「あの時点で三振するって思った」 見抜いた野村大樹の“怖がり”…小久保裕紀2軍監督全コメント

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:竹村岳】

先発の三浦瑞樹投手が2回6失点…指揮官も「野手にも申し訳なかった」

 ソフトバンク2軍は1日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に6-8で敗れた。先発した三浦瑞樹投手が2回6失点と試合を作れず。その後は、高橋純平投手、中村亮太投手、笠谷俊介投手、武田翔太投手、泉圭輔投手とつないだ。打線は10安打を放つも6得点。試合後、小久保裕紀2軍監督が取材に応じた。野村大樹内野手について「残念」と言及したシーンがあった。一問一答は以下の通り。

――最後は追い上げた。
「まあ、そんな甘くないよ」

――先発の三浦投手は、立ち上がりから失点が続いた。
「うーん……。立ち上がりというか、球がやっぱり弱かった。(高橋)純平がよく投げてくれましたよ。投手が足りなかったから。先発があのくらい崩れると、明日も明後日も試合があるので。そのやり繰りがあるからですね。よく頑張ってくれました」

――カード頭の先発は大事だと、改めて思う試合。
「火曜日は特にそうですしね。あそこで、5回まで2人で行けたのが(よかった)。でも後から行く投手は、1軍クラスの投手なので。出だしがうまく行けば勝ちゲームにできるんですけど」

――高橋純投手は抜け球が少なくなってきた。
「久しぶりに見たけど。2軍であまり投げてなかったですからね。よく頑張ってくれました。あの展開で」

――武田投手はリリーフで登板したが、ファームでもリリーフ調整になる。
「上でもそうだったので。でもあいつにとったら、どうなんですかね。タイプは先発なんでしょうけど、出力を1イニングで出せるってなったら、やっぱり球は強いなって思ったので。あいつにとってはいいかもしれないですね」

――今日も、他の投手と比べても球は強いように見えた。
「全然違いますよね。泉も良くなってきていますし、笠谷もそうですしね。あの辺りは、(良い球が)来たら2軍の打者ではそうは打てないですよね」

――斎藤学投手コーチは、リフレッシュを込めてのファーム調整だとも話していた。
「でもあいつ、3か月くらい1軍にいたんでしょ? 交流戦あたりからね。短いイニングの方が、出力を出すスタイルでやっているので。そこでやらせろということなので。先発に回すことはこっちではないですけど」

――水谷瞬外野手が3安打。いい状態を継続している。
「こんなに毎日試合に出るのが初めてらしくて。疲れというよりも全身の張りはあるみたいですけど。プロ野球選手のレギュラーは当たり前の生活なんですけど、彼はそれが初めてらしいので。でもへばらずにコンスタントに(結果を)残しているので、続けてほしいですね」

「今、外野手が3人しかいないので、多分、来週の遠征も補充できないと思うんです。人数的に。何かあったら、井上(朋也内野手)を外野か、仲田(慶介外野手)を外野か。今日も同点まで追いついていたら仲田がライトだった。川村(友斗外野手)に代打を出したので。純平(川原田純平内野手)をセカンドに入れて、っていう。仲田を急遽、外野にする予定だった。ちょっと練習させておいた方がいいかもしれないですね」

――森浩之ヘッドコーチからも、水谷選手の名前が出ていた。
「名前は出していましたよ。『状態がいいのはジェシー(水谷の愛称)ですよ』って話はしていました」

――9月になり、いよいよ順位が決まっていく時期。
「選手にはまだ1回も『勝つ』とは話はしたことないですよ。勝つのが最上位の目的に来ない組織なので、そこで踊らせるというか、ハッパをかけるっていうのはあんまりないですね」

――笠谷投手や、リチャード内野手、1軍に昇格する前の尾形崇斗投手らをはじめ、ファームで“やることがなくなってきている”ような選手は、結果を出し続けるしかない。
「そうですし、あとは僕がやる仕事としては集中力が低くなっていないかとか、そっちですね。打てる・打てないはありますけど、同じような準備ができているかとか。『どうせ俺は……』みたいな感じで準備をすると、絶対に女神は微笑まない。取り組む姿勢だけは変わらないように見ていますけど」

――1軍でチャンスが生まれた時のために。
「プラス、人生がそうじゃないですか。野球だけじゃないので、人生をトータルで考えた時に、出し尽くさない、準備をし尽くさないで、その時その時でやってしまうと絶対にうまく行かない。そこで緩まないようにするのが僕の仕事だと思うので」

――リチャード選手をはじめ、チャンスが限られてはいると思うが、ファームで結果を出しても、1軍で苦しむ選手が多い。どんなところが必要で、どんなところが足りない。
「でも今日の展開とかで言ったら、(野村)大樹にしてもリチャードにしても、最後に打つのが1軍でやれる選手じゃないですか。あれを『ピッチャー代わったから』って言って、あそこで抑えられているようでは。それは結果の、節目のところで『さすが1軍に食い込む選手やな』って言われるところで打たないと。どうでもいいところでは打つので」

「大樹も、今日は言わなかったけどね。あんな展開やったし、野手にも申し訳なかったから。だから言わなかったけど、最後2ストライクノーボールからインサイドに抜けてきたフォーク。声を出しているわけじゃないですか。ああいうところで声を出して怖がっている選手では……。あいつは元々怖がりなので。絶対にああいう選手とは心中できなくなるんですよ。だからそういうところを埋めていってほしいです」

「逆に、当たったら同点のランナーじゃないですか。そういうところで、あのフォークのすっぽ抜けに『あ!』って声を出して。あの時点で三振するなって思いました。そこに気づいてほしいですね」

――当たる、当たらないじゃなく、1球に対する姿勢のこと。
「なんであんな球で声が出るんかな。僕ら現役の時、声出たことないんで。今は多いですけど。しかもフォークですから。真っ直ぐじゃないのに。追い上げていった中で、1軍でつい最近までやっていたやつが、あれで声を出していたら。残念です」

――野村大選手は少しずつチャンスをつかみながらも、1軍ではなかなか……。
「怖がりってわかっているので。怖がりは絶対に飯食えないですよ。それは克服するしかないので。言っておいてやってください」

(竹村岳 / Gaku Takemura)