正木智也が胸中を独占激白 鹿児島で流した悔し涙、苦悩の3週間の思いを語る

ソフトバンク・正木智也【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・正木智也【写真:米多祐樹】

2軍の広島戦で第1打席に今季初安打、ホッとした様子も「まだまだ実力不足」

 苦悩した1か月間の思いを吐露した。19日に出場選手登録を抹消されたソフトバンクの正木智也外野手が21日、由宇球場でウエスタン・リーグの広島戦を戦う2軍に合流。「1番・右翼」でスタメン出場した試合後、今の胸中を鷹フルに独占激白した。

 1軍で開幕スタメンの座をつかみながら、18打席無安打と低迷した。藤本博史監督は当初、期待の2年目に「50打席」を与えるとしていたが、そこに達することもなく、19日の西武戦前に2軍降格を言い渡された。

 2軍での初打席、ようやく快音が響いた。1番打者として出場すると、広島先発・中村祐の初球を捉えて左前打。2軍ではあるが、なかなか出なかった今季公式戦初安打が飛び出し「出ていなかったヒットが出たので、そこの部分はうれしいです。またこれから積み重ねていきたいなと思います」と、まずはホッとした様子だ。

 安打が出ずに大苦戦したこの3週間。2軍落ち通告も「いや、もうそれは当たり前だなと思いましたし、チャンスをもらった中で結果が出なかったのが本当に悔しかった。もっともっとやらないといけないと思いましたし、なかなかないチャンスをもらえて、それをモノにできなかったというのはまだまだ実力不足かなと思います」と真正面から受け止めた。

 キャンプ、オープン戦とアピールし、期待値も込めての開幕スタメンだった。万全の準備をしたつもりでもいた。「自分では練習したつもりですし、やることをやって、いろいろ準備して入ったんですけど、それでも結果が出なかった」。開幕戦で3打数無安打、2三振に終わると、ついに3連戦で安打は出なかった。打席を重ねるにつれ、徐々に焦り出している自分も感じた。

「やっぱり打ちたい、打ちたいとなって、引っ張りに入ってしまったとかもあった。最初の1本が出るまでは力みももちろん、焦りもあった。調子が良いときも悪い時もあるので、調子が悪い時にどう打つかっというのも大事。1軍にいる選手は、調子が悪い中でもヒット1本出したりとかが必要になってくる。メンタルの部分も、もっと強くしていかないといけないですし、本当にいろんな部分を強化していかなきゃいけないと思いました」

 4月9日に鹿児島で行われた西武戦では途中交代を命じられ、悔しさとふがいなさからベンチで涙した。「思いは強くやっていたんですけど、結果が出なかった。思いだけじゃ、気持ちだけじゃ通用しない。そこは技術で埋めていくしかないですし、逆に技術が良くてもメンタル的な部分がダメならダメ。そこは両面が必要なので、もっともっと突き詰めていきたいなと思います」。改めて自分を見つめ直す瞬間でもあった。

「まだまだ実力不足だなと思いましたし、これからもっと練習して、足りないところを見つけたい。練習して技術力をそもそも上げないとやっぱり通用しないなと思ったんで、もっともっと2軍でいろいろ考えてやっていきたいなと思います」。気持ちを切り替え、前を向いた正木。この苦難を乗り越え、1軍の舞台に戻ってくるのをファンは待っている。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)