プロ入りから3か月で体重5キロ増 ドラ4大野稼頭央が踏み出したプロでの第一歩

ソフトバンクのドラフト4位ルーキー・大野稼頭央【写真:上杉あずさ】
ソフトバンクのドラフト4位ルーキー・大野稼頭央【写真:上杉あずさ】

22日に行われた九産大との3軍練習試合でプロ初登板

 1人の若鷹がプロとしてのスタートを切った。22日にタマスタ筑後で行われた九産大との3軍練習試合。ソフトバンクのドラフト4位ルーキー・大野稼頭央投手が“プロ初登板”を飾った。7回にプロで初めての試合のマウンドに上がると、先頭打者を左飛、続く打者を遊ゴロに打ち取った。テンポよく2つのアウトを奪ったが、そこから2四球。それでも5人目の打者を右飛に打ち取って1回を無安打無失点に抑えた。

 球場のスピードガンで140キロをマーク。初登板ながら、持ち味である堂々たる投げっぷりを披露した。「ブルペンからマウンドへ行くまで、すごく緊張しました。1人目のバッターに投げるまでもめっちゃ緊張していました」と初々しく振り返った大野。地元・奄美大島の大島高で1年秋からエースとして数々のマウンドに立ってきたものの、「ちょっと違う緊張感があって、結構神経使って投げていたなっていうのは後から思います」と第一歩を噛み締めた。

 内容には納得していない。「真っ直ぐが浮き気味でした。後半は修正出来たんですけど、もっと早く修正するポイントがあったなと思います。そこが反省点です」と課題も見つかった。初登板の緊張感もあり「必要以上に力んでしまった」ために体重移動が上手くいかなかったが、冷静にカーブを交えて上手くまとめた。高校時代からの生命線である直球とカーブのコンビネーションは大野の投球の原点。高校を卒業したばかりだが、マウンド上での修正力も光る。

 この日の“初登板”に至るまで身体作りにも力を注いできた。入団時と比べると体重は5キロほど増えて69キロに。プロに入って初めて取り組むウエートトレーニングの成果も感じている。高校時代は全く経験がなかったため最初は苦労したが、「今までは体重が全然増えなかったのに、自分でも驚いています」とこの短期間でしっかり身になったことを実感している。

 食事にも気を配り「食事メインでしっかり栄養を摂るっていうのを意識しています」とプロで戦える身体作りにも高い意識を持って取り組んでいるところ。「試合で投げてみて、まだその大きくなった身体を上手く使いこなせていないので、これから身体も大きくしながら、その身体に合ったフォームとか身体の使い方をしっかり勉強していけたらいいなと思います」と貪欲だ。

「今回は体重移動ができずに、力が入って浮いてしまったので、ゾーンの低めに、バッターの膝元にしっかり強いボールを放るっていうのを意識したいです。ボールの高さではなく、強さや質を求めてやっていけたらいいなと思います」と気持ちは既に次回登板に向かう。「和田(毅)さんのように息の長い選手になりたい」と目標を掲げる大野がプロでの大きな一歩を踏み出した。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)