3年ぶりの“スクランブル登板” 藤本博史監督が明かしたモイネロの回跨ぎの真相

ソフトバンク・藤本博史監督【写真:小林靖】
ソフトバンク・藤本博史監督【写真:小林靖】

栗原陵矢のサヨナラ打は今季2度目…「立派なクリーンアップですね」

 ソフトバンクは4日、本拠地で行われたオリックス戦に8-7でサヨナラ勝ちした。延長11回、無死一、二塁で栗原陵矢外野手が中越えの一打で試合を決めた。4回1死一、二塁では近藤健介外野手が3ラン、8回1死二塁では中村晃外野手が同点2ランと、効果的な本塁打も勝利につながった。試合後、藤本博史監督が取材に応じた。一問一答は以下の通り。

(テレビインタビュー)
――サヨナラの場面を振り返って。
「近藤が四球で出てくれて、柳田がつないでくれた。栗原に送りバントは一切考えていなかったので、返してもらいたいというところで。返してくれたので、立派なクリーンアップですね」

――近藤健介選手が逆転3ラン、中村晃選手が同点2ランと効果的にホームランが生まれた。
「ベテランらしい、いい仕事をしてくれましたね。近藤も中村晃もいいところでつないでくれる。最後は柳田もああいう形でつないで、ベテラン、主力がしっかりやってくれました」

――連敗ストップとなった。
「今日はもう絶対に勝ちたかったので。しんどい試合でしたけど、よかったです」

――明日に向けて。
「勢いで、明日は佐々木朗希君ですけど、なんとか攻略できるように頑張ります」

(ペン囲み)
――しんどい試合だった。
「向こうの打線が状態がいいので。杉本もいない中でもどんどんつないでくる。どの投手も気を抜けないというところもあった。反省点としては、代わりっぱなの四球ですね。全部四球が絡んで点を取られているので。打たれるのは仕方ないと思いますけど」

「和田も本当に悪かった、球がいっていなかった割には、よくしのいでくれたところもある。その辺だけですね、反省点は。選手がよく頑張ってくれました」

――モイネロ投手が2イニングを無失点に抑えた。
「本人が球数、1イニングで多かったら1イニングで終わる予定だったんですけど。今日は板東を投げさせたくなかったので。昨日3イニングいっているので。だからモイネロは球数が少なかったら2イニングいってもいいと、投手コーチの判断で。本人に聞いたら『行く』と。明日は当然休ませるつもりではいますけど」

――12回に入っていれば古川侑利投手だった。
「そうですね、古川しかいなかった。板東は投げさせないと決めていたので」

――栗原選手にバントは考えていなかった。
「いい打者がクリーンアップを打っているわけですから。送って6番のアストゥディーヨが打てるかどうか、わからない。打てる確率の高いところで。同点でサヨナラの場面だから、バントは一切考えなかったですね」

――2番に入った柳町達外野手が4出塁と活躍した。
「つなぎをしてくれましたね。打つ方がみんなね、逆転されて、また逆転して、同点に追いついて。いいつなぎができたと思います。川瀬も途中から出て、いきなり先頭打者として出塁してくれるとか。そういうのがきっかけで点になっているわけですから。イニングの先頭打者がなんとか塁に出るっていうのは、得点になりやすいってことなので。その辺りを集中してもらえたら、こういうつなぎができるんじゃないかなと思います」

――打線が苦しんでいた中でも、いい形で一発が出た。
「中村晃の一発が一番大きいですね。あれで流れが変わりましたよね」

――和田投手は4回のバント処理で転んでしまうようなシーンがあった。
「背中を打ったということで。背中を打ったから4回で代わったわけではなく、今日は球のキレ、逆球が多かった。捕手の甲斐から聞きましたけど、思ったところにこない。いつもならくるんですけどね。特に右打者のアウトコースの球は、間違ってもボール球になるんですけど。それが真ん中に集まってきたというところで。長いイニングはいけないと2回くらいから考えていました」

――田浦文丸投手が2/3回を投げて無失点。
「斉藤和巳投手コーチのおすすめだったので。今状態が一番いいピッチャーということで。いい経験を積んでいけば、もう少し後ろもいけるんじゃないかなというところですね」

――1イニング投げ切ってほしかったところ。
「そうですね。2死からだからもったいなかったですね。結局ヒット1本ですか。四死球で自分でピンチを招いているわけですから。いい球はいっているんですけどね。どっちでも言えるような球だったんですけどね。そこは反省点ですかね」

――昨日の敗戦で勝率が5割となり、迎えた一戦だった。
「今日の勝ちは大きいと思います。野手が投手を助けた形になったので。今度は投手が野手を助ける。明日は(相手先発が)佐々木朗希君ですし、なかなか点は取れないかもしれませんが、先に点をやらないっていう強い気持ちを持ってやってもらえたら」

(竹村岳 / Gaku Takemura)