「冷やかしなんじゃ…」目を疑った元AKB48の応募 担当者も驚き、鷹チア加入の舞台裏

ハニーズ新メンバー・邱品涵(ちう・ぴんはん)【写真:福谷佑介】
ハニーズ新メンバー・邱品涵(ちう・ぴんはん)【写真:福谷佑介】

2024年の「ハニーズ」新メンバーとして台湾人の邱品涵(ちう・ぴんはん)が加入

 ソフトバンクは28日、オフィシャルパフォーマンスチームの2024年度のメンバーを発表した。「ハニーズ」は沖縄県や静岡県出身者や初の外国人メンバーが加わり、新メンバー10人、継続メンバー9人の計19人に。男性パフォーマーは1人増えて3人になり、総勢22人で2024年シーズンを迎えることになる。

 その中でも最も注目を集めるのが、初の外国人メンバーとなる台北出身の邱品涵(ちう・ぴんはん)だろう。「AKB48 Team TP」の1期生で2023年までアイドルとして活動した経歴の持ち主で、自らこの「ハニーズ」のメンバー募集をインターネットで見つけ、応募してきた。

 ソフトバンクでエンターテインメント部門を担当する稲永大毅マーケティング本部マーケティング企画部長は、募集段階での驚きを口にする。「こちらから一切、声掛けなどはしていないんです。本当に彼女が自ら募集を見つけて応募してきてくれたんです。驚きましたし、最初は冷やかしなんじゃないか、くらいに思っていました」。外国人で、しかもAKB48の元メンバーの応募……。信じきれないまま、オーディション当日を迎えた。

 昨年12月に福岡市内で行われたメンバーオーディション。邱品涵は台北からこの試験を受けるために来日した。「来てくれないんじゃないか、とも思っていましたが、実際に来てくれた。彼女の本気具合を感じました」と稲永部長。1日目は課題曲として公式球団歌「いざゆけ若鷹軍団」に合わせたダンスを披露するなど実技による1次試験が行われ、2日目は2次試験として面接が行われた。

 さすが元アイドルだけあって、オーディションでの存在感は抜群だったという。「もともとアイドルとして活動して、大きな舞台を経験しているだけあって、オーラがありましたし、輝いて見えましたね。一度も生で見たことがない若鷹軍団のダンスもYouTubeとかで勉強して、見よう見まねですが、踊れていました。面接でも『日本で頑張りたい』というのを拙い日本語で伝えてくれましたし、そういう努力家なところも好感が持てました」。稲永部長はじめ球団担当者の中での評価は高く、めでたく合格となった。

 図らずも、球団史上初の外国人メンバーが加わることに、球団としての期待も膨らむ。「我々はインバウンドにも力を入れていますし、台湾からのお客様に来ていただくキッカケになるかもしれない。チアチームがいるというのは、海外の方に野球を選んでもらう1つの要素ではありましたけど、品涵の加入で台湾の子がいる、台湾の言語で話せる、台湾に行ってホークスをPRすることができる、と幅が広がると思っています」。日本を飛び出し、海外のファン獲得にも繋がるのではないか、と見ている。

 パフォーマンスチームとしても2024年は新たな発展を目指していく。「他球団や海外のチアチームは、単独でのライブを開催したりしている。今年はホークスとしてもそういうことを視野に入れてやっていこうと思っています」。台湾からやってきた新メンバーと共に、ホークスのパフォーマンスチームも新たな時代に突入する。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)