好投手に共通する“試合を支配”する能力…斉藤和巳コーチが見た山本由伸は「レベルが違う」

6日のオリックス戦で山本由伸に6回で無得点…斉藤和巳コーチが感じたすごみ

　同じく2度の沢村賞に輝いた現役最強投手をベンチから眺めた。いつの時代も感じるのは、投手が試合を“支配”する能力だ。2-7で今季初黒星を喫した京セラドームでのオリックス戦。ソフトバンク打線は相手先発の山本由伸投手に6回無失点と抑え込まれた。

　試合は2回に1死一、二塁のチャンスを作ったが、上林誠知外野手、今宮健太内野手が右腕の前に連続三振。3回に先発の高橋礼投手が崩れて4点を失い、試合の主導権を渡してしまった。結果的に三塁を踏むことはできなかったものの、藤本博史監督は「去年よりは対応できている。あのボール球のフォークをどれだけ見られるかだと思う。他の選手はなんとか見逃して、捉える形ができていたかなと思います」と一定の手応えを感じていた。

「向こうが優勢になった時、さらに伸び伸びと投げている感じがした。エンジンがかかってきた感じがしたね」と印象を口にしたのは、自身も2度の沢村賞に輝いた経歴を持つ斉藤和巳投手コーチだ。通算勝率.775で“負けないエース”と呼ばれた男。解説者時代も山本の投球は何度も目にしてきたが、指導者となりシーズン中に敵としてベンチから見たのは初めてだ。

（竹村岳 / Gaku Takemura）