状態が落ちた要因は「1つじゃない」 体調不良を機に…もがき続ける大関友久の今

ソフトバンク・大関友久【写真:竹村岳】
ソフトバンク・大関友久【写真:竹村岳】

8月13日に登録抹消…以降2度目の登板で「前に比べれば良くはなってきた」

 どんな心境で、調整しているのか。ソフトバンク2軍は25日、ウエスタン・リーグの阪神戦(タマスタ筑後)に3-3で引き分けた。先発した大関友久投手は5回7安打2失点で降板した。8月13日に登録抹消となり、これが2度目の登板。「前に比べれば、良くはなってきている」と振り返る。最速は147キロで、課題も収穫も得た投球だった。

 初回は走者を出しながらも無失点。3回、先頭の中川に四球を与えると、その後2死三塁となる。ここで遠藤に中前適時打され、先制を許した。5回無死には1番打者の豊田に左越えのソロアーチ。4回と5回は2人の走者を背負いながらも、なんとか要所を締めてしのいだ。82球を投げ終え、6回からはリリーフ陣にバトンを託した。

 18日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)では先発して2回3失点。この日がファーム調整以降2度目の登板で、被安打7本のうち、6本が直球を捉えられたもの。同じく6本が、右打者に浴びた安打だった。初回2死一塁で4番・野口を見逃し三振としたのは、147キロ直球で、審判からストライクの判定がされると、すぐに振り返ってバックスクリーンに表示される球速を確認していた。

「1つの大事な要素。そこにこだわって投げているわけじゃないですけど、自分を確認する意味で」と、初回に球速を確認しながら投げていた意図を語る。出力という今のテーマを踏まえて、この日の内容をどう受け止めたのか。

「右打者のアウトローの真っ直ぐが全部真ん中に入っていたので、一番甘いボールになっていた。ホームランもヒットも全部そのボールなので。逆にフォーク、スライダーは打たれていなくて、インコースの真っ直ぐも打たれていない。本当にそこのボールだけが本来、もうちょっとしっかりと投げていかないといけないボールです」

 6月6日に体調不良を訴えて「特例2023」で登録抹消。熱は最高で40.6度まで上がったといい「今までで一番きつかった」というほどの症状だった。6月29日の楽天戦から1軍復帰したものの、以降は6試合で白星もついていない。今月13日に登録抹消となりファームでの再調整を余儀なくされたが、体調不良がきっかけとなり状態が落ちてしまったことは自分でもしっかりと受け止めている。

「(要因は)どこがって1つじゃないと思うんです。結果的に見れば出力が出ていないとか、簡単に出てくると思うんですけど。なんで出ていないのかっていうのも、体調不良も含めて色々要因があると思うので。なかなかいい状態で投げられていないというのが。(要因が)何がというのは、1つじゃないと思います」

 1軍は首位のオリックスと大きなゲーム差を開けられている。先発陣のやり繰りに苦労していることはわかっていても、小久保裕紀2軍監督は「まだまだですね。今のままだと上に行ってもきついと思う」と真っ直ぐに評価する。「コーナーをぴっちり突くようなタイプではないので。ある程度パワーピッチングができないと、通用しないと本人もわかっている。もがきながら、体力を回復させながら、筋力アップさせながら、球の強さを求めていますね」と取り組みを代弁した。

 大関自身も「焦っても仕方ないので。今の自分を受け入れて少しでもっていう気持ちでやっていきます。いろんなところを見つめて、今も見つめている途中なんですけど。少しでも上げていきたい」と現状を受け入れて打開策を探している。もう残り34試合しかないことを踏まえても「シーズンも残り少ないですけど、あまり何がとかは考えすぎずに。今の状態から上げていけるように」。状態という言葉を繰り返しながら、大関らしく足元だけを見つめた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)