2軍降格の増田珠は「打席の対応は全然悪くない」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

「今一番そこはチャンス」支配下昇格の好機の選手とポジションとは?

 ソフトバンクの2軍は5日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの中日戦に0-1で敗れた。中日先発の仲地礼亜投手の前に4回まで1人の走者も出せず。5回以降は好機を作るも、あと1本が出なかった。先発の三浦瑞樹投手は6回1失点だった。試合後の小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――チャンスをものにできなかった。
「三塁に行ったときの低めの見極めがホークスの2軍。ホークスとして王会長、城島アドバイザーの方針の、とにかく変化球は浮いてきた球を打ちに行くっていうのが今日はできていなかったですね。低めのボールを振らされていたんだね」

――昨日に続き好走塁が目立った。
「走塁は元々ずっと意識が高いですよ。ずっと高く、走塁コーチ2人がやってくれてるんで、それは高いですね。ただ、勝連と大将(伊藤)の2人しかいなくて、もう彼らのどっちかが怪我をしたらもう正規の二遊間がゼロになる中で、本当によくやってくれています」

「勝連は今日は1死球1安打、2つの犠打ですからね。働き的にはもうパーフェクト。守備も飛んだら安心ですし、捕ったらスローイングも安心ですし、本当にあの2人がやってくれたと思いますよ。5回、大将の3ボール2ストライクから、対応的には精一杯やったセカンドゴロ。そうなると、やっぱり九鬼の1死一、三塁の場面とか、珠(増田)の見逃し(三振)の3球とか、あの辺が目立ちますよね」

――中日のドラ1仲地投手の球威があった。
「前半は球がガンガンきていたし、でも、明らかにもう3回り目になったら球威が落ちてね。150キロ出ていたのが145キロ出るか出ないかぐらいで、一気に変化球主体のピッチングに切り替えているんで。だから同じピッチャーでもう1打席目に対する目付の仕方とか待ち方とか、落ちてきた後にどうするかって全然変わるもんなんで、同じピッチャーの中であっても待ち方は全然変わるタイプだったと僕は思う」

「それがそのまま1打席の真っ直ぐの印象のまま、もし、体感が早く感じたやつが、その3打席目も同じように(打席に)入っているなら、成績は出ないだろうなと思いましたね。明らかに変化球が多くなっているんで。ゾーンを上げて、真っ直ぐの時はゾーン下げて、でいいと思うんですけど、変化球はゾーンを上げて、最後まで真っ直ぐが気になっていたんであれば、今日の仲地のへばり具合の組み立てからすると、やっぱりうまくこっち側が変わらないといけなかったなと思いますけどね」

――先発の三浦投手が粘投。
「悪いというか緊張ですよね。本当にチャンスがなくてコツコツ3軍でやってきて、やっと枠1つもらえた中での今シーズン初登板でね。去年は結構主戦で投げていたんで、本来であればこっちで投げて支配下への道へっていう目標を立てたんでしょうけど、ご存知の通り、ローテーションが非常に熾烈で枠が余っていないんで」

「その中で立ち上がりはもう絶対にミスは許されんという感じでね。彼の場合、粘り強さが武器なんでね。押し出しで1点は取られましたけど、本当に悪いなりにもゲームを作ったし、あのイニング(6回)の1番打者まで回ったら交代だったんですけど、最後145キロくらい出ていたんで。課題であった体力面、スタミナ面でもクリアしている印象を受けましたね」

――ストレートは去年とは違う。
「球速は去年より全然速くなっています。去年は141?142キロ出て常時138キロぐらいだったのが、今日はもう140キロが常時で145キロも2、3球出てましたもんね。そこら辺はやってきたことが間違いじゃなかったんじゃないですかね」

――四球で崩れる投手ではない。
「そうね。だから今日はとにかく点を取られたくなくて、四隅にきっちり狙いすぎて。(3回に)左バッターの樋口に出したフォアボール、あれがやっぱり一番痛かったけど、それでも1点に抑えてるんで、ピッチャーは責められないと思います」

――笹川選手は2安打。
「今日初めて、僕の前でっていうか、2軍で三振のない日だったんで。記念すべき三振のない日。スタメン三振記録を更新中だった。ブライアント(ラルフ・ブライアント)に並ぶかぐらいの勢いだったんで。ブライアントは50本近いホームラン打っていたけど、笹川はホームランゼロやって、びっくりするぐらい三振するんで。三振ばっかりしよったら使わんでおこうって。今日はもう何とかバットに当てる姿が出てましたね」

――笹川選手の8回の三盗は単独。
「もちろん。『走るな』以外は常に狙ってるし、しっかり自分の中でね。あれはやっぱり勇気がいるところで足の速い遅い関係なく走るタイミング、勇気ですから、いいスタートを切りましたよね」

――中村亮投手の出力が上がってきた。
「今シーズン1番良かったと思います。ちょっと危機感が出てきたかな。今日1番よかったです」

――育成の三浦投手からバトン。
「今日、今シーズンで初めて育成選手を5人使い切ったんでね。石塚が途中から(ホワイトボードから)名前すら消されていましたよ。(中村)亮太が出た瞬間に、今日スタメンから4人が育成選手やったんで、今日は石塚は使えないと。石塚はちょっと3軍じゃ抜けてるんで、ちょっと2軍で見てほしいという要望で今来てるんですけど。来てもね……育成枠は使えませんから。育成選手以外であの二遊間の専門職はゼロやで。今年は二遊間が受難の年なんでね。本当に彼らがよくやってくれています」

――勝連選手、伊藤選手は支配下に近づく。
「今一番そこはチャンスなんじゃないですか。僕が決める問題じゃないですけど、正直ね。育成の枠っていうルールのもとでやるとパツパツですね。川原田が明日検査なんで、長期離脱になれば、余計大変になりますよ。あと3軍4軍に支配下のショートがいないでしょ? 1軍は1軍で抱えている。どうするんだろうという一言なんですけど、どうすんのかなと思いますね、本当におらんくなったら」

――育成選手を登録して枠を作る。
「そうそう、方法としてはそれしかないでしょう」

――増田選手の状態は
「僕は打席の対応は全然悪くなかったと思うんで。ずっとホークスの試合を見ていた中で、彼のスタメンの試合は見ていましたけど、対応はそんなに悪くなく。ちょっとヒットにできるボールがなかったかなという打席で凡打になる。内容がそれほど悪くなかったと思うんで。だから何かあんまり変えるところないよ、とは言っています。ただ上に行っても、代打のこともあるでしょうから、もちろん代打で使う日も作った方がいいのかなというのはちょっと考えながらね。明日ちょっと天気が怪しいんで、わからないですけど」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)