戦力外の増田を引き合いに「珠の方が上手い」 若手に伝えたのは…小久保裕紀新監督の全コメント

ソフトバンク・小久保裕紀新監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀新監督【写真:米多祐樹】

高橋礼が5回無失点「何かを得ようとしてやってるのは伝わってくる」

 ソフトバンク2軍は28日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」で巨人と対戦し、4-3で勝利した。先発の高橋礼投手が5回無失点の好投。佐藤宏樹投手、大野稼頭央投手、小林珠維投手が1回を無失点の投球を披露した。打線では3回2死一塁から井上朋也内野手が左翼線へ適時二塁打で先制。5回には2死満塁で吉田賢吾捕手が2点左前打を放った。チームも14安打と快音が多く響いた。試合後の小久保裕紀新監督の一問一答全文は以下の通り。

――前回の巨人戦は1軍クラスの投手だった。
「そうね。これぐらいは対応せんとね。上でするには」

――緒方理貢選手が猛打賞。
「バッティングは、今年ちょっと育成のメンバーとか、人数の関係で、あんまり2軍で預かることができなかったんですけど、彼の場合は、足も速いですけど、やっぱりバッティングがやっぱり売りなんでね。そういう点では、ずっといいものは出してますよね。あと、外野のスローイングがだいぶ去年よりは全然良くなった」

――初回、4回と井上選手と笹川吉康選手にバントのサインを送っていた。
「吉康はサインミス。出してないんですけど、(バントをしていたのは)ずっとサインミス。井上は初回出しました」

――1軍での采配を想定して?
「今日はちょっと、勝つゲームをしただけです(笑)。エンドランは1回出したけど、いつもそのぐらい出しますけど」

――今日は選手が監督ではなく、小久保監督?
「そうそう。今日は勝つ日」

――野村勇選手は11球粘っての四球。
「今、バッティングをしっかり改革というか、改造というか、変化を自分の中でしていこうという中で、すぐには結果は出ないんで。ただどうしても変化球に対して、ボールが浮いた時に、自分の体まで浮く癖があるんで、それをもうちょっと矯正していかないといけないですね」

――高橋礼投手は5回無失点。
「前回ぐらいから、ちょっとクイックでずっと投げてましたけど。多分、クイックの方がしっくりきてるんですかね。色々試行錯誤しながら、この時期で実戦からでも何かを得ようとしてやってるのは伝わってきますよ」

――中継ぎで佐藤宏投手、大野投手、渡邊佑樹投手の左投手を起用。
「佐藤は、ほとんど今年は見られなかったんですけど、手術明けってのもありますけどね。コントロールが課題なのはわかってるんですけど、まとまりすぎて打たれても一緒なんでね。難しいところですけど。大野は初めて見たんで、あんな投げ方をするんだなと思って。3、4軍でも自分から崩れた試合がほぼほぼなくて、ランナーを背負っても、無失点で切り抜けるみたいな。マウンドさばき的なものは、なんかすごい、結構センス感じましたよね」

――スローカーブが良かった。
「スローカーブもあったし、(小林)珠維にしても2軍で初登板なんで、フェニックスとはいえ。しかも、あんなしびれる展開(9回1点差での登板)でね」

――小林投手は力がある。
「珠維は野手でしか知らないんで、ピッチャーでは初めて見ましたけど、韓国(3軍の遠征)でもほとんど抑えていたって聞いたんで。なるほどなっていう。真っ直ぐの出力があんなに高いとは思わなかった」

――150キロを超えるストレート。
「152キロくらいは出て、常時では。148、9キロ出るらしいので。ピッチャーの方が面白いと思いますけど。球団がどう考えてるか知らないですけど、聞かれたら『もうピッチャーで』っては言いますけど」

――今日の練習で身体機能を測るベストのような器具を着用していたが、どんな意図?
「運動量とか走行距離とか。トップスピードにはいった回数とか、減速の回数とか、全部出る。バッティングスイングも出るし、イニング間のキャッチボールも含めた送球数も出るし、GPSなので、ずっと監視されている。グラウンドにいる間、つけてる間は何をしたかっていうことは全部残っています。トイレ行ったっていうのも(笑)」

――どんなふうに役立てていく?
「フロントで考えたことがあるでしょうけど、僕らはやっぱりトップスピードに入る、その数値が出るんで、準備期間の間にトップスピードを上げているか? とか、そんなチェックになりますよね。あとは、いつもよりも、走った距離があまりにも多かったら、その後どういうふうにリカバリーするかとか、平均値出すには、まだデータが少なすぎるんで」

――いつから導入?
「10月4日なので、まだお試し期間みたいです」

――松田宣浩さんが挨拶に来ていたが引退後は初?
「直接は初めて。電話ではもう長く、何回もしゃべっとったんで」

――どんな話を?
「これから何するのって話。どこを拠点で動くの? とか。『しっかり勉強しなさい』って話をしました」

――戦力外が全部で18人。
「元々が大世帯なんで、そうなるでしょうけどね。支配下枠を何人でスタートをするっていうのは、球団としても考えがあるんでしょうから。今日(ここにいる選手に)同じ話しましたよ。(増田)珠は若いけどって話しましたけど、結局、『珠の方が野球上手いよ』って。去年と同じ話。ここに残っている奴らは、あいつらより野球下手やけど、残ってるって。だから『あの時、こうしとけばよかったっていう思いだけはしないような日々を送ってくれ』っていう話はしました」

――来シーズン、増田選手は戦力として考えていた?
「いや。そんなレギュラーで考えているなら、もうちょっと話しようがあった。そこまでは考えてなかった」

――顔ぶれも変わって、来季臨む形になる。
「外野手の戦力外が結構多いですよね。でも取った外野手が多分1人ぐらいなんで。でも外野登録してる内野手みたいなの、整理とかちょっとした方が把握しやすいと思う。栗原とか多分、外野登録で内野守ってるでしょうし、仲田も外野登録で内野守ってくるでしょうから、その辺の見直しも必要かな」

――増田選手は元気印で持っているものも素晴らしかった。
「どっちかと言えばそういう、元気のいいタイプだったんでね。この世界からはいつもそういう日が来るんで」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)