16日のイタリア戦に勝利して準々決勝を突破…近藤は全5試合で2番起用
ソフトバンクの長谷川勇也打撃コーチが17日、PayPayドームでのDeNAとのオープン戦前に取材に応じた。野球日本代表「侍ジャパン」が「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」を5連勝で勝ち上がり、アメリカで行われる準決勝へ進出。ここまでの全試合で2番に入った近藤健介外野手が存在感を示した。
近藤は東京での5試合で打率.389、1本塁打、5打点をマークし、出塁率は驚異の.560を記録した。1番に入るラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)、3番の大谷翔平投手(エンゼルス)の間に入って上位打線を形成し、自身の持ち味を国際大会でもいかんなく発揮している。侍ジャパンでの働きを、近藤が“師匠”と仰ぐ長谷川コーチの目にはどう映っているのか。
「普通じゃないですか。何も特別なことをしているとは、彼は思っていないと思いますよ。いつも通りやっていたら、勝手に数字がついてきていると思います。相当のプレッシャーはあるでしょうけど、それを乗り越えるのも自分のやることを徹底してやるというのが一番大事かなと。僕は経験したことはないですけど、でも、それじゃないですか」
長谷川コーチは現役時代に1108安打を放ち、打撃職人とも呼ばれた。大谷が近藤の後ろを打つことによる“相乗効果”もありそうだが、長谷川打撃コーチらしく「選手はそこまで打順や後ろに誰がいるとか、意識していないと思いますよ。目の前の打席に一生懸命、必死になることが大事。後ろにいい打者がいるから頑張ろうとか微塵も思わないし、自分の打席を全うしようとしたらそうなっているだけ。そこに集中することが大事だし、それができるメンタルがあるということです」と続けた。
一発勝負の国際大会の重圧を理解しつつ、近藤であれば、ここまでの活躍も「普通」だと長谷川コーチは表現した。近藤の技術への信頼もあるが、野球に対して真っ直ぐに向き合ってきたからだとも言う。ホークスでも十分、可能性がある2番起用。WBC後の起用のイメージも膨らみそうだが、近藤がいない今だからこそ“近藤頼み”の打線を作りたくないとも強調した。
「それ(近藤)頼みだといけないと思いますけどね。彼が怪我をするかもしれないですし、どういう状態で戻ってくるのかわからないですし。それ頼み、それありきで考えてしまうと、いけないと思うので。しっかりと今いるメンバーでも1年間を戦えるような状態にしておきたいと思いますね」
オープン戦でホークス打線は苦戦している。直近4試合で2点しか取れていないものの、長谷川コーチは「怪我人なくきているので、それだけでいい」と言う。オープン戦はあくまでオープン戦で、勝負はシーズンに入ってから。開幕までに状態が上がれば、何の問題もない。WBC組の4選手が帰ってくるまでに、もっともっと戦える状態にしていく。
(竹村岳 / Gaku Takemura)