中継ぎ起用にこぼした正直な胸中「もちろん悔しい」 板東湧梧が描く“逆襲”プラン

ソフトバンク・板東湧梧【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・板東湧梧【写真:藤浦一都】

昨季は終盤から先発ローテに定着して3勝を記録した

 何一つ、諦めるつもりはない。先発として使いたいと思わせるだけの結果を、今の仕事場で出し続けるつもりでいる。ソフトバンクの板東湧梧投手は開幕からブルペンに入ってチームに貢献している。開幕から9試合。中継ぎとしての起用が続いているが、「ローテーションを諦めたわけじゃない」と、与えられた登板でアピールする気概でいる。

 昨季から目標は開幕ローテーション入りだと、メディアの前で何度も公言してきた。春季キャンプでは腰の張りなどで調整が遅れたこともあったが、3月に入って少しずつ状態は上がっていった。3月22日のウエスタン・リーグの阪神戦(鳴尾浜)では7回1安打無失点。最後は高橋礼投手との“一騎討ち”となり、6番手に選ばれたのは高橋礼だった。

 板東は開幕時にはベンチ入りしなかったが、4月4日に1軍登録された。斎藤学投手コーチが「中継ぎに入った場合、どっちが適性があるのかというと、板東の方が経験がある」と評価するように、首脳陣は板東をブルペンに入れることを決めた。形としては競争に敗れる結果に。本人はどんな心境で中継ぎ起用を受け止めているのか。

「もちろん悔しい気持ちは忘れられないです。キャンプから思ったように自分のアピールができなかったので、そういうところを含めて良くなっているところを見せられるように。まだ開幕ローテだけじゃないので、シーズンを通していいところを見せて勝ち取れたら。今は中継ぎで与えられたところでしっかりやること。いつかチャンスをつかみたいと思います」

 それまでの先発調整から、中継ぎでの準備をしていくことが決まった。一転した自分の仕事場に、気持ちの切り替えについても、こう明かした。

「(競争の終盤)ギリギリになるときに、そこ(開幕ローテ入り)を見すぎて自分でも苦しかった。それに気づいて、どうなってもいいと、その時に思えたので。当たり前ですけど、そこだけじゃない。終わったものは終わったもので、シーズンにも入っていますし。その中でどうやったら自分をアピールできるのか、チームに貢献できるのかを意識してやっています」

 4月5日のオリックス戦で今季初登板を果たしたが、6日の同戦では杉本に3ランを許した(自責1)。調整の過程に関しても「そこに関してはやるしかない。結果的には(6日は)ダメでしたけど、自分の中では、だからどうこうというのはない」と言い訳するつもりはない。中継ぎでの調整に関しても、自分の引き出しを最大限に使っているところだ。

「中継ぎをしていると連投もありますし、トレーニングの仕方も『この登板に合わせて……』という感じではないので。そういうところは去年も一昨年もやっている。そういうふうに工夫しながらやっているところです」

 斎藤学投手コーチは「先発陣の組み替えをしつつ、またそこは競争で6人を揃える」と週6試合が始まっていく4月下旬あたりに、もう一度ローテを組み直す考えも示している。そこには板東だけではなく武田翔太投手や有原航平投手の名前も挙がる。板東自身も「そういうのがあるとわかっているので、そこに名前が一番に挙がって、勝ち取れるようにやっていくしかない」と意気込む。

 開幕ローテーションという当初の目標は叶えられなかったが、それは「次回、来年以降に持ち越しになっただけ」という。まだシーズンは始まったばかり。今の目標を問われると、端正なマスクを引き締めてこう即答した。「次の登板をしっかりと抑えることです。それだけです」。

(竹村岳 / Gaku Takemura)