正木智也の不振「今の感じじゃちょっと厳しい」 小久保2軍監督が感じ取った“変化”

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

「練習を見る限り、ここが原因やろうなっていうのは見えましたけどね」

 ソフトバンクの2軍は21日、山口・由宇球場でウエスタン・リーグの広島戦に臨み、6-2で逆転勝ちした。2点ビハインドの6回に三森大貴内野手の2点適時打で追いつくと、7回、9回にはリチャード内野手が2打席連続で2ランを放ってリードを奪った。先発したジョー・ガンケル投手は7回4安打2失点。この日から2軍に合流した正木智也外野手は5打数1安打だった。試合後の小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――正木選手が1打席目の初球を安打。
「今日の練習でちょっと打撃投手がストライクが入らなかったんで、ほとんどバットが振れなかった。練習を見る限り、ここが原因やろうなっていうのは見えましたけどね。それはまだ本人には言っていないし、もうちょっと見ないといけないですね」

――打撃練習中もいろんな角度からチェックした。
「彼も独特なフォロースルーなんで、そこは全く変わっていないんですけど、今の感じじゃちょっと厳しいかなというぐらいの対応ですね」

――1番打者に置いて打席数を増やそうと?
「それはわからない。打順はバッティングコーチに任せているんで、明石コーチかそういう思いがあったんじゃないですかね」

――小久保監督が見て感じたこと。
「あんなに開きが早かったらそりゃ打たんやろうな、と思うぐらい開きが早いなと思いますね。もうちょっと見てみないと分からんけど、そこだけじゃないのかな。開く原因が他に何があるのかっていう。今日だけじゃちょっと分からないけどね。試合だけの対応だけ見ると、あんだけ早かったら、そりゃ接点ないよね、という風には感じましたね」

――1軍で18打席結果が出ないのは小久保監督も経験している。
「まあ、でも外される心配なかったからね、俺の場合じゃ。比べられないでしょ。別に開幕から4試合ノーヒットやったところで、次の日に補欠なんてことはないから。だからちょっと自分とは比較できないんで、それはちょっとなんとも言えないです、正直なところ。レギュラーを獲ってしまった後の話なんで。もう2年目から(レギュラーを)獲ってしまっているんで。その2年目も最初にパンパンってヒットが出たし、1年目はレギュラーではなかったんで多少の焦りはあったかもしれないですけど、あまりそこの気持ちはちょっとわからない、というのが正直な感想です」

――2軍で打ち続けていくしかない。
「もうちょっと良かったよね。バッティング。そう思いますけどね。ちょっと開きが早いのは今日気になったので、それがどこに原因があるのか、明日以降見ていこうかなと思いますね」

――リチャード選手は2打席連続本塁打。
「あの半速球は打てますよ。もう課題はストレートなんで。左投手のあの半速球はもう打ちます。あれは打ちます」

――速い球を打っていかないといけない。
「そういうことです」

――ガンケル投手はテンポが良かった。
「今日は良かったですね。ボールも低めに集まってたし、ゴロも多かったしね。まぁ三森のエラーから井上のみっともない、どれだけ野手がピッチャーの足を引っ張るんやっていうぐらいでしたけど、ガンケル自身は自分が思うような打ち取り方ができてたんじゃないですかね」

――20日のオリックス戦もエラーからの失点
「井上の2つ目のやつなんかエラーじゃなくて(記録が)ヒットでガンケルが可哀想よね。まあ、その前も(エラーで出塁しているから)自責にはならないけど、あれは誰が見てもエラーやろうなって思いながら、ヒットになったからね、弾いたやつが。その後の打席でも(井上が無死満塁から)どんな姿で行くんかと思ったけど、誰が見ても三振するだろうなと思いましたよね。初球の空振りを見た時にね。初球のクソボールを振って、もうなんか焦りとパニック状態みたいな感じの。なんかもう打席での自信のなさみたいなものが出すぎていますよね」

――エラーを取り返してやろうという気持ち。
「その気持ちよりも、なんか追い詰められた感の方が強かったなと。普段、結構チャラけているのに、ああいうところでは開き直れないというね」

――三森選手はチャンスで汚名返上のタイムリー。
「まあまあ、そりゃそうですね。そこは1軍でやってきていた選手との差ではあると思いますけどね」

――7回には無死一塁から生海選手が犠打。
「あいつ人生でバントしたことないんで、形がまだクチャクチャなんすよ。本多コーチと井出コーチと明石コーチと村上コーチにバントのサインは出しますから、と。だから、バントをうまくさせてくださいね、と。バントだけはさせておかないと、1軍に行ってもクリーンナップスタートなんかあり得ないんで。終盤、競ったところでは必ず(バントのサインが)出るから、終盤はチャンスであっても、4番とか関係なく(バントのサインを)出しますよと言って、今日出したんですけど」

「形はクチャクチャですけど、でも、なんとしても前に転がすとかっていう姿が出るかどうか。僕、下手なんですよということ、下手なりに、とにかくなんでもいいから形にこだわらずに進めればいいんでしょっていうのって、やっぱりサインを出してみないと分からないので。確率は今の形では低いですよね。でも、決めたっていう事実は事実なんで、実際、それで逆転に繋がってるわけですからね。だから、バントもちゃんとしっかりできるようにしていきますよ。しておかないと上に行って、彼が困るので」

――生海選手は今後も4番で起用していく。
「でも明日はスタメンから外します。ずっと4連戦出したので。元々、当初の計画通りです」

――バント練習も積極的にやっていく。
「もちろん! まだどの形が1番良いも悪いも分からないんで。左足を引くのがいいのか、ちょっと左足を前に出していくのが良いのかも分かってないんで、これからです」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)