「決める段階にきていない」 斉藤和巳コーチが口にした“開幕投手”争いへの本音

ソフトバンク・斉藤和巳投手コーチ【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・斉藤和巳投手コーチ【写真:藤浦一都】

開幕投手決定に悩み…斉藤和巳投手コーチ「考え方次第なので」

 ソフトバンクは14日、第3クール4日目を迎えた。紅白戦が行われ、斉藤和巳投手コーチが取材に応じた。一問一答は以下の通り。

――紅白戦で大関友久投手と藤井皓哉投手が先発した。ともに2回無失点。
「順調にきているかなという感じはしましたけどね。それぞれ課題を持ってやってくれて。順調にきているなっていう感じですけど」

――藤井はカーブやスライダーを試していたが。
「藤井の中でも責任を持ちながらね、紅白戦が終わった後も投げ込みをしたりとか。前回のシートが終わった後もね。結構、球数を投げながら覚えていかないといけないっていうのを、本人の中で持っていると思うので」

「真っ直ぐ、フォークは元々、自分の中でも自信のあるボールで。やっぱり去年の秋から曲がり球というところに課題を持ってやっているので。それをこういう実戦の中で少しずつ使っていかないとね。感覚も覚えないので。そういったところを、本人もしっかり課題もやってくれているので。ここまでは順調にきているんじゃないかなっていうふうに見ていますけど」

――開幕投手は、藤本監督は自分の中では3人くらいに絞っていると話していたが、斉藤和投手コーチの考えは。
「考え方しだいなんでね、これはね。いろいろ監督を含め僕も学(斎藤学投手コーチ)さんも、それぞれ三者三様の考えがあって。その考えの中でもいろいろね、いろんな考え方を3人がしているんで。どこで話をまとめていくかっていう方向性を出すとなると、誰になるかというところもあります。これはちょっと現時点では、正直決める段階にもきていないかなって。多分学さんも一緒だと思うんですけど、現状ではそう思っています」

――実戦で1度は登板してから決めてあげたい。
「投手コーチ側からすると、そういうふうには監督にも話をさせてもらっているんで。でも最終決断は監督なのでね、はい。そこはわからないですけど」

――藤本監督は日程を考えていたが、意見をすり合わせている。
「どういうところ、どこに重きを置くかですよね。監督も言われているように、開幕の次(のカード)がオリックスなんで。そこも重きを置きながら考えるのかで、多分だいぶ変わってくると思いますし。相性はね、あんまり昨年まではいい投手ってのは少ないというふうにね、僕も聞いているんで」

「ただそこを相性だけで頭からね、そういうふうに考えるのも弱者の考え方みたいなね、部分もあったりもするんで。そこを中心にしてしまうと、開幕投手っていうのはまた別角度になってしまいますし。そこら辺もいろいろ考え方っていうのはね、いろいろあって。正直、今は何もまとまってない状況です」

――競争が始まって、投手の姿はどう見えている。
「先発は特にっていうところなんで。ただリリーフのところもね。競争はありますから。先発だけを見ているわけではないですし。その辺りも、うん。競争ではありますけど、今日あの練習前にはね、投手全員に、競争ではあるけどここで全てが決まるっていうわけでもないのでね、正直。ここは彼らもね、頑張ってくれているんで、秋から自主トレで各々がいろんな課題を持ちながらね、ずっとやっているんで」

「とりあえずそれをこの実戦の中でやりながら。いい方向にいい結果が出ればね、それを続けていけばいいわけですし。失敗したり、うまくいかなかったら反省をしながら。次の課題を持ってやればいいだけだから。失敗を恐れずにやろうと。じゃないと前には進めないので。それは今日朝に話しました」

「選手がどう思っているかっていうのはわからないですけど。僕としては、そういうふうに思っている。競争とはいえども、やるべきことというか、今までやってきたことをこの実戦の中でどう表現できるかっていうのはやってみないとわからないので。そういうことが大事かなと」

――新人の大津亮介投手の評価は。
「面白いなとは思っていますよ。そういう話もこちらでもしていますし。ただどこに可能性があるのかっていうのもね、これからなので。あとは他の先発投手、リリーフっていうところの布陣がまだ決まっていないんで。彼にもいろいろ可能性はありますし。そこら辺はこの実戦を通じてどうしていくかっていう。どう見ていくかっていう。将来のところもありますから」

――今日はオスナ投手ともブルペンでずっと会話をしていた。
「彼はもう素晴らしい、考え方が。本当にいろんなことを考えていますし。自分が一番後ろで投げると、チームのために投げると、俺は勝つために投げるだけっていうね。そういうふうなことも言うんだよね。そのための時間を過ごしているっていうのは言いますから。そういう選手がいてくれるっていうのはすごく心強いですしね」

――オスナの方から持ち味も伝えていたのか。
「キャッチャーもいろいろね。そのボールの使い方、変化球であったり、どういう意識で投げているのかっていうのも質問していたので。それを横で聞きながらっていう感じですけど」

――本人はまだキャッチボールの延長だと。
「彼の中で、キャンプは特にそうですし、オープン戦でも何試合か投げますけど。そこはもう練習みたいなもんなのでね。彼の中でもそのシーズンのために、準備をただしているだけっていう。その逆算をしているっていう、そういう感覚でやってくれている。そこはもう調整を任せているので」

――オリックスとのローテーションのお話で、相手に合わせるよりも自チームのいい投手を踏まえてローテーションを組みたいのが斉藤和コーチの考えなんですか。
「両方、正直ありますけどね。ただ、今のね、先発候補の投手がここからどう仕上げていってくれるのかっていうのも加味していかないといけないですし。それはね、何も考えずに上からポンポンポンと決めるのが一番いいですけど。現状ではね、まだ実戦で投げていないピッチャーもいるんで。いろいろ考えてしまいますよね」

――開幕の翌週の金曜日が試合がないが、それでも開幕は柱になる投手に任せたい。
「理想を言えばきりはないので。そうなれば一番いいんですけど、ただ先のことはわからないんでね。だからもう監督も含め僕らもこの競争という言葉を使っているということは、そういうことなので。本当に、そのあたりも全て競争なんでね。どうするかっていうのは毎日の会話になるぐらいのところですけどね」

――ガンケル投手の仕上がりは。
「3回しかブルペンに入っていないので、わからないですね。紅白戦も投げる予定ではいるので。外国人に関しては、ある程度ブルペンで何度か入ったら実戦にね、入っていける投手はやっぱ多いので。そのあたりは実戦を踏まえてっていうところ。まだ正直、判断するところまできていない。彼はちょっと遅れてきているんでね、その辺りは判断してあげることもかわいそうなぐらい」

(竹村岳 / Gaku Takemura)