目を引く井上の打撃、サードの競争は「一番激しい」 小久保監督のコメント全文

秋季キャンプに臨むソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】
秋季キャンプに臨むソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】

野村勇の打撃にも変化「明らかな欠点が見つかったんで」

 ソフトバンクは14日、野手が宮崎、投手が筑後で行っている秋季キャンプの最終クール初日を迎えた。小久保裕紀監督は午後の個人練習で打撃投手を務めた井上朋也内野手の成長を実感。「良くなってきましたね」と目を細めた。また打撃改造に挑んでいる野村勇内野手の変化についても言及した。小久保監督のコメント全文は以下の通り。

秋季キャンプで汗を流すソフトバンク・井上朋也【写真:福谷佑介】
秋季キャンプで汗を流すソフトバンク・井上朋也【写真:福谷佑介】

――井上選手のバッティングがかなりいい感じ。
「そうね。ずっと最後は1軍だったんで、たぶん夏ぐらいから投げてなかったかもしれないですけど、ちょっと良くなってましたね」

――ドライブラインの効果なのか。
「いやドライブラインの効果はそんなにすぐは出ないでしょうけど、でも、かなり2月、3月に比べたら全然いいんで、それがだんだん良くなっていっている。今日は結構、甘いボールを仕留める確率も上がってるし、外のボールもしっかり踏み込んで、滑るような打球を打ってないしね。ちょっと良くなってましたね。あんまり言うと、調子に乗るんで」

――井上選手もサード、ファーストっていうところで競争。
「それ以外はなかなかね。ちょっとこの秋は外野も、と思ったけど、基本はサード中心ですね」

――栗原選手あたりと競う。
「リチャードもいるしね。その辺りは激しい、一番激しいところになるんじゃないですか」

――守りも見ていた。
「不安いっぱいで(1軍に)送りはしたんですけど、一応ノーエラーで帰ってきたんでね。でも、守備も、まだまだですけど、結構スローイングの安定感も増してきてますしね」

野村勇に声をかけるソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】
野村勇に声をかけるソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:福谷佑介】

――午前中は野村勇選手にも声をかけていた。
「この間、ドライブラインをやったクールに村上さん(打撃コーチ)がいらっしゃらなくて、僕が代わりにフィードバックに入ったんで、それを朝、村上さんに全部伝えて、本人が今まで村上さんと取り組んできたこととギャップがあって、迷っていたら困るんで、その確認だけです。全く迷ってないし、上の話はしてなかったんで、ドライブラインは。下だけだったんで。今もやってますけど、あの足の使い方を覚えたら、面白いと思いますよ。面白いというか、明らかな欠点が見つかったんで、それが修正されればいいですね」

――タイミングが命だと話していた。
「打ち損じの原因がわかったんでね」

――まず足をクロスさせて立っている。
「右の股関節に乗せて、椅子に座るような格好にしてから、足が出るんですけど、足を上げた時にそこに乗せられないんですよ。だから乗せた状態のまま角度を覚えてるんすけどね。股関節がちょっと硬いんですね。だから、そこの可動域を広げないといけないんで。僕らは簡単に乗るんで、右の股関節がブレるっていう意味がわからないんですけど、彼らみたいな乗らない子はやっぱり不安定になって、軸足のブレに繋がるから、そりゃあミスショットしますよ」

――打席でもそうやって構えれば、とも話していた。
「『注目されるよ』って言ったけど、『カッコ悪いから嫌です』って(笑い)。でも、今回はそういうのをキッカケにして。今日の朝、全員の前で喋ったんですけど、あと4日練習がある中で、今回のキャンプは課題を見つけて、このオフに何を取り組めばいいかっていう課題を出す期間なんでね。それで迷ってるようじゃダメよ、と。あと3、4日でこのオフに何をするべきかっていうのをハッキリ作ってからキャンプを打ち上げないといけないから、その4日間にしてくれって話をしましたね」

秋季キャンプで汗を流すソフトバンク・重松凱人【写真:福谷佑介】
秋季キャンプで汗を流すソフトバンク・重松凱人【写真:福谷佑介】

――育成の重松(凱人)選手もいい打球を打つ。
「結構、飛ばしますよ。3、4軍でもね、飛距離はね。大学時代はヒット1本しか打っていないらしいですけど、身体能力も高いし、飛距離は出ますね。来年1年、ファームでタイトル争いするぐらいにきて、初めて『どうかな』っていうことになると思うんで。今ぐらいで燻っているとチャンスはないんで、来年、2軍で抜けてくるのが第一条件でしょうね。飛ばす能力はあります。ホークスの育成の中でも上の方ですね」

――サードの競争が一番激しいんじゃないか、と。
「それはもうレギュラーは柳田と近藤だけなんで、それ以外は1日から100%動ける体じゃないと勝負にならないでしょ。その時点で動けなければ、最初のスタートラインには立てないと思うんで」

――柳田選手と近藤選手の実力はもうわかっている。
「だから、レギュラーは2人です」

――来春にA組に連れて行きたい選手の見極めは進んでいる。
「今日ちょっと首脳陣で夜に話し合いはするんですけど、人数をどこまで広げていいのか。効率の良い練習の範囲じゃないと、どっちも良くないんでね。その辺はちょっと練習メニューと人数の調整で、どういうふうにしようかなっていうのを野手コーチで話し合いますけどね」

――A組の人数自体は例年と変わらない。
「20、22……。どの辺がいいのか。18か。去年2軍は16人でやりましたけど、あっち(第二球場)はちょっと狭いですからね。その辺は今日の夜、話します」

――FA権行使選手との交渉に出席することは。
「ないです。もうそこは、取る取らないは球団の判断なんで。僕は与えられた選手で、勝つために最善を尽くす」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)