なぜ中村晃と仲がいい? 又吉克樹からまさかの“取材依頼”…浮かび上がる2つの共通点

ソフトバンク・又吉克樹(左)と中村晃【写真:竹村岳、小林靖】
ソフトバンク・又吉克樹(左)と中村晃【写真:竹村岳、小林靖】

又吉自身も認める「みんなからも『晃さんとめっちゃ仲良くない?』って」

 まさかの“取材依頼”が来たから、直撃してみた。ソフトバンクは8日、宮崎の生目の杜運動公園で行っている春季キャンプで第2クールを終えた。選手にとってもキャンプは外食やゴルフなど、チームメートや裏方さんとの関係が深まる絶好のタイミング。そんな中で「なんでか聞いてきてください」と、鷹フルに依頼してきたのが又吉克樹投手だった。

 今キャンプの初の休日は、5日だった。又吉は夜に中村晃外野手と食事をともにしたという。中継ぎ投手と野手。接点の少なそうな2人だが、食事に行っているということはよく耳にする。又吉も「みんなから言われます。『晃さんとめっちゃ仲良くない?』って」と言うほどだ。しかし、理由に関しては本人も「何なんですかね?」と笑う。

 そこで又吉が言ってきた。「ちょっと、聞いてみてくださいよ」。“晃さん”が自分をどう思っているのか、知りたくなったのかもしれない。早速、中村晃本人を直撃すると、2つの共通点が浮かび上がった。

 5日の食事を振り返って又吉は「9割5分、僕がしゃべっていました」と笑いながら話していた。中村晃も「はい。ずっとしゃべってました。ひたすらしゃべってます」と、“9割5分”は大袈裟かもしれないが、盛られている表現でもなさそう。寡黙な中村晃と気が合うことも少し意外に感じるが「場に1人は、ああいうしゃべってくれる人が欲しい(笑)」と、2人のテンションもうまくマッチしているようだ。

 又吉から“取材依頼”があったことを伝えると、中村晃も「なんですかね?」と首をかしげる。中日時代には面識は全くなかったそうで、距離が近づいたのは又吉がFAで移籍してきた2022年からだ。中村晃の推測は「普通に飯に誘ったのと、あとは誘いやすいところです」と言う。醸し出す空気、距離感の近さも理由の1つだ。又吉はきっかけを「マッキー(牧原大成内野手)と1回、3人でご飯に行って、そこからなんか誘ってもらえるようになりました」と話していたが、その食事のことは中村晃もしっかりと覚えていた。

 共通点の1つはペットだ。又吉は犬と猫を1匹ずつ、中村晃も犬を飼っている。又吉はチワワで、名前は「おもち」。中村晃はポメラニアンで、名前は「マウイー」だそうだ。ポメラニアンにした理由は「奥さんの趣味ですかね。豆柴っぽい感じが好きなので、ポメラニアンをそういう感じにカットしました」と明かす。マウイーも愛妻が名付けたそうで「オフは自分も(散歩)します」と、ともに世話をして、家族との時間を過ごしている。

ソフトバンク・又吉克樹の愛猫【写真:本人提供】
ソフトバンク・又吉克樹の愛猫【写真:本人提供】

 食事の際、又吉との会話には「野球関係じゃないですかね」と、グラウンドに生きてくるような言葉を交わしている。2人の愛妻も含めて、4人で又吉家で食事をしたこともあり「犬の話はあんまりしないですけどね。又吉の家に行っても、家で遊ばせておく。あとは奥さんとかと飲んだりする感じです」と、家族ぐるみの付き合いだ。おもちとマウイー、さらに愛猫の「ちくわ」。それぞれのペットも、2人の関係に大きく貢献しているのかもしれない。

 2つ目の共通点が、お酒だ。沖縄出身で、基本的になんでも好んで飲む又吉。中村晃は「しゃべってる、ずっとしゃべってる。あと(ペースが)早いね」とフフフと笑う。強さは同じくらいだそうで、日本酒が好きな又吉に「なんでも、その時に合わせます。でも僕はビールが一番好きです。1杯目のビール」と、自身の好みも明かす。シーズン中、チームは勝利して、翌日は休みという状況で飲む“1杯目のビール”は格別だろう。そんな中村晃を想像しても、きっと“さま”になっているからカッコいい。

 子どもと同様に、自分が飼うペットはきっと、他の誰よりも可愛く見えてしまうもの。マウイーについて「それはそうでしょう、自分の家の(犬の)方が可愛く見えるんじゃないですか」と話す中村晃の表情は、グラウンドでは見られない照れ笑いだった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)