育成・緒方理貢の3安打に“苦悩”告白「使ってやりたかった」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

「育成の枠が問題なんで。どうしても、そういう風になってしまった」

 ソフトバンクの2軍は14日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」で日本ハムと対戦(特別ルールにより6イニング制)し、0-4で敗れた。先発の森唯斗投手は3回を無失点と好投するも、2番手の高橋礼投手が6回に4失点。野手では地元・宮崎県出身の育成・緒方理貢内野手が3安打と気を吐いた。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――緒方理貢選手が猛打賞
「ご当地でいい活躍。去年、ウエスタン・リーグで盗塁王を獲って(今年も)使ってやりたかったんですけど、周りの外野手の成長というか、優先順位的にちょっと(使えなかった)ね。川村も最初頑張っていたし(笹川)吉康も伸びてきたっていうのでね。やっぱり育成の枠(5枠)が問題なんで。どうしても、そういう風になってしまったんですけど。今日は、すべての打席内容が良かった。フェニックスリーグに来てから、打席内容はずっと良かったんですよね。その辺は続けていってもらいたい」

――育成の枠が関係なかったら2軍で使い続けたかった。
「もちろん。外野の守備にしても、去年より全然良くなってるし、この間のレフトの打球(12日のヤクルト戦7回2死の場面)も今だったら、アイツしか捕れないいぐらい。ジェシー(水谷瞬)とか、多分じゃなくて間違いなく捕れない。生海も捕れないんで。そういうところは成長してますよね。スローイングも良くなってきたんで」

――打撃の変化は?
「ちょっと振りすぎかなと思いながらも、アイツの場合は当てに行ってる時の方がフライを打ち上げてる感じだったんで、ゆったりタイミングを大きく取って、振るっていうのを今やっているみたいです。3軍では打率3割5分以上打ってきているわけなんでね。去年も2軍にずっといた選手。やっぱり足が武器なんで、いい選手だと思いますよ。外野、ファースト、セカンドも何試合か守らせましたし、 育成選手の活躍に大いに刺激を受けながらやってるんじゃないですかね」

――西尾選手も打撃の調子が良くなってきた。
「このオフも秋のキャンプに向けて取り組みをしてきて、打ち方としてはしっかり体の中心で打つっていう、当てに行かないようにやっていますんで、それは続けてもらいたいですね」

――今日は川村選手が監督。
「次がボールやったらエンドランとか、最後に(増田)珠にバントを出しながら、(渡邉)陸には回ってこなかったけど、ツーアウト満塁の海野のところで代打に行かせるとか。ちょっとアドバイスはしましたけど。あと(初回1死二、三塁)緒方が三塁ランナーでゴロストップのサインを出していたけど、1死二、三塁は基本、ゴロゴーにした方がいいんですよね。どうせ2死一、三塁になるか二、三塁になるかだけなので。挟まれたらまた同じ形になるんで。ストップにして『行けた打球で進塁しないのが1番もったいないんで』って話はしました」

――川村選手はどんな采配をしていた?
「(川村は)“ザ・いい人”じゃないですか。優しい感じの。でも、遠慮せずに『このサインでお願いします』とか言ってましたよ」

――シート打撃では佐藤宏樹投手と大城真乃投手が登板。
「佐藤の印象的にはストライクが入らない印象だったのが、あんなにストライクが入るんやなっていう話をずっとしていた。大城は初めて見たんで。佐藤の場合は、トミー・ジョン手術をしていなければドラフト上位で入っていた選手だったらしいんで。 真っ直ぐがもう少し速くなればいいんでしょうけど(最速151キロ、この日は146キロ)ストライクが入らなかった子がここまで入るっていうことは、成長したなと思いました」

――3軍からの推薦で参加した?
「基本的にピッチャーのやり取りは(コーチに)任せているんですけど、今日は日本ハムさんからの要望で6回までになったので。(日本ハムの選手が)打者は立ってくれるっていう約束だったんで『投げさせたらどうですか』っていうことで、やったんですけどね」

――試合後の400メートル走はきつそうだった。
「去年、400メートル走はここから始まったんですよ。去年はこんなに走れなかったんですけど、何回か走ったりとか。西尾とかは10秒以上、タイムを縮めてきているんで。走っていても、自信になったみたいですね。体力がしっかりついて来てるっていうのは、同じところで走ると実感しやすいでしょ。全員タイムは上がってました。そんなに必死になっていなくても、みんな(設定)タイムを切ってきていたんで。去年と同じ設定なんですけど」

――秋のキャンプはまた違う練習を?
「違うっていうか、タイムが縮まるだけです。1年経ったら、これだけ変わるんだなと思いました」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)