和田毅がハマっているのは「お茶」 家族との貴重なひと時…42歳でも“可愛さ”が滲む理由

ソフトバンク・和田毅【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・和田毅【写真:荒川祐史】

2016年以来の100イニング到達へ…残り2試合も藤本監督は登板を明言

 負けは許されない大一番で、会心の投球だった。ソフトバンクの和田毅投手は3日の楽天戦(PayPayドーム)で先発登板。5回1/3を無失点に抑えて8勝目を挙げた。「初回からいけるところまで全力で投げました。6回の途中まででしたが、自分ができることはできたと思います」。42歳となった今も衰え知らずの投球を見せているが、“可愛げさ”が伝わってくる「年を取ったと思う瞬間」があるという。「お茶がおいしい」――。

 3回を終えて安打を許さない立ち上がり。4回2死一塁から岡島に左前打を浴びたが、最後は辰己を二飛に仕留めた。5回は伊藤、鈴木大、太田を3者連続三振。146キロを計測するなど、とにかく立ち上がりから飛ばしていた。6回に走者を2人ためたところで降板。今季の投球回数は99回2/3となり、藤本博史監督は「どこかで行かせます」。残り2試合だが、100イニング到達のために登板機会を与えることを明言した。

 来年2月には43歳となるものの、2024年シーズンも現役続行への意欲を燃やしている。「来年は来年で、どんな景色が見られるのかなって。そういう気持ちにはなってきています」。100イニングに到達すれば、最多勝に輝いた2016年の163イニング以来。今季は20試合の登板で8勝6敗、防御率3.16と、背中でも数字でもローテーションを引っ張っていた。

 若い頃に比べれば、ダッシュの本数もこなせなくなったという。120、130球を投げてバリバリと完投を目指していた時と今では、少しスタイルも違うはずだ。そんな和田も、グラウンドを離れれば1人の父親。野球以外の部分で、年を取ったと思う瞬間とは、どんな時なのか。「お茶がおいしいなと思うようになりましたね」。

 思わず笑ってしまうような可愛いらしい回答だったが、本人は大真面目。普通の麦茶などではなく「いや最近、なんだかいろんなお茶の味がすごく気になるようになって、ルイボスティーとか、白桃ウーロンとか、フレーバーが入ったお茶を飲むんです」と言う。自宅での食事で「家でいつも作ってもらっているんです。水出し的なやつがあるんで、それを冷蔵庫に入れておいてもらって、ご飯と一緒に飲んで」と、家族との貴重な時間においしいお茶があるそうだ。

 一方でお酒については、後輩選手も「和田さんは強い」と驚かされているよう。本人は「そんな頻繁に飲むわけではないですし、オフの方が飲みます」と、当然だがシーズン中は登板に備えて体調を管理している。「シーズン中は飲んでも週に1日か2日か。たくさん飲んだなと思ったらもう次の日は飲まないし、当然ですけど登板近くなったら飲まないですし」と、自分が好きなものとも上手く付き合いながら、マウンドでの結果につなげている。

 年を取れば朝の決まった時間に目が覚める……なんてこともよく聞くが、和田も笑いながら「それはそうですね。覚めるようになりました。寝る体力はちょっと落ちたかもしれないです」と同調する。その上で「最近、睡眠の本を読んだところなんです」と、得たばかりの知識を教えてくれた。

「年を取ったら寝れなくなるのは当たり前らしいです。やっぱり若いときより、活動量が落ちてるじゃないですか。当然肉体が疲れないから、睡眠時間は減るらしいです。だから、今でも練習キツかったなっていう時は寝られますよ、やっぱり。動き回ったりとか、走り回ったりしてるから、当然、頭の処理とかもそうです(疲れる)けど。7時間ぐらいでいいみたいですよ」

 そう語る表情は、ちょっぴり得意げだった。ヤクルトの左腕、石川雅規投手も来季、現役を続行する。「記事に出ていましたね。当たり前だろうなって思いましたけど」。マウンドの上で孤高の存在だった時期もあったが、今の和田には、なぜだろうか。可愛らしくて親近感すら覚えてしまう。

(竹村岳 / Gaku Takemura)