1軍選手と「どうやって差が縮まるんか」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

キャンプ初日を終えた小久保2軍監督に鷹フルが単独で取材

 ソフトバンクは1日、宮崎市の生目の杜運動公園で春季キャンプをスタートさせた。主力の集うA組だけでなく、1軍の座を虎視眈々と狙う期待の若手たちのB組も同施設で始動。指揮を執る小久保裕紀2軍監督に鷹フルが単独取材。キャンプ初日を終えた小久保2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――キャンプ初日。選手の動きはどうでしたか。
「今日はイレギュラーで、測定があったり、球団が決めた1キロ走があったりとかして、明日、秋にやっていたメニューをさせるんで、それでよく分かるんじゃないですか。当然、秋やっていない選手たちもいるんですけど、ヒントというかやっぱり1軍で成績を残していた選手たちはオフにこれぐらいしてくるんですよっていうものを去年、一応伝えたつもりなんで、どれくらいやってきているか、逆に明日見るのが楽しみではありますね」

――秋キャンプのメンバーが多くB組に来た。
「朝に選手に話しましたけど、120人超えた大所帯の中で、結局67人の支配下からスタートして、育成から支配下になれる選手が3人。で、あれだけの野手の補強があり、レギュラーがいて、その中で1軍に残っていける選手、入り込んでいける選手って、もうごくごくわずかですよね。正直やるもやらないも自分なんですけど、結局技術の差は今あるから2軍にいるわけで、技術の差はすぐに埋まらないですよね。でも、やっぱりその野球に対する考え方であったり、姿勢であったり、丁寧さであったり、真剣さであったり、空いてる時間の使い方、そこだけは1軍選手よりも勝っておかないといけないと思うんで。それで初めて追い越せるかもしれないっていうものが見えてくると思う」

「空いてる時間の使い方も1軍選手が上だったら、どうやって差が縮まるんかっていう話を朝にした。それを意識した上でのキャンプにしてほしいし、諦めるのは簡単なんでね。でも王会長も言ってましたけど、自分が好きでこの世界入ってきているわけなんで、可能性のある限りそこを目指すっていうのが筋だと思うし。人数が増えれば増えるほど、当たり前ですけど、競争が激しくなりますよというところの話を朝しました」

――4軍までできると、まずみんな宮崎に行きたいっていう気持ちになる。
「それは去年やって感じた利点でした。良い点ね。すごくそれを感じて、だから今年、小川(4軍)監督、また森山さん(3軍監督)と話しているんですけども、2軍のウエスタンの公式戦に出たいという目標をまず最初に設定する選手が増えると思うんですよね。4軍から1軍ってやっぱり描きにくいじゃないですか。だから4軍から2軍、3軍から2軍で、まずウエスタンの公式戦、NPBのチームと試合するんだと」

「そこに向けての選手の拾い上げっていうのをやっぱりうまくしてあげたいなっていうのが、僕の今年の課題であり、もちろん1軍が勝つために上に上げる選手は準備しておかないといけないんですけど、下からの吸い上げ、2軍でもくすぶっている選手はもうポンと3軍に行かせて、今旬な3軍の選手、4軍の選手を上げるっていう、そういう作業もシーズンに入ってくれば出てくるなというふうに思っているんで。2軍の公式戦、2軍と3軍のラインがより濃くなるのが今年であり、より濃くした方がいいんじゃないかなというふうに思っています」

――2軍の立ち位置っていうのも大事になる。
「変わってくるというか、我々ができるのはそのラインを濃くすることだと思うんで、ラインを濃くした方が僕は競争意識は芽生えると思うんで。3軍でも4軍でも結局、試合は出られるわけじゃないですか、人数から考えたら。試合に出られさえすれば満足っていうところが、2軍のウエスタンの試合に出たいっていうふうに思う選手が絶対増えるんで。だからそこはうまくいい状態のときに使ってあげられるようにっていうのは考えています」

――上林選手や野村大選手らもB組スタート。
「上林に関してはやっぱり手術した後なんで、無理させないという方針でB組だった。扱いとしては1軍の扱いのつもりで接していますし、手術明けですしね。(野村)大樹と(増田)珠はまだまだ足りないことがいっぱいあるんで、1軍であろうが2軍であろうが、やることは一緒じゃないですか。自分が生き残るための技術を身につける、それは1軍にいようとも2軍スタートであろうとも、やることは変わらないと思いますね」

――野村大樹選手に関しては去年1軍でも出ていてのB組。悔しさもある。
「どうかね。その変わり、しっかりやるべきことやって、上に行ったらあんまり回ってこないようなところでも、こっちだったら主でできるわけですから。向こうだったらなかなか特打ちに入れてもらえないかもしれないけど、こちらでは入れてもらえるかもしれないんで、そんなの考えようですよ。ゴールは今じゃないんで。やっぱりゴールは開幕にチームに入って、ずっと1軍に帯同できるかというところが目標でしょうから。そのための時間を使えばいいと思います」

――リチャード選手は体を絞っていた。
「とりあえずキャンプは上でのスタートなんで。結構いろんな人の意見に流されやすいっていうのは彼自身も自分で気付いている欠点であると思うので、本人も言っていますけど、まわりに流されない、ぶれないっていうところでやればいいと思うし。1軍でやれるラストチャンスぐらいの気持ちで行くシーズンにしないと多分ズルズル、ファームじゃ打つけどな、という選手で終わりそうですから。本人がやるしかないですよ。こいつに打席を与えてやろうかって思わせるかどうかが勝負だと思います」

――B組のキャンプでのテーマは。
「量はもう自分でしなさいということですね。強制的に振らせるわけじゃなくて、だから全体練習の質を上げるっていうのをちょっと今日コーチ陣の中ではテーマにしてあげたんで、全体練習での時間っていうのをある意味、量をこなすっていうよりは質を上げる練習にしていこう、と。当然、投内連係はじめ、シートバッティング、紅白戦っていうのは実戦に近いんですけど、それ以外の時もなるべく実戦に近いような形で、秋と同様にメインでのフリーバッティングは1か所にしようとして、今日もしたんですけど、その中で守備であり、走塁であり、ゲームと同じ角度で1か所のボールに対して集中するというキャンプにしようと思っています。量は個別であったり、室内であったり、数打ちたい人はそこで打ちなさいと。こっちはより実戦に近いのを意識して、気持ちよく打てるとか、気持ちよく終われるっていうのは目的にはしませんよ、という話は選手にしました」

――今日やってみての感想は。
「今日はランナーつけてないんで、今日はイレギュラーだったんで、もう今日は全員バッティングと守備に入っていたから。明日からはバッティング回りの中の走塁で回って、片一方はまた別のところでということになるんで。走塁も含めて、より実戦に近い形でやってもらえればいいな、というふうに思います」

――自主トレやってきたかは明日分かる、と。明日はどういった練習を。
「去年の秋と一緒ですよ。朝来て、普通にウォーミングアップして、サーキットと体幹を終わらせてからキャッチボールしてペッパーして球技(技術練習)に入るっていう。ランニングも含めて最初にそこをしてしまうというのを明日からします、普通に」

――どういったキャンプにしていきたい。
「大事にするのは選手ですからね。我々は環境整えるだけなんで。環境を整えた中、過ごさせてる時間の中身が問題なんで。あとやるのは選手ですから。選手が自分の目的に向かって、目標に向かって取り組むだけですね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)