飛び出した“ギータ節” CS前日でも変わらぬ姿…柳田悠岐が語った決戦直前の心中

ソフトバンク・柳田悠岐【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・柳田悠岐【写真:荒川祐史】

3位でのCS出場に「失うものは何もない」「挑戦者としてやるだけ」

 レギュラーシーズン3位に終わったソフトバンクは14日から、ZOZOマリンスタジアムで「パーソル・クライマックスシリーズ・パ」ファーストステージでロッテと対戦する。開幕前日の13日は敵地で練習を行い、フリー打撃などで汗を流した後、キャプテンの柳田悠岐外野手が心中を語った。

 3年ぶりのリーグ優勝を目指した今季、結果的には3位に終わった。オリックスの後塵を拝し、シーズン最終戦でロッテにかわされ、本拠地PayPayドームでのCS開催権も逃すことになった。キャプテンとしてチームを引っ張った柳田は、この現実を正面から受け止める。

「3位なんで、よく言いますけど、失うものは何もないと、そんな感じです。これが今の実力だと思うので、本当に挑戦者としてやるだけかなと思っています」

 柳田自身は全143試合に出場して打率.299、22本塁打85打点。163安打で最多安打のタイトルを獲得し、チームを牽引した。中軸を組む近藤健介外野手も26本塁打87打点で打撃2冠に輝いた。チーム得点数もリーグトップと、2人を中心にした攻撃力は他球団にヒケは取らないが、突きつけられた3位という現実に責任を感じている。

 相手のロッテは、体調不良で戦線離脱していた佐々木朗希投手が“ぶっつけ本番”で先発する。病み上がりとはいえ、やはり難敵。柳田も「手強いですよ。打てるように努力していきます。なかなかあんなボールを見る機会はないので、打席に立ったら必死にやりたいなと思います。積極的にいくだけかなと思います」と気を引き締める。

 短期決戦は決して苦手ではない。昨季のファーストステージでは第2戦でグランドスラムを放つなど、2試合連続で本塁打を放ち、チームをファイナルステージへと導いた。短期決戦で結果を残す秘訣はどこにあるのか。「健康で試合に臨むってことが一番大事だと思います」。あっけらかんとした“ギータ節”も飛び出し、“らしく”決戦に視線を向けた。

 海から吹き込む強風が名物の、敵地ZOZOマリンスタジアム。「風が味方してくれるように、祈ります、今から帰って」。リラックスした口調で、胸の内を語った柳田。キャプテンとして、主砲として、チームをファイナルステージへと導く活躍に期待したい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)