高橋純平から「お前に着けて欲しい」 「47」でエースへ…大関友久が託された同級生の思い

ソフトバンク・大関友久【写真:竹村岳】
ソフトバンク・大関友久【写真:竹村岳】

背負う重責「今シーズンしっかり結果を残したい」

 ソフトバンクは1日、宮崎県の生目の杜運動公園でキャンプをスタートさせた。今季、背番号が変更となった選手は3人。大関友久投手が「42」から「47」に、ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手は「61」から「63」に、川瀬晃内野手は「00」から「0」に。新たな背番号を背負って臨む春季キャンプ初日。戦力外となった高橋純平元投手から背番号を受け継いだ大関がその心中を明かした。

 ホークスの「47」といえば、言わずと知れた“左のエースナンバー”だ。元監督の工藤公康氏や杉内俊哉氏(現巨人コーチ)ら錚々たる顔ぶれが背負った番号。「歴代の左投手のすごい方たちがつけてきた番号なので自分もそうなりたい。そうなれるように頑張りたい」。レジェンド級の選手が背負ってきた重みを受け止めながら、大関は歴代のエース達に負けない成績を残したいと意気込んでいる。

 昨季まで「47」を背負った高橋純は入団年こそ違えど、1997年生まれの同級生。高橋純が戦力外となった後に大関はこう問うたという。「『47番着けていい?』って聞く機会があって、聞いてみたら『お前に着けてほしい』って言ってくれたんです」。空き番になったことで、大関自ら背負いたい思いを伝えた。

 大関の気持ちに対して高橋純は「これからはあの番号にいい思いをしてほしい」「大関に着けてほしい」と思いを託した。自分が果たすことのできなかった“47番を多くのファンに見てもらう”ことを大関に成し遂げてほしかった。同時に「あれだけ努力をして、着実に掴み取って行っているんだから、大関が(47番を)つければ間違いないと思う」と、昨年は開幕投手も任された同級生のこれからに期待している。

「大事な背番号だと思うので、恥じない成績を残せるように頑張りたい」。左腕として「47」を背負う責任の重さと覚悟は、大関の言葉と表情からヒシヒシと伝わってくる。昨季は体調不良での離脱もあり、17試合で5勝7敗、防御率2.78に終わった。黒星も先行することになり、その数字に納得いっているはずもない。「今シーズンしっかり結果を残したい」。背番号も気持ちも新たにキャンプインを迎えた。

 キャンプ初日は雨のために室内での練習となった。新しい番号をつけたユニホーム姿を、多くのファンに見てもらうのは2日以降になる。「似合う番号になれるように頑張りたいなって気持ちだけです」。同級生の思いも詰まった背番号「47」。新たな“代名詞”とともに、大関の2024年シーズンが始まった。

(飯田航平 / Kohei Iida)