の人)は聞き飽きているぐらいの話をずっとしました」

――今日は4人の投手(石川、尾形、杉山、大津)が打撃投手に登板した。
「そうね。まあ(球種が)分かっているんでね。どちらかというと野手の方がちゃんと打ち返していたなと」

――石川投手の投球はどう見えた。
「ブルペンも2、3回見ましたけど、高め中心にやる練習をしていて、まあブルペンではすごい球を投げていましたけどね。今年からL字(の防球ネット)がないので。倉野コーチからの発案で。L字があったら打たせにかかるフリーバッティングになるんですけど、(L字ネットがないと)球種は教えているんですけど、その中でも全力で抑えにかかる。本来の投手のあるべき姿みたいなものを(見られる)。もちろん(打球が)当たるリスクはあるんですけど、あっちの方ががなんかええな、と今は思っていますね。ピッチャーもやりやすいんじゃないかな。どうしても必要という人は置いてもいいけど、今のところ誰も置いていないので」

――栗原選手、井上選手の特守も見ていた。
「栗原は膝の怪我もあって、それから内野に来ているんで、まだ全然、圧倒的に内野(の打球)の数を受けるというのが少ない。もちろん膝のこともありますけど、なるべくこのキャンプでサードの打球を受けるようにっていうのは指示している。あとは本多コーチが左バッターなので。こっち(全体)の練習はしょうがないんですけど、個別(練習)の時は右の奈良原さん(ヘッドコーチ)に打ってください、ということをお願いしていた。そういう点で今日はやってもらいました」

――今キャンプは選手の自主性を重んじている。
「自分で考えてやれる選手だけを預かっているので、それはそれで(自分たちで)スケジュールを組んでやるだろうし。まあ強制的にやったほうがいい選手は自主トレと言いながら、でも引っ張ることはもちろんありますけどね。差を縮めるのは今しかないので。これだけ考えてやる時間があるので、そこでなんとか差を詰める、埋めるように若い選手はしてほしいですね」

――山川選手は自分で考えて練習する。
「まあ彼は昔から練習量はすごいですと聞いていたので。自分できっちりやってますよ」

――話し込む姿もあった。
「バッティングについてです。バッティングの構えがどうのとか、クイックがどうのとか。どういう考えでやっているのかという話をしただけです」

――体調不良者が出ている。
「今でよかったでしょう。開幕3日前とかなら焦るけどね。別に2月なんで問題ないです。ただ、あまり広がらないようにしてほしいですね」

――次クールの入れ替えも考えているか。
「まあ、そんなに補充しないでも隣(のグラウンド)なんで。呼びたかったら呼ぶし、実戦が始まって(人数が)足りなかったら呼ぶし。そのへんはある程度コーチに任せているので」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)