UVERworldも気にかける中継ぎの活躍…1回無失点の武田翔太にあった福岡の“ニアミス”

ソフトバンク・武田翔太【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・武田翔太【写真:荒川祐史】

6日の日本ハム戦で「UVERworld」が福岡でライブ「俺も頑張るしかない」

■楽天 6ー5 ソフトバンク(7日・楽天モバイルパーク)

 自分自身は1軍の場で奮闘する中で、小さな“ニアミス”があった。ソフトバンクは7日の楽天戦(楽天生命パーク)に5-6で敗戦した。最後の最後まで楽天を攻め立てたが、惜しくも及ばなかった。先発した有原航平投手が7回6失点で今季初の黒星。序盤の大量失点がありながらも7回まで粘り、8回にバトンを受け取ったのが武田翔太投手だった。

 初回、有原は2死から小郷に四球を与える。浅村に中前打を浴びるとフランコ、辰己に連続適時打を浴びた。2死一、二塁から伊藤裕には左中間に3ランを浴び、初回だけで5失点。「今日のような投球はしてはいけないと思います。今日の負けをしっかりと反省して同じ失敗をしないようにしたい」と球団を通じてコメントした。

 その後はなんとか立ち直り、7回まで粘った。打線が1点差まで追い上げ、8回に武田が登板。まずは浅村を3球三振。フランコを高めの直球で右飛に仕留めた。足のある辰己には四球を与えたが、伊藤を三ゴロで無失点。4日の日本ハム戦(PayPayドーム)では2回2失点で、今季中継ぎとしては初失点を喫していただけに、この登板は武田にとっても重要だった。

 そんな武田と親交の深い人たちが、福岡を訪れていた。PayPayドームで日本ハム戦が行われた6日、ドームの隣にある「Zepp Fukuoka」で滋賀県出身の男性6人組ロックバンド「UVERworld」がライブを行った。19日に発売される新アルバムから新曲を初披露するなど、盛り上がりを見せた。武田はプロ2年目に面識を持ち、今季の登場曲もこのバンドの楽曲「One stroke for freedom」を使用している。

 6日に行われたライブの時間はもちろん、武田にとっては試合の時間。「行きたかったけどね。俺も頑張るしかないから」と、自分なりに奮闘していることをマウンドでの姿と結果で伝えたかった。メンバーと最後に会ったのは、昨年の11月。「ちょっとでも、本当に会えてよかった」。当時の武田はリハビリ組だった。音楽の世界で頂点を目指す先輩との再会は活力に変わった。

 今季の武田は先発では結果を残せなかったものの、中継ぎに回って以降は11試合に登板して10試合で無失点。好投を続けているのはメンバーの耳にも届いており、自身も日頃は草野球に参加するというドラムの真太郎は「最近めっちゃ抑えてるらしいね」。ボーカルのTAKUYA∞も「翔太は元気? 調子どう?」と気にかけていた。UVERworldは7月29日、30日に横浜の日産スタジアムでライブを行う。本気だと認める男同士、それぞれの舞台で戦いを続けている。

 チームとしての連勝は「2」で止まったが、首位はキープした。武田自身にとっても、まだまだブルペンで自分の居場所と築こうと必死な日々だ。常に繰り返す「やるしかないから」という言葉。勝利だけを目指し、巻き込んでいく。

(竹村岳 / Gaku Takemura)