上林誠知の課題「話はし尽くした」 ファーム選手の“自立”…小久保監督全コメント

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:藤浦一都】

「ファームと1軍の一番の違いは、お客さんが入っている密度というか、人数」

 ソフトバンクの2軍は16日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(PayPayドーム)に3-4で敗れた。先発の田上奏大投手が5回2/3を投げて3失点。リチャード内野手が2安打2打点と活躍するなど、6回に3点を奪って追いついたが、8回に椎野新投手が勝ち越し点を献上した。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

(ペン記者囲み)
――PayPayドーム開催の意義とは。
「今まで雁の巣の時は朝早い“親子”があったんですけど、向こう(筑後)に行ってしまってなくなった。去年コーチの方から、ここでできないですかと話があったのを球団の方に相談して。それが実現した形ですね」

――選手のモチベーションを考えても立たせてあげたい。
「そうですね。あとはやっぱりなかなか4軍までできて、120人以上がいる中で、現実的にはここでプレーするのは今年は難しいという選手が多い中で、少しでもそういうところを目指すモチベーションじゃないけど、きっかけになればいいかなと。そういう思いはもちろんありましたよ」

――野手の人数が多かったのも、出したい選手が多いから。
「そうです。3週間くらい前にはコーチに指示を出して、なるべくこっちに呼んでやってくれ、と。3試合はできるので、立ったことのない、プレーしたことのない選手は全員出すつもりではいます」

――メンバー表交換はドキドキしませんでしたか。
「俺が? するわけないやろ(笑)」

――田上投手の内容はいかがでしたか。
「真っ直ぐの出力は上がってきているんですけど、ゲームの内容で言うと、あそこの2回り目で、先発投手で、クリーンアップで、あの点の取られ方はバッテリーは反省しないといけない。先頭の野口は仕方ないと思いますけど、その次(杉本)に変化球で逃げて、初球の真っ直ぐ(を打たれた)。それで3点って、それはちょっと1軍じゃない。高谷バッテリーコーチにも、伝えましたし、高村さん(投手コーチ)にも話をしました」

――田上投手の課題は2巡目以降だと伝え続けてきた。
「2巡目もそうですし、100球、80球(前後)がね。今日はあえて6回もいかせたので。同じクリーンアップをどういうふうに対応するか見たかった。5番の山中まではいこうといかせた。投手コーチは代えようと言ってきたんですけど、いやいや、同じバッターにいかせましょうということで。ゲッツーでは一応、終わりましたけどね」

――6回無死一、二塁で山中を二ゴロ併殺に斬ったことは評価できる。
「でも同じ打者にヒット3本打たれていますからね、野口に。内野安打とはいえ、っていうのはありました。評価が難しいイニングでした」

――ウエスタン・リーグが開幕して2か月が経過した。リーグ1位にいるが、この2か月を振り返って。
「今1位なん?」

――貯金が9つあります。
「9個もあるんや。勝ち続けていたんやね。でも勝つためにはあまりやっていないので。そりゃあ、あんな1軍のローテに入るような投手がいたら勝つでしょう」

――収穫と課題はありますか。
「前も選手たちには話したんですけど、2軍って基本的に守られているので。要は、1割台でも試合には出られるし、あまり抑えていなくてもマウンドには立つことができる。だから1軍にすぐ入る選手の場でもあれば、育成の場でもある。入り混じっているので。1軍の方がシンプルですよね、打てなかったらクビになるので」

「その辺を話したときに、そういう守られている立場で何が一番必要になってくるかわかるかって話はしたので。一番消えてくるのは闘争心です。当たり前なんですけど、危機感からくる闘争心は落ちてくる。それは自分の中では持ち続けないと」

「あと勝負ごとなんですけど、でも勝ったり、その場の勝負に関しても結構薄れてくるので。だって(試合に)出て当たり前だから。それを自分でしっかりと自覚してやってくださいという話はしました。そこが一番難しいところですよ、ファームは」

――4軍制ができた時に、ファームの中でも競争が生まれることを話していたが、選手の表情はいかがですか。
「3軍には落ちたくないっていう(のは伝わってきます)。そういうふうにして、上がってきた選手を使いながら刺激は入れているんですけど。あとはちょっとわからないです。選手に聞いてください」

――6回無死に伊藤大将内野手が三塁側へのセーフティバントで出塁したが、あれはサインですか。
「いやいや、自分で」

――あのプレーはいかがでしたか。
「久しぶりのヒットでもあったし、やっぱりあそこは出塁したら何かが起こるイニングですよね。前のイニングで無死一、二塁からゼロで抑えているわけですから。その通りになったんですけど。一気にいくところの、上林の打席がね(同点に追いつき、なお2死三塁で空振り三振)。ボールを3球振ってしまって。あの形がなくなってこない限り、1軍にはいけないので。そこは同じミスはあまりしてほしくないですね」

――藤本博史監督も上林選手について、どうしても低めの球に手を出してしまうと話していた。
「ずっと言っていますよね」

――そこはまだ改善されていない。
「それはもう僕らがどうこう言うところではない。そういう話はし尽くした上で、あとはもう自分がどうアプローチするのか。自分で考えてやっていかないといけない選手の枠に入っている選手が多いので」

「去年は逆で、こっちがある程度指導をしないといけない選手が多かった中で、今年はもう増田にしてもリチャードにしても、それこそ上林にしても渡邉陸にしても、自分で経験して、こうしようというのがある選手なので。井上とかまだその辺とはちょっと、僕らは分けてやっています」

――手が離れた選手が結果を出せないのも歯がゆいのでは。
「それはないですよ。そういう場所なので。でもそこはもう自分で切り開くしかないのでね」

(テレビインタビュー)
――重複する部分があるかもしれませんがよろしくお願いします。
「ですよね」

――改めてPayPayドーム開催で選手の緊張感はありましたか。
「お客さんが入ってくれましたけど、やっぱり外野まで入ることはない。一番の違いはそこなので。グラウンドでやれたことは彼らにとってもいい刺激になったでしょうけど、やっぱり一番のファームと1軍の違いは、お客さんが入っている密度というか、人数ですから」

「それでもこの舞台でプレーしたのは初めてですとか、打席に立つのが初めてという選手が多かったので。なんとか彼らの将来のために、いいきっかけになってくれたら」

――田上投手もPayPayドームで初登板。
「出力も良かったし、2回り目のクリーンアップのところでホームラン2本で3点を取られた。ホームランの結果はあまり問わないですけど、入り方。最初の野口のホームランは仕方ないですけど。やっぱり杉本に対して連続で長打を打たれるのを嫌がって変化球攻めをして(結果は四球)。その次の初球の真っ直ぐですから。あれは、バッテリーコーチにも投手コーチにも話はしました」

「あれをされるとなかなか勝ちパターンというか、最少失点で切り抜けられないパターンなので。しっかりと反省してほしいと思います」

――開幕投手も託しただけに、この舞台を経験してほしかった。
「そうですね。投手コーチもその思いで今日もぶつけたみたいで。1軍で去年投げましたけど、長崎と札幌ですかね。だからここでは投げていなかった。ゆくゆくはここで軸として回れる、そういう投手になってもらいたいって思いは当然あります」

――6回は打線がつながって3点を奪った。
「今日の投手(東)は、去年に育成から支配下になって、1軍でも結構登板のある投手。真っ直ぐも強いし、抜けるカーブもあって、コントロールもいい。おそらくそんなにヒットは出ないだろうなと思っていて、その予想を裏切ってほしかったんですけど、予想通りでした」

「球の勢いが落ちてきたあのイニングに捕まえただけなので。なかなか、元気なうちは難しい投手。1軍でも投げている投手なので、それは感じました」

――この3試合でPayPayドームでのプレーを経験させる。
「(野手は)18人呼んでいるので。この舞台でプレーしたことのない選手は必ず、守備なり打席なり、出す方向でコーチにも指示しています」

――いつもと違うような3日間になりそう。
「ゆくゆくはって思いはみんなが持っているでしょうけど、より明確に色濃く描けるように、そのきっかけになればいいかなと思います」

――改めて、今日の試合に関してはいかがでしたか。
「あのいい投手の中で、同点に追いついた後、1軍に入っていかないといけない椎野があそこで簡単に点を取られるのは良くないですよね。やっぱり野口が今日3安打していて、次がセデーニョと、山中で右が続く中で。8回でのフォークのすっぽ抜けなので。その辺は、今日はバッテリーの課題の多かった試合かなと」

「バッティングははっきり言って、いい投手からはそうは打てないので。そういう点では、打たれるべくして打たれるというよりは、そこまで意識が高かったかというところを問い詰めた方がいいかなと思います」

――若鷹に感じてほしいことは。
「自分の足りない部分をしっかりと自覚すること。それはここでプレーするとかっていう問題ではなくて、不足の認識から成長はあるので。自分に今何が足りていないのかっていうことがわかれば、そこが埋めれば(1軍が)近づく。それは去年から選手には言っているので」

「リチャードなら真っ直ぐを打てるようになりなさい、と。今日の最後の投手(入山)も、東北福祉(大学)から入ってきて、抑えで使っていて、ほとんど真っ直ぐしか投げないんです。2ボールからの真っ直ぐを空振りしていたので。彼はもう真っ直ぐが不足。真っ直ぐが打てれば、上でも活躍できる。そこを知っていくことじゃないですか」

――あと2日間でどういうところを期待したいですか。
「今日の活躍で1軍の首脳陣が目に留める選手が出てきてほしいと思います。ここだけの話ではないですけど、ここでやっていることは当然、1軍の首脳陣も知っているので。いつも見ている映像、雰囲気、景色の中で活躍ができれば、そういうふうに伝わるかもしれない。それは期待したいです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)