74登板ペースに首脳陣も「考えないと…」 頼もしいが故に悩ましい松本裕樹の起用プラン

ソフトバンク・松本裕樹【写真:矢口亨】
ソフトバンク・松本裕樹【写真:矢口亨】

体の状態は「まだ大丈夫」も「後半になった時にどう響いてくるのか」

 ソフトバンクは2日、本拠地・PayPayドームでのオリックス戦に0-1で敗れた。先発した大関友久投手は7回1失点と好投したが、打線が相手先発の宮城大弥投手に8回無失点に抑え込まれて3連敗。藤本博史監督は、宮城に「全部よかったよ、今日は。コースコースに来ていて」と脱帽した。

 打線は5安打に終わった。今宮健太内野手が2安打、近藤健介外野手、柳田悠岐外野手、栗原陵矢外野手が1安打と最後まであと1本は出なかった。昨季、宮城から2本塁打を記録したリチャード内野手を5番に抜擢したものの、3打数無安打と打線が繋がらなかった。

 4月半ばから下降気味の打線の状態だが、ブルペンにも心配の“種”がある。8回に登板し、1回無失点に抑えた松本裕樹投手だ。

 松本はこの日、先頭の小田を左飛に打ち取ると、シュウィンデルを一邪飛に。最後は頓宮を152キロで空振り三振に切った。最速153キロを計測するなど、安定感抜群の投球で開幕から12試合連続で無失点を継続。「力みすぎず、体を振りすぎずにスピードが出てくれたので手応えはありました」と振り返ったが、気になるのはその登板の多さだ。

 ここまで23試合を戦い、その半分以上となる12試合に松本は登板している。週5試合が続くなど、日程的に余裕があったとはいえ、シーズンに換算すると74試合に登板する計算になる。この状況に表情を曇らせたのは斉藤和巳投手コーチだ。

「(コンディションは)いいよ。いいけど、そこも考えないとあかんよね。多すぎるから、ちょっと。そういう展開が多いから行かざるを得ないけど。連敗もしているし、週アタマでカードアタマやから。どうにか流れが変わればと思ったけど」

 体を心配しつつ、それだけ勝ちたい試合でもあった。投手の体を守る中で、勝てそうな試合は全力で勝ちにいかないといけない。投手コーチという役割を踏まえて「難しいよ、こういう試合が多いからね」と頭を悩ませる。松本裕自身は体の状態を「まだ大丈夫ですね。日程も空いたり、球数も少ないので。体がしんどいなというのはないですね」と語る。コンディションが大事だということも理解して日々を過ごしている。

「今はまだいいですけど、試合数が多くはなってきていて、これが後半になった時にどう響いてくるのか。僕も頭(開幕)から中継ぎに入ったことがないので、わからない。その辺は、周りの人たちがサポートしてくれると思うので、自分自身はいけるところまでしっかりと投げていきたいと思います」

 12試合登板ではあるが、投げているのは9イニング。回の途中でピンチを封じる役割も任されており、藤本監督も「今一番頼りになるピッチャー」と表現していた。松本裕は「しっかりお風呂に入ったり、サウナに入ったり、疲れを取ることですね。トレーニングも継続して入れたり、試合で投げるためにコンディション作りをやっている感じです」と日々のケアにも努めている。

 昨季途中から勝ちパターンに定着し、今季は開幕からブルペンの一角を任される。首脳陣からの信頼もハッキリと見えるようになってきた。「誰を生かせるのか難しい場面で僕が投げることが多いので。信頼されていると僕自身も感じます。今のものを継続して、いいパフォーマンスを出し続けるのは変わらない」。抜群の安定感がチームを救っていることは確かだ。

「結局、球数とかを自分でうまく管理できるか、ですね。ブルペンと試合で投げる中で。そこは大事なことだと思います」。今季が9年目。頼もしくなり、絶対に欠かせない存在ともなった。周囲からサポートもしてもらいつつ、松本裕はマウンドに立ち続ける。

(竹村岳 / Gaku Takemura)