人生の転機「あれがなければ就職していた」 ドラ4村田賢一をプロに導いた“直談判”

ソフトバンクと仮契約を結んだ明大・村田賢一(中央)【写真:福谷佑介】
ソフトバンクと仮契約を結んだ明大・村田賢一(中央)【写真:福谷佑介】

大のプロレス好き「格闘技が大好きで、中でもプロレスがいい」

 ソフトバンクは24日、ドラフト4位で指名した明大の村田賢一投手と都内のANAインターコンチネンタルホテルで仮契約を結んだ。プロとして節目の時を迎えた最速150キロ右腕は「プロ野球選手になったんだな、という実感が徐々に湧いてきたなっていう感じです。新人王を目標にやっています」と決意に満ちた表情で語った。

 千葉・浦安市出身で春日部共栄高を経て明大へ。東京六大学リーグでは通算36試合に登板して15勝3敗、防御率2.09をマーク。3年時にはチームのリーグ戦春秋連覇に貢献し、明治神宮大会でも優勝。カットボール、カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップ、サークルチェンジ、ツーシームと多彩な変化球を操り、コントロールにも秀でた投手だ。

 名門・明大のエースとして1年秋からリーグ戦に登板してきた村田。そんな右腕が“人生の転機”として挙げたのが、中学2年生の時の出来事だ。

 浦安市立・日の出中学校時代は東京城南ボーイズに所属していたものの、当初は三塁手だった。「もともとはサードをやっていたんですけど、バッティングがあまり良くなくて、自分で『ダメだな』と思ったんです」。打撃が得意ではなく、思い切って当時の監督に投手転向を直談判。監督から返ってきた答えは意外にも「俺もそう思っていた」。投手・村田賢一が生まれた瞬間だった。

 投手転向後に頭角を表し、埼玉の強豪・春日部共栄高に進学。3年春のセンバツに出場し、明大を経てホークスへ。「あれがなければ、今頃は普通に就職していたんじゃないかって、正直思っています」。村田にとってプロ入りのキッカケになる出来事だった。

 大のプロレス好きというキャラクターも売りだ。父がプロレス好きだったのが、そもそものキッカケ。「高校、大学とプロレス好きの人が周りに多かった。格闘技が大好きで、中でもボクシングとかよりもプロレスがいいな、と」。お気に入りは「天龍源一郎」だという。

 1月の新人合同自主トレに備えて、現在はウエートトレーニングと走り込みを続けている。「下半身はシーズンの最後の方に垂れてきている、課題だなと思った部分。そこを重点的に鍛えながら、上半身も鍛えていきたい。体脂肪が多いかなと思っているので、そこを減らしたい」。球団は先発候補として期待を寄せるルーキー右腕が、ローテ争いに割って入れるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)