GMが語る山川獲得の経緯 人的補償、チームの未来への考えは…入団会見後のコメント全文

ソフトバンク入団会見に臨んだ山川穂高(右)と三笠杉彦GM【写真:藤浦一都】
ソフトバンク入団会見に臨んだ山川穂高(右)と三笠杉彦GM【写真:藤浦一都】

「賛否両論が球団内であったということではなかった」

 ソフトバンクは19日、西武から国内FA権を行使していた山川穂高内野手の入団を正式に発表し、同日、本拠地PayPayドームで入団会見を行った。獲得には批判的な意見もある中で、なぜ獲得に踏み切ったのか。編成トップである三笠杉彦取締役GMが会見後に語った全文を紹介する。

――なぜ会見をホテルではやらなかった。
「いや、特に理由はありません」

――コンプライアンス対策をどういう形で行うのか。
「コンプライアンスの取り組みは当然、ソフトバンクホークス株式会社としては(ソフトバンク)グループと連携して、既にいわゆる社員向けにやっているものがありますので、そういう部門はあるので、選手向けの活動を強化するというようなイメージで考えています」

――その活動とは?
「何て言いますか、まずはそのコンプライアンスについての考え方への啓蒙活動、研修であったりだとか、そういうようなものもありますし、企業ですとコンプライアンス部門というのがあって、何かあったら、例えばパワハラとかっていうと、上司に相談しづらければ、ホットラインみたいなものが設置されているみたいなことを行っていますが、チームの方は、皆さんが個人事業主みたいなこともあって、企業としてそういうことを周知して、こういう部門があります、というようなことというのは、簡単な周知はされてたんですけども、積極的な周知がやや足りない状況ではあったので、我々がホークスという企業としてやっているコンプライアンスの取り組みであったりだとかと同様に、選手、スタッフについても同じようないわゆるホットライン窓口を設置したりだとか、そういうようなものがありますということを周知したりだとか、そういうようなことを中心に考えています」

――球団内含めて賛否両論あった。
「賛否両論が球団内であったということではなかったです。お客様から反対だという意見はありましたけども、球団内の話としては、しっかり調査をして、選手あってのプロ野球でもありますけども、ファンあってのプロ野球でもありますので、ファンのお声ということも踏まえながら、しっかり熟慮すべきだというような意見はありました。反対であるというようなのは明確になくてですね、先ほど申し上げた通り、いろんな調査であったりというようなことを総合して話をして、皆さん賛成していただいたような感じですね」

――不起訴にも嫌疑なし、嫌疑不十分とある。そこへの議論はなかったのか。
「ある意味、グレーとは考えていますけどね」

――多方面に調査したと言っていたが、女性サイドとは和解したと聞いているのか。
「聞いてません」

――若い選手に対してデメリットになる部分もある。人的補償の可能性もある。
「そこは山川選手の獲得というか、Aランク、BランクのFAの選手を獲得するときは、常につきまとう話ではありますので、そこは当然、毎年、昨年に近藤選手を獲得したときもその議論にはなるというところではあったんですけども、先ほども申し上げた通り、最終的には獲得しようという話になったということです」

――去年の近藤選手もそうでしたけど、(山川獲得は)若い選手にとっては高い壁になる。それをも乗り越えてほしい。
「そうですね」

――調査するにあたって第三者機関などに依頼をしたりはあったのか。
「基本的には第三者機関へ調査の依頼とかはしておりません。球団内でいわゆる調査チームを作って、調査をしたということであります。具体的にどこにどういう聞き取りをしたかっていうのはちょっと公表は差し控えたいというふうに思いますが、山川選手や山川選手の代理人からだけのご意見ではなくて、というようなところで確認をしたというようなことでご理解いただきたいと思います」

――代理人との話も含めて交渉は何度くらい。
「いや、そんなにないです」

――世代交代と補強のバランスはどう考えているのか。
「うん、難しい話ですよね。来年勝つということと、中長期的に勝っていくというようなこととのバランスの中での判断となりますけどね。難しいです」

――どちらかに舵を切るわけではなく両立していく。
「結果論的なバランスになりますけども、野手の方はしっかり主軸で、今回の山川くんや、近藤くん、柳田くんも活躍してもらうというような形でチームをサポートしながら、ピッチャーの方が大きな世代交代になってくると思うので、ピッチャーの方で若い選手がどんどん出てきてほしい、と」

「新入団の選手も5人取りましたし、というようなところかなというふうに思いますので、中長期的に考えると、ピッチャーも野手も一気にここで世代交代だというと、どうしてもチーム力って落ちてしまうので、今の現状のバランスとしては、結果論にはなりますけども、野手をしっかりした選手で攻撃力をしっかり担保した上で、若いピッチャーをしっかり育てる、というようなところというのがここ2、3年でのテーマ、と」

「そのためにまた倉野コーチにも来てもらったり、そういうような形かなというふうに思っています。ピッチャーの方で若い選手が伸びて、千賀くんの後を埋めるような投手が確立できたら、おそらく今の感じで言えば、野手はちょっと高齢化して、そろそろ本当に選手を変えていかなきゃいけないみたいな時代が当然、数年後には来ると思いますんで、そういう感じでやっていくというようなことになるのかなというふうには今、イメージはしています」

――女性との問題は終結している。
「僕はコメントは差し控えます」

――背番号25になった経緯は。
「本人が選びました」

――来年の開幕はコンディションは問題ない。
「そういう意味では出場してもらう予定にしています」

――契約の条件は。
「コメントはしません」

――批判が止まらないのをどう受け止めている。
「頑張ってやってくしかないなと思っています」

――どんな批判があった。
「獲得に反対です、ということですよね」

(鷹フル編集部)