和田毅は「めっちゃ笑う」、板東湧梧は「アイドル」 大野稼頭央が見た“TEAM21”の素顔

ソフトバンク・大野稼頭央【写真:竹村岳】
ソフトバンク・大野稼頭央【写真:竹村岳】

和田毅が行った長崎自主トレに2年目の大野稼頭央投手が初参加

 ソフトバンクの和田毅投手が長崎で行った自主トレには、他球団も合わせて16人もの選手が参加した。ホークスからは7人が“和田塾”に入門。そのうちの1人が2年目の大野稼頭央投手だ。寝食までともにする自主トレは、選手同士の繋がりも深くなる。鷹フルは大野に単独取材し、自主トレの感想、自主トレ仲間となった先輩選手たちのそれぞれの人柄や印象についてたっぷりと聞いた。

――和田投手の自主トレはどうでしたか?
「今年が初めての自主トレで、和田さんのところに参加させて貰ったんですけど、まあキツかったです。体幹だったり、ランニングもキツかったです。でも、1番キツかったのは食事です」

――1日どれくらい食べるんですか?
「いや、めちゃくちゃ多かったです。朝、昼はいつも通りですけど、夜にバーンって。サラダ、ドーンって。でかいサラダがどの日のメニューにも入っていました」

――サラダだけでお腹いっぱいになりそうですが、体重は増えました?
「オフから増えました。そんなに一気に増えたって感じじゃないですけど、2キロぐらい増えました。見た目の変化は多分感じられないと思うんですけど、体重は増えている傾向にあるので、このままシーズン通してやっていけたらなと思っています」

――太りにくい大野投手にとって2キロは大きい。
「だいぶ大きいですし、自分の中ではよかったなと思います」

――和田投手はどんな人でしたか?
「最初は喋りづらくて、怖いじゃないですけど、そういうオーラがあるというか、ちょっと話しかけづらい感じの人なのかなと思っていたんですけど、めちゃくちゃ明るくて、すごく喋りやすくて、関わりやすくて、優しい人でした」

――結構、質問もできた。
「はい、できました。練習の動きの中で、どういったところを意識しているか、とかは結構聞いたりできました」

――イメージしていた和田さんと違った一面は。
「めっちゃ笑います」

――そんなに笑う人だと思っていなかった。
「思っていなかったです。笑わない人だと思っていました」

――板東投手ともたくさん接しました?
「結構接した方だと思います」

――どんな印象を持っていた。
「印象はカッコイイしかないですよ、板東さんは」

――カッコイイけど、近寄り難いとかは?
「ありました(笑)。アイドルみたいな感覚で見ていて。でも、いざ喋ってみたら、意外とふざけに走ったりとかもするんで、結構面白い一面もありました。でも、やっぱりみんな優しいです。話しやすかったです」

――ちなみに板東投手は『稼頭央のファンが多かった』と言っていました。
「いや、板東さんですよ! 全然ですよ」

――板東投手と話したことで印象に残ってることは。
「ランニングの話とかですね。『お前速くね?』みたいな感じで言われて『僕、ランニング得意です』って返しました」

――ランニングは負けなかった。
「ランニングは負けなかったと思います」

――「TEAM21」のホークスメンバーの中でも1番だった。
「おそらく、はい」

ソフトバンク・板東湧梧(左)と和田毅【写真:竹村岳】
ソフトバンク・板東湧梧(左)と和田毅【写真:竹村岳】

――藤井投手はどうでしたか?
「藤井さんとは後半、喋るようになったんですけど、結構、野球の話をして、すごい感覚で投げているんだなっていうのはありました。あんまり自分にはできないっていうか、自分にない感覚というか、投げる動作がそんな感じだったんで、すごいなと思いました」

――他の選手とも違う感覚を持っている。
「はい。あまり投げる時に力を入れないって言っていたんで。本当に指から離れる瞬間だけ、みたいなこと言っていて、自分はどうしても力んで投げちゃうタイプなんで、そう(藤井さんの感覚で)したら無理だなと思って。逆に違う感覚で投げていて、すごい面白かったです」

――松本晴投手は同期。
「はい。晴さんも相変わらず面白いです」

――晴投手はどんな人なんですか。
「大阪の人なんで、基本、面白いですよ。野球でも結構いろんなアドバイスじゃないですけど、情報をもらったりとかします。晴さんはいい情報をたくさん持っているんです。部屋が隣ってこともあって、野球のことに関してはいい情報をたくさんもらっています」

――晴さんが居たから安心できた。
「あります。自主トレ先のロッカーも隣でした」

――田浦投手とは今まで関わりは?
「今までなかったです。ほとんど1軍でやられていた方なんで」

――田浦投手も結構特殊な感覚を持っているのでは。
「チェンジアップのことを聞いてみたんですよ。自分、スクリューを覚えたくて、田浦さんのチェンジアップが自分の思っている軌道と近い感じだったんで、聞いてみたんです。なんか手首をカーブと逆に投げるみたいな、捻って投げるみたいに言っていました。まだ掴めていないんですけど、慣れてきたらだんだん投げれるようになると……。真っ直ぐがいいのが前提ですが、スクリューも覚えていきたいなっていう感じです。時間はかかると思うんで、すぐにっていうわけではないですけど、後々やっていきたいなと思います」

――リチャード選手はどうですか。
「リチャードさんが1番面白かったです。リチャードさんと晴さんは違うタイプの面白さで、1番面白かったです」

――リチャード選手はどんなタイプの面白さ?
「なんていうんですかね、はしゃぐタイプです」

――自主トレのキャプテンとも聞きました。
「はい。いつも『稼頭央~』って言ってくれてたんで、すごくありがたかったです」

ソフトバンク・松本晴梧(左)とリチャード【写真:竹村岳】
ソフトバンク・松本晴梧(左)とリチャード【写真:竹村岳】

――前田純投手も面白い。
「もう、スーパーマイペースです(笑)野球選手とか左ピッチャーとか関係なく、多分、一般的に見てもマイペースです」

――今年の自分に生きそうなことはありましたか?
「他の球団からもいろんなタイプの左ピッチャーの方が来ていて、自分と似たようなタイプもいたし、逆に違うタイプの方もたくさんいて、そういう選手から聞く話が、逆に参考になったりしました。同じタイプのピッチャーというか、同じような感覚を持ってる人からもすごくいい刺激になったし、トレーニングも含めてすごくいい1か月になりました」

――今年の目標は?
「まずは、去年からの継続ですけど、身体作りをしながら2軍で先発ローテーション回れるように頑張ります」

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)