「ミスしたらいろんなことを言われるんだろうな」 牧原大成のコメント全文

侍ジャパンへの追加招集が決まったソフトバンク・牧原大成【写真:荒川祐史】
侍ジャパンへの追加招集が決まったソフトバンク・牧原大成【写真:荒川祐史】

「重圧のある試合で、自分がプレーできているっていうイメージが湧かなかった」

 ソフトバンクの牧原大成内野手が1日、WBCに臨む野球日本代表「侍ジャパン」に追加招集された。脇腹を痛めて辞退となった鈴木誠也外野手(カブス)の代替選手。牧原は正式発表を受けて報道陣の取材に応じた。そこで語ったコメント全文は以下の通り。

(テレビインタビュー)
――侍ジャパンに招集の率直な今の気持ちは。
「まだチームに合流してないんで、実感は湧いてないんですけど、楽しみっていう反面、正直不安なところの方が大きいです」

――いつ連絡があった。
「昨日宿舎に帰って、監督とGMの方から伝えられました」

――どのように伝えられた。
「ちょっと覚えてないですね」

――伝えられたときどう感じましたか。
「いや自分でいいのかなっていうのが正直な感想です」

――侍ジャパンにいるチームメートに連絡は。
「一応、周東と拓也とは連絡取りました。何が必要なのかっていうところです。野球道具で何が必要なのかです」

――早速、今日は内野のグローブで練習していた。
「呼ばれたのは多分どこでも守れるっていうことだと思うので、今年はセンター1本でっていうところであまり練習をやっていなかったので、少しでもやっておかないといけないなと今日は少し練習しました」

――鈴木誠也選手の代替招集。
「正直、代わりになれるわけでもないと自分で思ってるので、鈴木選手の代わりになるっていうよりは、自分のやるべきことをしっかり考えながらやりたいなと思っています」

――豪華なメンバーの中に入っていく。
「正直、侍ジャパンに選ばれるっていうこと自体、思っていなかったのですごい不思議な気持ちです」

――栗山監督から直接連絡は。
「いや、栗山さんからは特には電話などはなかったですね。ただ、この前の壮行試合のときに『何かあったらよろしく』っていうふうには言われました」

――壮行試合では安打を打ったり、守備でもいいところがあった。
「あの試合に関しては自分が侍に選ばれたいからのアピールじゃなくて、もう本当にホークスでレギュラーを勝ち取るためのアピールだったので、そのアピールの結果っていうものがいい方向に転んでくれてよかったかなと思います」

――ご自身のどういうところが評価された。
「自分でも正直、なんで選ばれたんだろうっていうのはあんまり分からないんで、行ったら聞いてみようかなと思います」

――侍ジャパンではどういう働きでチームに貢献したい。
「すごいメンバーなので、自分がなかなかスタートで出るっていうのは多分難しいことだと思うんで、どんな役割になるかわからないですけど、自分の与えられたところでしっかりできればいいかなと思います」

――不安もよぎったと。
「やっぱり全国民が見る試合だと思うので、その中でやっぱりミスしてしまったら、たくさんの人にいろんなことを言われるんだろうなっていう不安がすごいありました。あと普通のシーズン中でも緊張するんで、それこそすごい重圧のある試合で、自分がプレーできているっていうイメージが湧かなかったんで、すごいそこは不安です」

――チームではジョーカーという愛称が広まった。
「どういう起用法になるかわからないので、今は何とも言えない。与えられたところをしっかりできればいいかなと思っています」

――途中から参加する難しさもある。
「いろんなサインなど、たくさん覚えることもありますし、そういったところもすごい不安ではありますけど、合流したら、しっかり元気出して頑張りたいと思います」

――WBC球は使ってみましたか。
「一応メジャーリーグのボールは使ったんですけど、実際に試合の球っていうのは縫い目の高さなども違うらしいので、そこにしっかり対応できるように、合流したらたくさんボールを投げたいなと思います」

――今後のスケジュールは。
「5日ですかね、5日に合流予定です」

――最後に意気込みを。
「鈴木誠也選手の怪我で代替というところにはなりますけど、なかなか鈴木選手の穴を埋めるっていうのはすごい荷が重いことですけど、そこと比べずに、自分は自分の持ち味をしっかり生かしながら、頑張っていきたいなと思っています」

(ペン記者囲み)
――背番号が「5」に。
「なんですか、5番って? 僕は何も聞いてないです。本当ですか?」

――松田宣浩選手が背負っていた番号。
「番号は何番でも大丈夫です。松田さんみたいにはなれないんで、しっかり自分なりに声が出せればいいのかなと思います」

――昨日は監督の部屋に来てくれって言われたときに何を想像した。
「結構、電話に気づいてなくて、何件も連絡入っていたんで、もしかしたらっていうのは正直ありました。『すぐ来てくれ』って言われたので」

――去年の活躍を見れば、全ての面で起用される可能性がある。
「そうですね、行くからには試合に出たいという気持ちはありますけど、すごいメンツなので、もう自分が出る隙もないと思うんで、出るなら、自分のイメージでは守備固めとかそういったところになってくると思うんで、そこをしっかりイメージしながらやっていきたいなと思います」

――今日のシートノックで内野を。今年はあまりやっていない。
「特守ではやっていたんですけど、普通のチームプレーでの内野は入っていないですね。まさか自分が呼ばれると思っていなかったんで、今年はもうセンター1本で自分の中で本当に決めてたんで、そこはブレることなく、外野だけでいこうって決めていたので」

――外野手の代替選手ではある。
「それだと多分、他に候補に挙がった選手とかの方が全然、センターのレベルも、打撃も高いですし、自分が呼ばれたっていうことはいろんなところを守れるっていうところなのかなって思ったので、今日、一応練習はしておきました」

――千賀投手、甲斐選手と3人ともWBCに。
「千賀と拓也はもうずっとジャパンに選ばれていたので、いつか自分も選ばれたいなっていう気持ちがあって、その中で今回の大会で選ばれたのはすごく嬉しいことです。ただ、本当は千賀がいてくれたら一番良かったんですけど。千賀ともさっきやり取りして『俺も出たかった』っていうふうに言っていたので。同じ土俵に追いついてきたのかなっていうふうに思っているんで」

――グローブは何個持っていく予定ですか。
「いや、わかりません」

――今持っているのは何個?
「数えてないんで、ちょっとわからないです」

――WBCっていうのはどんな大会ですか。
「ワールドカップみたいな感じじゃないですかね。国民が熱くなれるようなスポーツの大会だと思っています」

――メジャーリーガーと対戦する可能性もある。
「そこはもちろん楽しみにはしているんですけど、まずは本当に国際試合は負けてしまったら終わりなんで、まずは目先の1勝にしっかりこだわって、そこだけを考えてやりたいなと思っています」

――足もある。走塁への意識は。
「あまり足のことは考えてないですね。守りで多分呼ばれてると思うんで、そこはしっかりやりたいなと思っています」

――昨日すぐに決断できた。
「もう寝れなかったですし、ずっと迷っていました。正直行かない方がいいのかなっていう気持ちも強かったんで。やっぱりこっちでレギュラーを取りたいっていう気持ちがすごい強かったので。すごい悩んだんですけど、これからの野球人生とか自分の人生を考えれば、この経験も1回はしておいた方がいいのかなと自分で思ったので」

――決断したのは今朝になって。
「朝、球場に早めに来て、ちょっと1人で考えて決めました」

――壮行試合の時に栗山さんから声をかけられた。
「さっきも言いましたけど、『何かあったら頼むよ』って言われたので」

――心の準備はあった。
「心の準備は多少はありました」

――育成から代表に。
「拓也と千賀と同じ舞台に立てたっていうのは、これで行けば事実になるんですけど、自分の力じゃないんで。そこの悔しさっていうところはあるんですけど、WBCという大変貴重な体験ができるのはすごい嬉しいことですね」

――過去のWBCで印象に残っていることは。
「やっぱりイチローさんのヒットっていうのは、自分が学生のときに見ていたんで、あれが本当のスーパースターなんだっていうのは感じました」

――その同じ舞台に立つ。
「不安の方が正直強いですね」

――人見知りな性格。
「選手に関しては喋る人は結構多いんで。あとは監督、コーチ、裏方さんていうlのは全然わからないんで、そういった人たちとコミュニケーションをどう取っていけるかっていうのは一つの不安でもありますね」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)