なぜドミニカの15歳少年が日本へ? オスーナが語った決断の理由と壮大な野望

ソフトバンクの入団会見に臨んだホセ・オスーナ【写真:藤浦一都】
ソフトバンクの入団会見に臨んだホセ・オスーナ【写真:藤浦一都】

ホークス入りの背景語る「オスーナという名字をビッグにしたい」

 15歳という若さで海を渡る。自分を突き動かしてくれたのは、夢と勇気だ。ソフトバンクに育成選手として入団したホセ・オスーナ外野手が23日、本拠地PayPayドームで入団会見を行った。「家族を助けたいのもありますし、野球選手としてレベルアップしたいのもありますし。オスーナという名字をこれからもっとビッグにしていきたいと思って日本にきました」と語った。

 2007年3月生まれの15歳。高校1年生にあたる年代だが、母国を離れるときも「特に(寂しさとか)そういうことはなく、逆に日本に来られるので、集中して頑張ろうという思いで旅立ちました」とワクワクした気持で胸はいっぱいだった。施設面をはじめ、充実した環境も「自分が成長する機会がある」。全てがホークス入りを決める要因となった。

 右投げ右打ちの外野手。三笠GMはオスーナについて「身体能力が高くて。日本人でいうと秋山幸二さんみたいな。トリプルスリーを達成するような選手になってもらいたい」と期待する。通算437本塁打、303盗塁の偉大な先輩と将来像を重ねた。オスーナ自身も壮大な“夢”がある。目標を問われ、即答した。

「将来、日本のホームランの記録を塗り替えたいです」

 ホームランの記録といえば、通算868本塁打を放った王貞治球団会長が持つ世界記録だ。その記録を超えていきたいということか? 報道陣から問われても、自分自身を疑うことは一切なかった。

「自分の能力だったら超えられる可能性はあると思います」

 NPBでは2位の野村克也さんの657本塁打すら寄せ付けない圧倒的な記録である。15歳という無限の可能性を秘めたオスーナが、王会長の記録に挑むと言い切った。まずは、もちろん支配下登録されることが当面の目標。今季も「まずは4軍戦でホームランを10本打ちたいです」と足元を見つめた。日本の、世界の頂点に立つために、ホークスにやってきた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)