今後の先発ローテを占う重要な一戦に スチュワートの3度目の先発は“試金石”

ソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア【写真:藤浦一都】

前半戦最終戦は石川柊太かスチュワート・ジュニアか

 今後の先発ローテーションを占う一戦になりそうだ。ソフトバンクは10日、京セラドームで「鷹の祭典2023in大阪」の西武戦を戦う。先発マウンドに上がるのはカーター・スチュワート・ジュニア投手。今季3度目の先発登板は前半戦の残り試合、そして後半戦に向けた“テスト”の意味合いもある登板となる。

 スチュワート・ジュニアは6月18日の阪神戦(甲子園)で今季初先発し、6回途中6安打無失点。中10日の間隔を空けて先発した6月28日の楽天戦(PayPayドーム)でも6回1安打1失点(自責点は0)と好投した。まだプロ初勝利こそ挙げられていないものの、ボールの威力自体は一級品だ。

 藤本監督はこの日の試合前に「今日投げてみて良かったら本物かな、と。1試合、2試合でいいピッチングしても分からない。ここでいいピッチングをしたらローテーションに入っていける」と語る。この日の投球内容次第で、今後のローテーションに割って入れるかどうかを判断する考えを示していた。

 気になるのは今後の先発ローテだろう。オールスターまでこの試合も含めて残り6試合。12日、13日の西武戦は板東湧梧投手、大関友久投手が先発する。前半戦最後のカードとなる15日からのオリックス戦は有原航平投手、東浜巨投手の見込み。流動的なのが17日のオリックス戦の先発だ。

 首脳陣によると、前半戦最終戦は9日の楽天戦で先発した石川柊太投手と10日に先発するスチュワート・ジュニアの“両睨み”の状態。西武戦でスチュワート・ジュニアがどんな投球内容を見せるか、によって、17日の先発投手を決める方針でいるという。

 9日の楽天戦で先発した石川柊太投手は6回4失点で負け投手になった。不振に喘いできた右腕は3回に四球から走者を背負い、適時打と3ランで一気に4点を失ったが、得点を許したのはこのイニングだけ。藤本監督も「ここ4試合の中では1番良かったと思う。(斉藤)和巳(投手コーチ)も言っていたけど『マウンド行ったら目が違った』と。それくらいの目で毎回投げてもらいたい」と評価した。

 石川が中7日で回るのか、スチュワート・ジュニアが中6日で行くのか。前半戦のラスト、そして、負傷で離脱している藤井皓哉投手も帰ってくる後半戦の先発ローテを占う意味でも重要な一戦となりそうだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)